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知っていますか?手術室の仕事 〜手術をするだけが仕事じゃない〜


こんにちは。手術室看護師のnanaです。


手術室看護師なら誰でも一度はもやっとしたことがある話を今回は書きたいと思います。
私自身は非常にもやっとしていますよ・・・笑



大きな病院に勤めている看護師であれば「応援制度」は耳にしたことがあると思います。

その名の通り、看護師の人数が足りていない部署や、忙しい部署に「応援=お手伝い」に行く制度です。



患者さんが困っているわけですから、応援に行くのは当然と言えば当然なんです・・・


ご飯の介助や、おむつ交換、体位交換などを行うために病棟へ行くこともあれば、ERへ手伝いに行くこともあります。


患者さんのためですからね・・・



では手術室が夜勤帯に手術が何件も連続で対応し続けている時、他の部署から応援は来てくれるでしょうか・・・



答えはNOです。



全ての病院が手術室に応援に来ないことはない、と願いたいですが、少なくとも私の知り合いの手術室看護師達は同じ悩みを抱えてます。



手術室看護師は、手術だけを行なっているわけではありません。

緊急手術が決まれば

①術式に適したベッドや部屋を選択し、手術が行えるように医療機器を配置
②術式に合わせた物品のもの集めを行い、器械の展開(器械に汚れがないか、点数が合っているか確認し、消耗品などを含め物品のカウントなど)を行う
③麻薬を含めた薬品の準備を麻酔科医と協働して行う

を夜勤帯であれば看護師2、3人で30分以内に準備して患者さんを待ちます。

一見やることは少なく見えますが、超緊急であれば(ショックバイタルなど死にかけのこともありますね)手術の連絡と同時に、こちらの準備が整っていなくても雪崩れ込んでくることもあるため、とーっても忙しいわけです。


ですが「応援」なんて来ないです。

いくら病棟やERの看護師さんたちがオペ出し・オペ迎えで出入りしていても、手術で使う物品などはわからないため、手伝える余地がないと思われているからです。

実際は猫の手でも借りたいような状況もあるので、点滴ルートや圧ラインを組んだり、手伝っていただきたいことはたくさんあります。本当に。



手術が終わって患者さんが退室したら業務終了!




となれば良いですがそういう訳にも行きません。


手術が終われば
①使用した器械の洗浄や滅菌業務(業者さんがやってくれる所もあるみたいです)
②使用した物品の補充
③部屋の掃除


といろいろ仕事はあります。

中でも掃除が厄介です。

疲れ果てた真夜中に部屋の隅々まで掃除をします。緊急手術となれば、場は荒れがちなためベッドから床、そしてコード類などありとあらゆる箇所が血だらけになっているため、疲れた身体に鞭を打って掃除をします。


本当にしんどいです。


でも「応援」は来ないんですね。


掃除くらい手伝って欲しいと本当に思います。

なんせいつ次の緊急手術が入るかわからないので、のんびりと業務を行うわけには行かないからです。



しかしそんなことは手術室経験者でなければわからないため、手術が終わり患者さんが退室したら容赦なく、管理当直から病棟やERへ「応援」に行くように連絡がくることもしばしば・・・


こちらが休憩も取れずにぶっ通しで手術をしていたと伝えても、病棟も忙しいの一点張りで「応援」に行くように指示された時は、もうたまったもんじゃありませんよね。笑



なら手術がなければ暇かというとそうでもありません。

何十、何百とある術式の手技書や物集めの改訂や、物品管理など日常では忙しすぎて行えない業務や、次の日の手術の準備、術前術後の患者さんへの訪問などを行なっています。


手術以外にもやることはたんまりとあります。


手術室へ「応援」に来ることが難しいことはわかっています。なので頭の片隅に手術以外にも仕事があるということを覚えておいていただけたら幸いです。


常に患者さんやその家族と接している病棟やERの看護師さんが忙しいことも重々承知しています。

どこの部署も人手不足です。


皆が気持ちよく仕事ができる環境を作るために、お互いの仕事内容を知って、助け合えるような環境になったらいいなと願っています。



読んでいただいてありがとうございました。

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