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葛城事件

死刑囚の息子と、その息子を取り巻く家族の話。
なぜ、息子は死刑囚となる事件を起こしたのか?
死刑囚となった息子の家族とはどんな家族だったのか?
実在の事件をモチーフにした映画。


三浦友和の悪役

実は事前情報なしにみたので、三浦友和さんが主役だと知らなくて。
もともとのイメージが清らか、爽やかさだったから、この役の自己中心性しかない嫌な父親役にびっくり。
ストーリーが進んでも変わらずに、自分の何が悪いかわからない、自分は絶対に正しい。そういう人間の心が揺れ動かない、っていうのかな。ある種の頑なさが無理なく感じ取れた。
だからこそ加害者家族となっていく過程も納得できた。

私の身内にも(ここまでではないけれど)タイプ的に似た人がいて。ああ、いるいる。
こういうところが起点になって、家族に影響でるよね。
っていう違和感のない納得感を役から感じて、さすがの一言。

若葉竜也という怪物

この人が、「愛がなんだ」のナカハラだったなんて。
驚いた。役者さんてすごいなぁ。

葛城事件の若葉竜也は、すごく弱いんだけど、弱さの中に細くてかたい譲れない何かを持っている人。
何かを抱えたままにしてしまうからこそ、自分で計画して自分で死刑囚になる事件を起こしてしまう。
この事件の現場も映像として流れるんだけど、言い方が悪いけど圧巻だった。生々しく人間の内面を画として観れ、感じることが、触れることが出来たような感覚に陥る。

映像と若林達也の演技のすごさ。

最後に

こういった題材特有の、何かのメッセージを持って強く訴えかけるわけではないけれど、見終わった後に残る自分の教訓みたいなものを形成する欠片になるもの。
この映画を観終わった後、正解不正解があるわけではないが、自分がこの映画から何を感じ取るか、そこが大切なことなんだろうな。

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