見出し画像

欧羅巴旅〔旅を終えて〕


75日ぶりの日本。

お家に帰ってから全身にスクラブ髪にはトリートメント、顔にはパックを。
それからもこもこのパジャマをきて、ふかふかのお布団に挟まれて眠る。ベッドの脇には、何度も読み返したお気に入りの本たち。

朝起きると冷蔵庫の中には朝ごはんがあり、毎日洗濯された清潔な洋服を着る。食後にいつものハーブティーを探すも見当たらないので、母に尋ねると「この家にハーブティーはないです」と。
あれ、そうだったっけ。ハーブティー飲み始めたのってヨーロッパ行ってからだったんだ。


スーパーに行って食品パッケージの栄養成分を見ると、

エネルギー
タンパク質
あれ?

エネルギー
脂質
の順番じゃなかったんだ。

その前に翻訳をつかわなくても、言葉が理解できることに感心してしまう。視界に入る日本語全てがまだ翻訳機を通しているみたい。


じゃがいもやりんごをバッグに入れて、キッチンにあったアルミホイルでサンドイッチを作って街歩きに出かけていたのがつい1週間前。
日本は秋だけど、もっと寒い国からやってきたからまだまだ暖かく少し得をした気分。

「あなたは海外に出た方がいい」
と散々色々な人に言われてきて、勝手に「憧れ」を抱き旅に出た。その中で、やはり日本という国の素晴らしさやおもしろみを実感。
安全であること、島国であること、水回りが綺麗であること、少しシャイであること、食の選択肢が多いこと。不思議な国であると同時になんだかかんだとても住みやすい国。
日本で周りの目を気にせずに、自分の意思を持って暮らすことが世界で1番幸せに生きていけるのではないだろうか、と思うほど。



旅の途中、飛行機でリュックサックが重たくて上の棚に上げられないことが度々。
ヨーロッパ圏では、私が困っていると秒殺で助けに来てくれる。対してアジア圏は「上げようか?」と声を掛けて、私の意思を確認してから助けてもらったことがあった。
地下鉄やバスでもヨーロッパはすぐに必要としている人にさっと席を譲る。日本ではどうだろう。もちろん人によるのだろうけど、誰もが積極的に譲るわけではないかもしれない。

でも最近よく見かける「お腹に赤ちゃんがいます」のストラップ。
これをつけている人がいたら、積極的に席を譲れそうだ。それは明らかに不自由だというのがわかるから。
日本を含むアジア圏では、そこの「求められていないかもしれない手助け」に敏感な人が多いのだろうな。明らかに困っている人は助けるけど困ってるかもしれない人には…みたいな、だから「そこのあなた、助けてください!」と頼んで断られることってあまりないような気がする。
まあヨーロッパでも断られることなかったけど。つまり、日本人もやさしいのよって言いたかったのです。
(あくまでも22歳の若造が肌で感じた感想)



(「いらない手助け」で思い出したのだけど、(ちょっと違う文脈と異なる)個人的に服屋さんでは話しかけられるのが嫌なので日本の接客はあまり好きではないのです。
私が外国人だったからか、ヨーロッパのお店では入店しても放置されていたのでとても気が楽でした。)



あとすごく部屋の掃除をしたくなった。
必要なものって本当は少しだけなのかも。今まで過去の思い出に囚われて、いつか見返したら過去に戻れる品々を取っていたの。だけど、見てもただ「懐かしい」だけじゃなくきゅんとくるものだけを選抜。あとは捨てる、授業中友達からもらった沢山の手紙も体育祭のメガホンも。
かつての自分が大切にしていた物を捨てるって勇気がいるけど、結局必要な物って「今」に関係しているものだと思う。「懐かしい過去の宝物≠幸せになる今の宝物」だわ、と袋にまとめること6袋分。
お部屋だけじゃなくて、心もすっきりした気がしました。



平日には普段の日常が戻り、久しぶりに大学へ。
もう後輩しかいない語学のクラスメートに「最近見かけないから心配だったんですよ〜」とか旅行に行ったのを知ってる子には「どこまで行ったの?」と声を掛けられたり。
スペイン語の先生に、スペインが陽気で素敵な街でありチュロスが美味しかったことを伝えると「先生もチュロスたべたい〜」とスペイン訛りの日本語で返してくれたり。
ゼミではさくっと旅行のさわりを話し、先生には「顔つきが変わりましたね」と。(本当かどうかは知らないけど)他にバイト先の人とか、何人かにも大人っぽくなったとか逞しくなったとか言われたから、そうかも?と鏡を見てみる。
卵型に垂れ眉に垂れ目、すこし上がった口角。うん、いつもの間抜け顔の私だったわ。



とりあえず残り数えるほどしか授業がないので、コロナで使えなかった分の学食を必死に今食べています。
今日は600円のカツ定食。サクサクのカツに温かいお味噌汁、大量の白ごはん。ご馳走様です。


トレーを返そうとすると、長い行列が。返却口は横幅があって広いのに、皆んな1列に並んで前の人が片づけるのを待っている。
こういうところが苦手ですね。空いてる空間があるんだから、そっちに行けばいいのに効率悪いなぁとか思ってしまう私はやはり日本は向いていないのでしょうか。それともただの思い違いかも?

「日本は平和すぎてわくわくが足りないわ。まだまだ世界を見てみたい」とそんな簡単に大口を叩けるのもきっと今のうち。でもやっぱり海外に住んでみたいし、生きた英語の勉強をきちんとやりたい。その前にまずは、きちんと日本について学んでからね。 




性善説ライクだけど、私は基本的に人間みんなのことが好き。やっぱり長所と短所は表裏一体だし、捉え方次第だよな〜と思う。
人生を通して人の素敵なところや優しさを見つけるのが好きだから、いろんな人に会うためにまだまだ世界に出るんだ。





さあて、次はどこへいこうかな。




〔欧羅巴旅編完2023.8.27-2023.11.8〕
長い長いお付き合い、ご閲読いただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?