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3/1 お休みの日なのでひとつ思考を

今日はお休みの日でした
たらふく寝て、気づいたら夜です
少し頭を動かしたくなったので今日はひとつ、
思考実験をしてみましょう


みなさんは「コンドルセのパラドックス」という
思考実験をご存知だろうか。

[問題文]
とある三人組が旅行の計画を立てている。

旅行先の候補地は、『日本』、『アメリカ』、『スペイン』の3カ国。
最終的にどこへ行くかは、三人による多数決で決められることとなった。

まず行われたのが、『日本』と『アメリカ』による多数決だ。
そこでは日本に1票、アメリカには2票が投じられたため、アメリカが次へと駒を進めた。
次に行われたのは、勝ち上がった『アメリカ』と、『スペイン』による多数決だ。
そこでは、アメリカに1票、スペインに2票が投じられた。

よって以上の結果から、旅行先はスペインに決定。

さっそく三人は旅行会社に行き、スペイン行きの旅行プランを予約することにした。
ところが、そこで三人は、その旅行会社から、”アメリカ行きの旅行プランには空きがなくなった”とのことを告げられる。
…とはいえ、多数決によって旅行先に決まったのはスペインである。
ここで迷わずスペイン行きを予約してしまえば、三人にとっては何も問題はなかった。

だが、ここで三人の内の一人が、遊び半分で次の提案を持ちかけた。
「一度、スペインと日本の2カ国だけで多数決をとってみないか?」

提案の通り、今一度、多数決をとってみた三人。
すると驚くことに、結果は、”スペインに1票、日本に2票が投じられ、日本が多数という結果”になってしまった。
当初の多数決では最下位だったはずの日本が、逆転優勝を収めたのだ。

では、「なぜ、このようなことが起こったのか?」
なお、前提としてこの思考実験には、イカサマはまったく使われていない。

https://1010kurakki.com/

もしご覧になってる方がいらっしゃるのなら、
1度ここで止まって考えてみては如何だろうか。
結構面白いよ。

まず私の考えを。

メンバー3人をそれぞれABCとすると、アメリカ、スペイン、日本の行きたい順位が違ったのだろう。
例えば、
Aアメリカ<スペイン<日本
Bスペイン<日本<アメリカ
C日本<アメリカ<スペイン

と言ったような内訳であれば、
日本orアメリカが AーBC
アメリカorスペインが BーAC
最後、スペインor日本が CーAB
と、なる。

さて、解説だ。

今回は以下のサイトを参考にしている。

答え的にはあっているようだ。
そもそもこの問題は、多数決への批判的要素を含んだ問題である。そのため解決策としては、ほかの意思決定方法を検討するのが妥当だろう。

これらの解決策として、
①『順位評点方式』
②『上位二者決選投票方式』
が挙げられている。

①はなかなか使いやすそうな方式だな。欠点として中間に点数が集まりやすくなっているが、
その分多数よりも少数意見が尊重されており、全員からの不満が少なく収まることが予測される。
事務的に処理することで、多数決的な使いやすさを残しつつ、少数意見を取り入れることが出来るのはいい点だろう。

②はなかなか時間がかかるし、母数が多い場合に限定されている。しかし現実に多数採用例があり、丁寧で納得感のある決定方法だといえる。
グループ活動や会議の決定には向かなそうだ。自分で使ってみる機会、あるかな?

ここで、少人数向けの意思決定方法として
完全に話し合いで決定まで持っていく、
意思決定のプロセスを重視した方法を挙げておく。

詳しい訳では無いので専門の方は石を投げないでください。こんなんがあるんやなって薄目で見てお願い。

今回のような問題には、合理的意思決定モデルというプロセスが使いやすいだろう。これを用いる話し合いは、以下の6ステップで行われる。

①問題を定義する
②候補となる解決策を評価するために使用する基準を特定する
③各基準の重要度を決定する
④考えられる選択肢のリストを作る
⑤これらの選択肢を評価する
⑥最適な解決策を決定する

https://www.atlassian.com/ja/work-management/team-management-and-leadership/decision-making/models

今回の問題である、「どこに旅行に行くか」に則して考える。

まず、①問題の定義
これは問題文そのままだ。どこに旅行にいくか。

次に、②候補となる解決策を評価するために使用する基準を特定する
これは旅行に行くにあたってなにを重視したいかがいいかもしれない。
例えば、「ご飯が美味しい」「予算内に収めたい」「素敵なホテルに泊まりたい」「特別な体験がしたい」といったふうに。

③各基準の重要度を決定する
ここからが難しい。先程あげた重視したい点をだいたい順位化してみる作業だ。メンバーの考えのすり合わせを徐々に行っていく感覚でやろう。
すると、「予算内」「体験」「ご飯」「ホテル」などと決まったりする。別に明確に順位化しなくても、予算と体験は絶対重視したいなーーくらいの大まかな優劣をつけるに留めておいてもいいだろう。十分後の判断材料になる。

④考えられる選択肢のリストを作る
これは予め指定されていた、アメリカ、日本、スペインが当てはまる。

⑤これらの選択肢を評価する
ここまでに決めた評価基準で、4の選択肢を評価する。勝手なイメージだが、アメリカ物価高そう。スペインでワイン飲みた〜い。日本で色んな体験しておいで。こんなふう。

⑥最適な解決策を決定する
以上を統合して、最終的にチームの答えを出そう。きっと満足感と納得感のある決定ができるだろう。

この方法が多数決と違うところは、選択肢に対する評価基準から統一している点だ。対象を評価する基準が統一されていると、各個人の意見が比較しやすくなるメリットがある。
なかなか大変で時間のかかる方法だが、終わったあと不思議と満足感に満ちるあの感覚をぜひ味わって欲しい。例え自分の案が採用されなくとも、だ。

個人的な感想としては、相手の考えをしっかり聞いて吟味するため、最終的な結果に対して受け入れることが出来る感覚がある。長時間ダラダラと続けるよりは、1~2時間で決め切るくらいが丁度いいだろう。
こう考えてみると、私は結果に対する納得感を重視しているのかもしれないな。

今回はこんなもんにしとくか。なかなか面白い思考実験でしたね。今回は明確に答えがあるタイプ。次回は個人の考えによって生み出される答えが違うタイプに挑戦しようかな。では。

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