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NO.017 冊子はどのくらい刷るべきか

 考古学関係の印刷物として、大きく分けると
①市販される単行本
②定価がついていない冊子
に分かれます。また、②は論集・雑誌・資料集とともに報告書があります。
 昔は②は灰色文献とも呼ばれ、なかなか入手しにくいものも多くありましたが、最近は、全国遺跡報告総覧というサイトに文化財調査報告書のPDFが公開されることが増え、大分入手しやすくなっています。ただ、これは任意?であるため、積極性の有無によって公開の度合いが違うようです。
 報告書はこのように公開される傾向になりつつありますが、雑誌や論集はまだまだの状態です。
 そこで問題なのが印刷部数・・・。
 最近は本を購入する人が減っているので、印刷部数も減る傾向にあるようです。また、人気のある重要冊子はすぐに完売となりなかなか情報が得にくいのも実情です。
 僕が知っているとある雑誌も700部から300部ほどに印刷部数を減らしているそうです。こういう冊子は互助的側面もあるので、なるべく買うようにしていますが、スペースにも限界があるのも事実。
 これからは論文一本ずつのデータ販売なども増えてきそうな気がします。

 橋本達也 1999 「盾の系譜」『国家形成期の考古学』 
 豊島直博 1999 「古墳時代における軍事組織の形成」『国家形成期の考古学』 
 栗原和彦 1996 「嘉麻郡西郷村所在瓦工房の瓦笵」『九州歴史資料館研究論集』21 
 小田和利 1996 「製塩土器からみた律令期集落の様相」『九州歴史資料館研究論集』21 
 中島恒次郎 1995 「北部九州」『概説 中世の土器・陶磁器』 
 橋本久和 1995 「中世社会と土器研究」『概説 中世の土器・陶磁器』 
 木戸雅寿 1995 「石鍋」『概説 中世の土器・陶磁器』 
 森隆 1995 「黒色土器」『概説 中世の土器・陶磁器』 
 藤田弘夫 1993 『都市の論理』中公新書1151 
 吉村靖徳 1995 「権衡に関する一考察」『九州歴史資料館研究論集』20 
 小畑弘己 2008 「度量衡」『中世都市博多を掘る』 
 堀本一繁 2008 「中世博多の変遷」『中世都市博多を掘る』 
 大庭康時 2008 「考古学から見た博多の展開」『中世都市博多を掘る』 
 白石太一郎 2009 「奈良大文化財学科の五年間」『文化財学報』27 
 藤本貴仁 2007 「熊本県域における古墳時代の土器製塩について」『古墳時代の海人集団を再検討する』 
 山崎純男 2007 「九州における海人集団の成立と展開」『古墳時代の海人集団を再検討する』 
 本田浩二郎 2008 「中世博多の道路と町割」『中世都市博多を掘る』 
 田上勇一郎 2008 「都市博多の境界と房州堀」『中世都市博多を掘る』 
 横田・石丸 1995 「国宝観世音寺鐘と妙心寺鐘」『九州歴史資料館研究論集』20 
 千田嘉博 2009 「戦国領主と城郭」『文化財学報』27 
 宮小路賀宏1995 「筒野経塚の紹介」『九州歴史資料館研究論集』20 
 杉井健 1999 「甑形土器の地域性」『国家形成期の考古学』 
 光本順 2006 「身体に関する考古学的研究の現状と課題」『身体表現の考古学』
 光本順 2006 「関連諸科学と身体考古学」『身体表現の考古学』 
 光本順2006 「本書の実践的研究に関するパースペクティブ」『身体表現の考古学』
 光本順 2006 「絵画資料・人形製品の身体表現」『身体表現の考古学』 
 藤田三郎 2002 「弥生時代」『大和の考古学100年』 
 河上邦彦 2002 「古墳時代」『大和の考古学100年』 
 堀田啓一 2002 「大和の考古学と先覚者たち」『大和の考古学100年』 
 荒木幸治 2009 「近畿地方における弥生集落変遷の分析」『弥生時代後期の社会変化』 
長友朋子2009 「器物生産、分業化、階層化からみた弥生後期社会と国際環境」『弥生時代後期の社会変化』
                     (2009.08.28~2009.09.15)
 こうしてみると、定価がない本をよく読んでいるようです。実際、市販される本よりも、②のほうが新しい情報が掲載される傾向があるようです。

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