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NO.009 〈新刊紹介〉田尻義了2024『青銅器の生産からみる弥生社会』雄山閣

弥生文化研究の華といわれるのが青銅器研究。
そんな弥生時代の青銅器を研究している田尻義了さんが新しい単著を刊行されましたので、ご紹介しておきます。

 田尻義了2024『青銅器の生産からみる弥生社会』雄山閣(5,400円+税)です。

 弥生時代の青銅器というと、どうしても武器形青銅器や銅鐸、銅鏡研究が主流となりますが、本書ではヤリガンナ、銅釧、小型仿製鏡、銅鏃などどちらかというと非主流の青銅器に着目されています。また、鋳型の石材産出地にもアプローチするなど、研究がされつくされているイメージがある弥生青銅器にあらたな視点からの研究を進めてあります。

 また、資料の観察・実測・写真撮影は当然のことですが、鋳型の成分分析や資料の3D計測を積極的に取り入れていることは新たな展開を切り開く大きな武器になっているような気がします。
 
 じつは本書のもととなっている論文はほぼ目を通しているのですが、一書にまとめられるとまた違った感じがします。
 
 今後の展開に一読者として期待しています。

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