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バルト三国、スタートアップの資金調達で引き続き優位に FIRSTPICKとChange Venturesによる最新のバルト三国のスタートアップ資金調達レポートでは、バルト三国のスタートアップエコシステムにおける資金調達の傾向、課題、成功事例について詳しく説明している。

「バルト三国スタートアップ資金調達レポート」によると、バルト三国のスタートアップ資金調達は、人口100万人当たりでは英国や北欧諸国に匹敵し、エストニアはイスラエルに次ぐ規模を誇る。2024年上半期、プレシードラウンドは記録的な低調に陥り、シードラウンドも停滞。多くのスタートアップは資金不足を補うためにベンチャーデット投資にシフトしている。一方で、成長資金の回復兆候も見られ、特にエストニアが資金調達数でリードしている。


本日、FIRSTPICK(ファーストピック)とChange Ventures(チェンジ・ベンチャーズ)チームは、エストニア、ラトビア、リトアニアに本社を置く企業を含む、バルト三国のスタートアップの資金調達ラウンドに関する詳細なデータを半年ごとに発表する「The Baltic Startup Funding Report(バルト三国スタートアップ資金調達レポート)」を発表した。

バルト三国の人口100万人当たりのスタートアップの資金調達額は、英国や北欧諸国と同程度であり、エストニアは「スタートアップ大国」イスラエルに次いで僅差だ。バルト三国を合わせると、ヨーロッパのトップクラスとほぼ同等である。

Nord Security(ノード・セキュリティ)は、この地域から生まれた最新のユニコーンであり、この地域がこれまでに経験した成功のリストに加わった。

バルトのスタートアップは世界的な資金調達の課題に直面している

バルト三国は、ほかの地域でも経験したスタートアップの資金調達における一般的な課題-エンジェルやプレシードファンドによる撤退、シードファンドが新規投資よりも現在のポートフォリオのサポートに重点を置いていること、シリーズAの資金ギャップ-を抱えている。

これら3つのアーリーステージを通じて、この期間の総調達資金は1億1500万ユーロ前後で横ばいとなっている。

プレシード資金調達の減少

2024年上半期、プレシードのラウンド数は6ヶ月連続で減少を続け、本レポートシリーズで記録された最低の件数(32件)に達した。

資本が少ない大規模ラウンド(特に多くのAIスタートアップラウンド)に集中し、エンジェル資金が2021/2022年のブームから枯渇している。著者らは、資金調達の難しさを考えると、プレシード・ベンチャー・ファンドはリソースが乏しくなると予測している。

シードステージの問題点

シード・ラウンドは増加しておらず、一部のスタートアップは株式/転換社債投資の代わりにベンチャー・デット投資に転じている。

多くの投資家が、シリーズA調達に必要な成果を上げるのに苦労する中、投資先のスタートアップを支援しなければならないことで火傷を負っているため、シードステージでより高いバリュエーションを交渉するのはますます難しくなっていると著者は主張する。

今日のシードステージのラウンドの多くは、ブリッジラウンドやエクステンションラウンドであり、チームはシリーズAを調達できるまで生き残ることに集中しているため、ラウンドの中央値は200万ユーロから2024年上半期には150万ユーロに減少している。

バルト三国のスタートアップの成長資本は回復の兆し

しかし、2024年上半期に投下された成長資本は、それ以前の6ヶ月間よりは少なかったものの、それでも2022年下半期と2023年上半期の12ヶ月間よりは多く、2022年上半期の10億ユーロ以上のレベルには遠く及ばないものの、成長資本が戻りつつあることを示している。

収集されたデータによると、エストニアは依然としてクローズしたラウンドの総数で市場をリードしている。実際、2024年上半期のシリーズAおよび成長ラウンドでは、エストニアはすでに2023年に完了したラウンド数(13)の半分以上(9)に達している。

しかし、今年上半期のデータによると、ラトビアとリトアニアのスタートアップは、エストニアのスタートアップよりも30%ほど高い評価額でプレシード資金を集めることができる。これは、特にリトアニアでAIスタートアップの数が多く、その背後にいる連続創業者が特に高い評価額でラウンドを調達しているためと考えられる。

しかし、シードラウンドに関しては、エストニアのスタートアップはラトビアやリトアニアよりも高いバリュエーションで資金を集めることができる。

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