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「第5回宮崎本大賞」発表式レポート

3月8日に「第5回宮崎本大賞」の発表式がありました。
呼ばれたわけではないのですが、誰でも参列して良いということなので、行ってきました。
「宮崎本大賞」は宮崎県内の書店員さんや司書さんが「好きな本」を選ぶ賞です。乱暴に言ってしまえば、宮崎版「本屋大賞」ですね。

今年は、ノミネートされた5作品のうち決選投票で、垣谷美雨さんの『うちの父が運転をやめません』が選ばれました。タイトルにあるように、高齢ドライバーの父をめぐる家族の話です。

他の地方と同様に宮崎県の人口は減り続けていて、地元企業が経営している書店の数も減少しています。
そのような状況の中で、本好きの人を増やしたいという想いを込めて「宮崎本大賞」の活動が始まったと聞いています。
実際に、宮崎本大賞の開始によって、宮崎県内の書店で売れている冊数は伸びているそうです。

地方発信の賞はいくつかありますが、宮崎本大賞は売れたかどうかではなく、本が好きな人が好きな本を選ぶというコンセプトも面白いし、文庫本が対象なのもユニークです。
作家になって初めて知ったのですが、芥川賞・直木賞をはじめとして小説の賞は単行本が対象なのがほとんどで、文庫本が対象な賞は稀です。
最近は、文庫本のみで刊行される小説も多いし、単行本では売れなくても文庫化してヒットした作品も多いです。
宮崎本大賞は文庫本を刊行している作家にとってもありがたいし、単行本よりも文庫本は買いやすいので多くの人に受賞作を手に取ってもらえる良い賞だと思います。

ふたりの余命 余命一年の君と余命二年の僕」を刊行したときのテレビインタビューで、「いつかは宮崎本大賞を受賞したい」と目標を語りました(オンエアではカットされてましたが)。

宮崎在住の作家として、いつかは宮崎本大賞に選ばれるような本を刊行したいと決意を新たにした日でした(宮崎在住だからって依怙贔屓はないです)。


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