黄泉の国に出す手紙
私の住む鳥取県のお隣、島根県松江市に神話に出てくる黄泉の国の入り口「黄泉比良坂」(よもつひらさか)があります。今回はここで、他界したおやじに手紙を送った話をご紹介します。
ラーメン屋の近所に黄泉の国が
私の住む鳥取県境港市は島根県との県境にあり、どちらかというと遠く離れた県庁所在地の鳥取市よりも、島根県の県庁所在地松江市のほうが身近な存在です。
なんせ近所にある橋を渡れば松江市ですから。
私は松江市揖屋(いや)にあるラーメン屋のチャーシュー麺が好きで、週1で食べに行っています。
このラーメン屋の前にある集落に黄泉の国の入り口、黄泉比良坂(よもつひらさか)があるのです。
毎年、正月明けに安来清水寺にお札とお守りをいただきに行くのですが、今日も例年のごとくお寺参りをし、例のラーメン屋が近いので昼食を食べに行きました。
シンクロニシティ
世の中には不思議なことがあり、このサイトにフォローしてくださっているクリエーターさんと、ときたま奇妙な共時性が起こるのです。
数日前でしたか、私が「予知能力」の話を投稿すると、私の数少ないフォロワーさんの一人の方も、同じような時間に予知能力の話を投稿されたということがありました。(この方は「予知夢」ではありましたが)
今回の記事を上げたのも一昨日、他のフォロワーさんとのコメントのやり取りの中で、「黄泉」というキーワードがでてきて驚いたことからでした。
ちょうど次の記事は、黄泉の国に関する記事を書こうと構想を練っている最中だったのです。
この不思議な共時性は、たびたび私の身に起こるのです。だからといって何か次に進展が有るのかと言われれば、何も無いのですが。
このシンクロニシティに関しての記事も、いつか投稿したいと思います。
黄泉比良坂(よもつひらさか)へ
黄泉比良坂は、ラーメン屋から車で2,3分の場所にあります。田舎の小さな集落から少し山に入った場所ですが、小さな駐車場や東屋があり落ち着いた公園となっています。
公園の脇に大きな岩が3つあり、たぶんそれが黄泉の国の入り口をふさいだ岩だと思われます。
神話では、日本の国を海のしずくから作ったイザナギとイザナミの夫婦神の物語が記載されています。皆さんご存じでしょうから大雑把に説明させてください。
イザナミノミコトの死
日本の国づくりをしたこの夫婦神は、たくさんの子をもうけましたが、火の神を生んだ時大やけどを負った女神イザナミノミコトは、黄泉の国へ旅立ちました。
悲しんだイザナギノミコトは一目妻に逢いたくて、黄泉の国に続く洞窟に入り込んだのですが、そこで見たのは身体が腐り、うじが湧く変わり果てた妻の姿でした。
驚愕したイザナギノミコトは慌てて洞窟を抜け出し、追ってくる妻と黄泉の国の従僕を止めるべく、大きな岩で穴をふさいだのでした。
男は身勝手です。奥さんかわいそう・・・
死者への手紙
この公園には小さなポストがあります。便箋とペンも用意されていて、亡くなった方への手紙が投かんできるようになっているのです。
投かんされた手紙は、地元の神主さんがお焚き上げをしてくれるのだそう。
私のおやじは一昨年旅立ったのですが、生前余り仲が良くありませんでした。性格が合わなかったせいだと思いますが、話もロクにしませんでした。
亡くなってから少し後悔があったのですが、この際あの世のおやじに手紙を書いてみました。
「おとっつぁん、生前は優しくしてやれなくてごめん。今、少し後悔をしている。そちらで幸せに暮らしてくれ」
生きている者の気持ち
このポストのおかげで、ここ黄泉比良坂は小さなブームになっているようです。この日は人っ子一人いませんでしたが、ボチボチと訪れる人が増えているとのことでした。
皆、亡くなった人との繋がりを、今一度確かめたいのかもしれませんし、私のように贖罪の気持ちを持つ人もいるのでしょう。
本当にこの手紙がおやじのもとに届くかは分かりませんが気持ちが少し、ほんの少ーしだけ軽くなったのは事実です。
山陰にはこの様な小さなマジカルスポットがたくさんあります。
また記事を上げたいと思います。
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