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妊娠糖尿病〜インスリン療法まとめ〜

妊娠糖尿病と診断され、食事では血糖が下がらない場合薬物療法を行い血糖値をコントロールしていきます。
妊娠中に使用できるお薬はインスリン注射のみ。飲み薬はありません。
なので、インスリン注射についてまとめていきます。

まず、妊娠中の目標血糖値は

食前100以下
食後2時間値120以下

食事を分割しても運動療法を加えても目標に
到達しない時はインスリン療法を導入することがあります。

①インスリンってなに?
インスリンとは、血糖値を下げることができる唯一のホルモンです。
食後などに血糖値が上がると膵臓からインスリンが分泌されます。
インスリンは糖を各臓器や筋肉に運びます。
血管から糖が出ていく事で血糖値は下がります。糖は体の中でエネルギーとして利用されます。

②インスリン療法ってなに?
妊娠中にインスリンの量が足りない、
効きが悪くなっているなどの理由で血糖値が
下がりにくい状態になっている為、体の外からインスリンを注射して血糖値を下げていきます。

③インスリンの種類??
インスリン注射は、効果があらわれるまでの
タイミングと、持続時間によって6種類に
分けられます。

・超速効型… 食直前注射(食べる直前)
     10~20分で効果が出てくる。
     持続する時間は3~5時間。
(ノボラピッド、ヒューマログなど)

速効型…    食前注射(食事の30分前)
                  30分~1時間で効果が出てくる
     持続時間は5~8時間

中間型…   食事によらず決まった時間に注射
               30分~3時間で効果がでてくる
                持続する時間は18~24時間
                 (ノボリンNなど)

混合型… 超速効型or速効型+中間型
                持続時間は中間型インスリンと  
ほぼ同じ

配合溶解…  食直前に注射1日1回or2回
                 超速効型+持効型
                 作用時間は持効型とほぼ同じ


持効型溶解 …食事によらず決まった時間に注射
                   効果が出るまで1~2時間
       1日の血糖値を全体的に下げる。
 (ランタス、レベミルなど)

このうち妊娠糖尿病でよく使用されるのが、
超速攻型と持続型です。
稀に中間型も使用されます。

③血糖値が上がるとどうなる?
血糖値が多少高い程度(200 mg/dL 前後)では、ほとんど症状は現れません。もう少し高い場合(300〜400mg/dLぐらい)は、のどが渇いたり、尿の量が増えたり、倦怠感(疲れやすさ)を感じたりします。血糖値がさらに高くなると(およそ500mg/dL以上)、吐き気や嘔吐、あるいは意識が遠のく、昏睡に陥るなどの危険な状態に至ります。
血糖値が200程度でも長時間高い状態が続くと、血管にダメージを与え、網膜症や腎症になることがあります。
妊娠中、胎盤に血液を送る血管にダメージができると大変な事になりますよね?
なので血糖コントロールはとても重要なんです。

④低血糖ってなに??
血糖値は空腹時でも70から99ぐらいの数値を保っています。
これが70以下のとき、低血糖状態となります。特に、脳や筋肉は糖を大量に消費します。
他にも
急に大幅に血糖値が下がった時
冷や汗、頭痛、生あくび、動悸、不安感手の震え、顔色が悪いなどの複数の症状がでる時

このような場合には低血糖と診断されます。
糖が不足すると体の機能を維持することが困難となり、昏睡状態に陥る事もあります。
妊娠中の方だと、赤ちゃんに栄養が送れなくなります。

⑤低血糖対処法
10gのブドウ糖を食べる
砂糖は20g
砂糖がない時はジュースを150から200ml
カルピス、オレンジジュース、ファンタ、コーラなどが糖質が多いです。

上記1つを試して15分後に症状が改善しない
、血糖値が上がらない時はもう一度繰り返す。

⑥インスリン注射は痛い?
痛い事もあります。痛点に当たると痛いです。
体には痛点と言うスポットが全身にあります。
痛点は0.1ミリ程度の点で、お腹や脚には1ミリの四角に1個ずつあります。

病院の採血や点滴の注射針は0.6mmから0.81mmです。
これですと痛点を避けるのはまず無理で、当然毎回痛いです。
インスリン注射針は0.18mmから0.3mmで、痛点の隙間を通して注射するから痛くないことがほとんどです。

⑥インスリンでの困りごと
○外食する時打つ場所トイレ→人目気になる
○インスリンはナマモノなので暑さ寒さに弱い。温度管理大事。
→25℃から10℃で保存。
○未開封時は冷蔵庫で保存。
→常温だと1ヶ月から2ヶ月で期限切れる
○30℃超えるところに置いとくと使えない。
→夏大変。車注意。
○凍ると使えない。→冷蔵庫の場所注意

以上インスリン注射まとめでした!!
妊娠糖尿病はコントロールさえしっかりできれば大きな障害や異常は起こりにくいし、数値として見ることができる為比較的コントロールしやすい物です!
なので、しっかり学んでしっかりコントロールしていきましょう!!
それでは皆様、良き妊娠ライフを❤︎

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