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[マガジン]たくあんを追いかけて #4 昆虫観察(2023/8/1)

た「どーも!たくあんです!」

ザ「なんだか久しぶりの感じがするね」

た「確かにね!」

ザ「ちょっと、今日はたくあんに相談があるんだけど」

た「なんだい?何でも言ってごらん」

ザ「最近、暑すぎて外に出られないんですよ」

た「だったら、涼しい夜に出ればいいじゃない」

ザ「夜ってどこか行くところなんてあります?」

た「ザーサイくん!世界は広いんだから!行くところなんて、無数にあるよ!」

ザ「なんで、ちょっと説教みたいになるんですか」

た「だって、それは僕のnoteにヒントが残されているからだよ!」

[短編]幸運の架け橋|たくあん (note.com)

た「この記事のように、歩道橋に行ってみるとか」

ザ「それはたくあんだけの場所じゃないですか。第一、僕の家の近くにそんな所なんてないし」

た「それもそうだったね。そんな場所を見つけてみるのも面白いと思うよ」

ザ「でも、たくあん。最近、バイトぐらいしか外出てなくない?」

た「それは言わないことのお約束だよ」

ザ「約束も何もした覚えがないんですけど」


た「じゃあ、行こうか」

ザ「急に?」

た「今日はたくあんカブトムシを追いかけて、というタイトルだからね」

(車で30分ほど移動)

た「いやー、やっぱり暗い夜の公園に入っていくのは恐いね」

ザ「確かに、向こうに光っているのは同じくカブトムシを捕まえに来た人たちですかね」

た「どうやら、そうっぽいね」

ザ「たくあんは見つけたことあるんですか」

た「もちろんだよ!この間、6月下旬に行ったときは
コクワガタ(オス2匹、メス1匹)とカブトムシ(オス1匹、メス1匹)捕まえたんだ」

ザ「6月でそんなに取れるんですか」

た「そう!ひょっとしたら早い時期に探した方がクワガタとかは見つけやすいと思うよ」

爺「おぉ、たくあんじゃないか!」

ザ「たくあんの知合いですか?」

爺「カブトムシ仲間じゃよ」

た「このおじさんは、毎晩この森にいる人なんだ」

ザ(めっちゃ怪しいじゃないですか)

爺「そう、この森のカブトムシがいなくならないように、このカウンターでカブトムシの数を測ってるんじゃよ」

ザ「9999でカンストしているじゃないですか」

爺「あとの数は頭で測っておるからの。ふぉっふぉっふぉっふぉ」

ザ(一番、あてにならないやつ)

爺「カブトムシの数なんて腐るほどおるわい。カブトムシを取るならこれだけは気を付けてほしいのじゃが、自分が飼える数だけ持ち帰ることにしてくれ。そうしないと、ここら辺のカブトムシはいなくなってしまう。そうだな、あとは、、、」

ザ「あれ!たくあんがいないじゃないですか!」

爺「もう探しにいっとるな」

ザ「一番、子供なんだから」

た「おじさん、全然いないよ」

爺「もう8月だから、そんなにいないのう」

た「でも、カウンターが最大ってことは結構いるんじゃないの?」

爺「それは、、、」

ザ「たくあん!ライト貸してよ!」

た「これは、セミの羽化じゃないか!なかなかお目にかかることはないよ!」

爺「わしも初めて見たぞ!」

ザ「毎日いるのに?」

爺「カブトムシの集計してたら、あっという間に朝になってしまうからな」

ザ(やっぱり、変な人だ)


ザ「ここにもいたよ!」

た「すごい!こんなにいるんだ」

爺「一度、見つけたらその周りには何匹もいるさ」

た「神秘的だね」

ザ「この子はさっきの子と違って羽根が丸まっているね。羽化に失敗しちゃったのかな」

た「いや、違うよ。まず抜け殻から出て、羽根をゆっくり時間をかけて伸ばすんだ。抜け殻から出てきたときは皆こんな感じなんだ」

爺「普段のセミとは似つかわしくないほど、綺麗な体じゃのう」

ザ「あれ?このセミはさっきと似てるけどなんか違うね」

た「このセミは、ミンミンゼミだと思うよ。大きさも色もセミの種類ごとに違うから、全種類の羽化を見れたら面白そうだね!」

爺「このセミは一周回っておいしそうじゃのう」

ザ(そんなこと言うくらいなら、ノーコメントのほうがいいのに)

た「たしかにおいしそうだね!」

ザ「お二人とも感覚、疑いますよ!」

爺「でも、わしはセミを食べたことがあるぞい」

ザ「え?」

爺「唐揚げにして食べるとサクサクになってうまいんじゃ!」

ザ「このセミの前でいうのはちょっと、、、」

(この後、1時間近く探しましたが、カブトムシはいませんでした)

た「いなかったね」

ザ「そうだね、だけど一つ謎が解けてないよ」

た「なんだい?」

ザ「おじいさんのカウンターですよ!」

た「あれは思ったけど、カブトムシが卵を産んだからこそあの数になっていると思うんだ」

ザ「なるほど!」

た「なんだか、カブトムシもいなくて夏の終わりみたいなものを感じてしまったけど、セミたちやカブトムシの幼虫にとってはこれからが本番だもんね!」

ザ「そっか、僕ものんびりと生活してたけど、もう少し何かを頑張ってみようかな。こっからが夏の本番って感じで」

た「一緒に頑張っていこうよ!」

爺「えいえいおー!」

(完)

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