![マガジンのカバー画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/107373023/238a61ce724527374c680c035a4922e3.jpeg?width=800)
今は亡き王国の博物館には、世界の名だたる宝物が集められていた。王国の崩壊と共にそれらは四散し、忘れ去られている。しかし、裏社会では今もその宝が売買され価値が歪められている。正義の…
- 運営しているクリエイター
#短篇
アルテオとエドガー: 正義の泥棒と追跡者の物語「宙に浮かぶサファイア」
「宙に浮かぶサファイア」
彼の名はエルンスト・フォン・ヘッセン。豪奢な財産の中で、その鮮やかな青色が他とは違う存在感を放つアイテムに特別な愛着を抱いていた。その名も「宙に浮かぶサファイア」。伝説によれば、王族が手に入れたときには既にサファイアは浮遊していたという。透明な台座に載せられているように見えるが、実際には何も支えていない。
エルンストはサファイアの所有者でありながら、それを正当に手に入