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プロの漫画から学ぶ漫画の描き方2

※この勉強法は劇薬です。

もの凄いしんどいです。

時間もかかります。

初心者には早すぎる勉強法です。

最低でも視線誘導を意識したり

コマの中の情報量を調節したりしながら

漫画を製作してる人でなければ

ついていけません。

その上

ぼくは丁寧に教える気がありません。

それでもいい人は覗いていってください。



まずやることは

プロの漫画を軽く模写することです。


売れてる作家

上手い作家

自分の目指す作家

どれか参考にしたい漫画を選んでくださいね。


ポイントは長期連載してるものより

読み切りのほうが良いということです。


読み切りは

1話完結なので長期連載より作り込まれていて

作家の技術がふんだんに詰まっています。

あとは

新人時代のものより

連載を経験したあとの漫画のほうがいいです。

どの方も

新人時代よりはるかに力をつけています。


第2回です。

では前回の続きです。

今回は2ページ目の1コマ目です。


追記

模写ではない実際の漫画が見つかったので

載せておきます。

こちらの方が解りやすいと思います。


あと

模写が甘かったせいで

解釈に齟齬が生まれています。


いずれ本来の漫画のほうの解釈も載せますが

それも含めて考察力を鍛える参考にしてください。




見づらいので、テキストにおこします。

2ページ



コマはひとつ

このコマは

縦のぶち抜き内ワク内のコマです。


このコマには

1ページ目の5コマ目に登場した

男のバストアップの姿が描かれています。



1ページ目の5コマ目の

ロングのコマとの対比の効果により

非常に印象深いシーンになっています。


バックには

ゴロゴロと効果音を入れ

物語全体の雰囲気を

損なわないようにしています。




気づいたこと

読者の印象に残すようなシーンを描く時には

画面(コマの中)の密度

そのとき見せたいものだけに集中

濃くして

他の情報を一切はぶくことで

その情報だけを読者の頭の中に

印象づけることができるということです。



ふきだしの言葉から

主人公は警官に対し

何の威光も感じないタイプの人間

だということが分かります。



つまりこの一つの情報だけ

読者はこのキャラクターの人となりを

少なからず感じ取ることが

できたということになります。



あと

気になるのは胸にある大きな傷

これは何だろう?

と読者は思うはずです。


ひとつのコマの中に

複数の情報を盛り込むことで

無駄を省いているのが分かると思います。


このコマに入っている情報  男 ふきだし 胸の傷



3ページはとばして

4ページにいきます。

4ページ



1コマ目 


上の段の横長のコマです。

このコマは「!」から入り

警官達がそれぞれ武器を持って構える

というシーンです。




このコマは警官が武器を構えたという

一点のみに重点を置いたコマなので

とても分かりやすく演出されているのが

分かると思います。



スピード線を出したことにより

警官の動きがすごくスピーディーに見えます。



さらに何か小さい破片付け足したことにより

荒々しさのようなものがでている感じがしますね。




そして

効果音を先に持ってきたことにより

読者はまず音から先に入り

そのあとに動作が起こされたように感じます。



これにより

物凄く素早い動作が行われたように

感じるはずです。


さらに前ページから考えると

いきなり警官が武器をかかげることなどしないはずなのに

ここで出したことにより驚き意外性を感じさせています。



1コマ目の情報  

2つのふきだし 効果音 スピード線 武器とそれを持った警官の腕




2コマ目 


二人の警官だと思われていた人物は

なんと体がくっついている異形の怪物でした。



そして男(主人公)に対し

「腑分け痕があるオマエは、俺達と同じ人造人間だな?」

と言います。


このことにより分かるのは

腑分けのある人間人造人間であるということと

警官はその人造人間であり

男(主人公)もまた人造人間であるということです。


そして次の言葉は「仲間じゃない」です。



この言葉で

警官には

というよりこの人造人間には

他にも仲間がいるということが分かります。



そしてこんな怪物がふつうに町中にいるということは

この町が普通の町ではないということも

物語っているのではないでしょうか。



あと

このコマは絵もフキダシも含めて

シンメトリーに作られています。



これにより読者の読むリズム

変化を与えているように思えます。



そして

無理に整った印象を与えることで

狂気を感じさせているような印象を受けます。



2コマ目の情報  

正面からのキャラ 4つのふきだし 背景 効果音
  
人造人間だった警官 男(主人公)の方も人造人間だった 

しかし警官の仲間ではない 男(主人公)に敵意を向けている



3コマ目 


「男(主人公)」がしゃべっているシーンです。

このコマは

次の4コマ目へつなげるための

タメのコマだと考えられます。




コマの中の絵は

2コマ目と同じバストアップ

キャラクターの絵です。


これは「2コマ目」「3コマ目」

同じリズムで読ませるため

仕掛けだと考えられます。


さらに

背後に背景を入れることにより

2つのコマを

関連付けさせようとしているようにも思えます。



こうすることで

「警官(人造人間)」「男(主人公)」

会話していることを

無理なく演出することが

できたいるのではないでしょうか。



なぜこのようなことをしたのかというと

この場面には「警官(人造人間)」「男(主人公)」

同じコマに入っているコマが

どこにも無いからです。




「警官(人造人間)」「男(主人公)」

同じ場所で対面になって

会話していることに説得力を

もたせるための演出だった

ということが考えられます。






今回はここまでです。

お疲れさまです。

ありがとうございました。


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