精神科、“お薬イヤイヤ期” 〜双極性障害の頭の中 3
みなさん、こんにちは。
双極性障害2型+強迫性パーソナリティ障害のフツーの会社員、パピヨンです。
今回は精神科あるある、“お薬イヤイヤ期”について私見を書いてみようと思います。
お薬イヤイヤ期
精神科に通院している人なら多くの人が通るであろう“お薬イヤイヤ期”。
もれなくわたしにも“イヤイヤ期”がありました。
精神科の通院が5年目くらいに差し掛かると、
「まだお薬飲んだほうが良い感じですかね?」
と、診察の終わりに毎回必ず聞いていました。
『まだ、今は飲んだほうが良いですね』
『まだ、今は止める時じゃ無いですね』
主治医に言われるたびに、
「そうですか…」とガックリ肩を落とす日々。
経験されたことがある方もいるのではないでしょうか?
ベンゾはヤバい論
私のイヤイヤ期のキッカケは2つあります。
1つ目は、巷に溢れる“ベンゾは依存性が高くてヤバい”論です。
恐らく多くの“イヤイヤ期”さんを苦しめているのがコレだと思います。
ベンゾジアゼピンは確かに依存性が問題視されていますが、ちゃんと精神科専門医の指導下の処方であれば問題無いと私は思っています。
アルコールの依存性に比べれば大したことないです。
本当にお酒を止めるほうが大変でした。
しかし、ネット上には“ベンゾジアゼピンの怖さ”や、“向精神薬のヤバさ”みたいなタイトルで恐怖心を煽るものが多いですよね。
これらを観て、自己判断で処方箋を中断してしまう危険性のほうが遥かに恐ろしいと思います。
『ジャンキーじゃん』の言葉
理由のもうひとつは、とある人に言われた言葉です。
精神科に通院し始めて5年程経ったころ。
私が精神科に通っていること、精神科の薬を飲んでいることを話したことがありました。
その時いたある人に、
「ジャンキーじゃん!清原と同じじゃん!」
と笑われました。
当人はジョークのつもりでしょうし、私もジョークだとはわかっていたので、「そうそう、ジャンキーなんだよね」と苦笑いで返しました。
しかし同時に、
「あぁ、やっぱりフツーの人は“精神科の薬=麻薬”って思うんだな」
と現実を突きつけられた気がしました。
ずっとこの言葉が引っかかっていた私は、主治医にある人から上記のセリフを言われた事を話しました。
すると普段は温厚な主治医が強い言葉で怒りました。
「そんな事を言われたんですか?!とんでもないですね!許せませんね、とんでもない!酷いですね!!」
主治医の剣幕を見て、「あぁ、私は傷付いていたんだ。先生が代わりに怒ってくれてるんだ」と気付きました。
冷静に考えれば、本当に酷い言葉です。
一生懸命に治療している清原選手に対しても失礼です。
“薬を減らすこと”が目的ではない
私は一度、体調が回復した時に短い期間でしたが断薬をしたことがあります。
半年近く時間をかけて徐々に減薬し、2ヶ月くらいでしたが薬ゼロになりました。
結局その後双極性障害の診断になり投薬は復活しましたが、“一時でも断薬できた”経験は、大きな自信になりました。
専門医の管理下ならば、“薬は止められる”。
主治医は、私の“お薬イヤイヤ期”をよく知っています。
薬を再開した後も、最低限の薬を処方していることを説明してくれました。
時々忘れてしまうのですが、
『治ったから薬が減っていく』のであって、
『薬を減らす事が目的』ではないのです。
まずは体調を良くすること。
薬以外で自分で改善出来ることは全部やってからの話です。
しっかり睡眠をとる。
しっかり食べる。
仕事を詰め込み過ぎない。
ゆっくりお風呂に浸かるetc..
それでもダメなら薬の助けを借りるべきです。
かかりつけ薬剤師さんに聞いてみる
セカンドオピニオン的な意見が欲しいなら、薬剤師さんに聞いてみるのもいいのでは?と思います。
私は精神科クリニックの薬をもらう薬局に、『かかりつけ薬剤師』さんを指名しています。
薬の量が普通か?
長期間飲んでも大丈夫か?
など、あくまで客観的にどうなのか時々相談しています。
「あの先生は、お薬止める時は結構スパッと止める派なんで、理由無く続けている訳じゃないと思いますよ」と意見をもらった時は“そうなんだー”と安心しました。
普段からクリニックの患者さんの処方箋をたくさん見ている薬剤師さんなので、客観的な意見が聞けます。
“お薬イヤイヤ期”問題に関して、精神科医YouTuber益田裕介医師がわかりやすい動画を発信されているので下に貼っておきます。私はこの動画を見てとても楽になりました。
特に双極性障害の診断がついてからは、薬を継続して飲むことがある意味『運命』になったので、まずは無責任な意見に左右されず正しい情報と主治医の意見を聞くことが大切だと思います。
早稲田メンタルクリニック益田裕介医師
「薬を減らしたい人に向けて。多剤処方とは?」
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