その12 父ちゃんの出番
(約1000字)平成11年2月24日(K生後5か月)
子どもがストレスを感じないように、痒みは我慢させずに掻かせた方がよい、という説もあるようだが、やはり、赤ちゃんの場合、限度を知らずにバリバリと掻いてしまうことにより、症状が悪化したり、ばい菌によって化膿したりするリスクの方が高いのではないかと思う。
Kにお顔を掻かせないように昼間一人で奮闘し、「もうダメだ―」と、限界に達したところで、救いの主のように、父ちゃんが帰ってくる。
父ちゃんの出番
父ちゃんは、帰ってくるとすぐに、私が夕食の支度をする間から、私がある程度食べるまで、ずっとKと遊んでくれる。
今、Kのお気に入りは、「ヒコーキ ブン」(これについては、後日詳しく説明します)。
それから、Kをお風呂に入れる。
隅々まできれいに洗って、Kが真っ赤にのぼせ上がるまで入っている。
風呂上がりには薬をつけ、服を着せる。
私がオッパイをあげている間に、お布団をパタパタはたいて、Kの寝床を整えてくれる。
家に帰って来てから約4時間。
父ちゃんも、働き続け、遊び続け、Kが寝ると二人ともグッタリ。
でも、Kは、パフッと一つあくびをして、絶対に9時半までには眠ってくれるので、それだけは本当に助かる。
父ちゃんの本当の出番
Kがアトピーになって、父ちゃんは一大決心をした。
「4月から仕事を辞めて、子育てをする!」
これは、Kが生まれる前から言っていたのだが、アトピーで心が決まったらしい。
そして、4月から入れることになっていた保育園を、本当に断ってしまった。
私は、父ちゃんがこう言い出した時、実のところ本当にこれでいいのかと迷う気持ちがあった。
しかし、先日、病院に行って、気持ちが変わった。
その理由はこうだ。
病院の帰り際、Kが泣きだした。
Kは泣くとよけいにお顔をゴシゴシしてしまうので、その手を押さえながら支払いや次回の予約などを行うことが大変だった。そうしたら、助手のような方が抱っこをしていてくれるというのでお願いした。
その際、
「すぐ、お顔をこすっちゃうので、こすらせないようにお願いします。」
と、頼んだのだが、数分後、用事を済ませて戻った時には、かわいそうなくらい真っ赤な顔になっていた。
「防ぎきれませんでした。」
と、その人は言った。
他人の感覚というのは、こういうものなんだと身に染みた。
私たちがどれだけ、毎日、Kのケアをし、掻かせないように努力し、症状が少しでも良くなるように、心を配り、食べたいものも我慢しているのか、他の人にはわからないのだ。
その人に責任はない。
任せた私が悪いのだ。
保育園に預けたとして、同じことが言えるだろう。
私たちと同じように見てほしいなんて、到底無理な話である。
父ちゃんだったら、その点、安心である。
でも、父ちゃんとて、自信満々なわけではない。
「俺には、オッパイがないからなあ…」
つづく=^_^=
さーて次回のお話は・・・
『症状が快方へ』です=^_^=
長男Kがアトピー性皮膚炎とわかってから、2か月ほど経った頃。 この怒涛のような日々を振り返る余裕が出てきたところで、新聞にまとめてみようと思い立ちました。
この頃は大変だったけど、今振り返ると、よい思い出です。
原文は、手書きで書きなぐっているので、noteで発信するに当たり、表現等付け足したり直したりしています。
今回の原文は、こんな感じ↓↓↓