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おやこで通う小学校⑤ヨモギ、のち、母子分離不安。

この春、小学1年生として新生活のスタートを切った珍獣(兄)。
一般級と特別支援学級の両方に在籍しているが、初日に支援級を訪れるとすぐにそこを気に入り
以来、入り浸りである。ヽ(・∀・)ノワーイ
 
そして「母子分離不安」の強い彼の要請によって、わたしも毎日、支援級の教室で一緒に過ごしている。ヽ(・∀・)ノナゼ…


「特別支援教育こそが、これからの時代の学校教育のスタンダードなのでは?」

そう考えて、珍獣(兄)が望めばそこに身を置けるように
特別支援学級に在籍する手続きを年度末にしておいた。
期せずして、わたし自身もその教育の現場に毎日触れているわけだけれど
率直に、素晴らしいなと感じている。

例えば。
支援級の先生たちは、何ごとも一方的に指示するのではなく
「◯◯しよう」という声掛けをすることが多い。
それに対する子どもたちの反応や、言語化できない思いを汲み取り
1人ひとりのニーズに精一杯、応えようと努力されているように見える。


まだ始まったばかりだし、一端に触れているに過ぎないけれど
自分が受けてきた学校教育とのギャップに、いい意味で驚く毎日だ。


…ただ、現状の学校生活にストレスを感じないわけではない。
そしてその要因は、わたしたち親子の関係にある。


一般級の子どもたちと共に、校庭散策していた時のこと。
「合図の笛を鳴らすまで、自由に遊んでいいですよ」
一般級の担任の先生の呼びかけと同時に、整列していた子どもたちが一斉に散らばった。

珍獣(兄)も皆にまじって、登り棒やジャングルジムで遊び始めたが
「かか(わたし)、見ててー」と、遊びながらやたら話しかけてくる。
自分の見える範囲にわたしがいないと、不安で仕方ないらしい。
わたしは適当に相槌を打ちながら、隅っこをぷらぷらと歩いていた。
春のみずみずしい若草が、地面を覆っている。


…とその中に、ふさふさと生い茂る、ギザギザの形状をした一群を発見!!
ヨモギだ!!( ゚д゚)


我が家でヨモギは、貴重な資源だ。
春先の若葉は苦味も少なく、大変食しやすい。
干してお菓子づくりやお茶に活用するほか、ヨモギオイルに加工し、ちょっとした薬代わりにも使っている。
というわけでこの時期は例年、ヨモギを摘むのに地味に忙しいのだが
こうして毎日学校に通っているので、うっかりそのタイミングを逸しかけていた。

今こそ、1年分のヨモギを収穫するときだ!!(☼ Д ☼) クワッッ!!!
緑が鮮やかで黒ずみのない、なるべくきれいな葉っぱを選び、葉先をちぎっていく。
両ポケットがパンパンになるまで、わたしは集中してヨモギを摘みまくった。


……+゜。*゜ピチチチ(数分が経過)チチチチチチ+゜。*゜++゜。*゜+…


ヨモギを追って、遊具コーナーからちょっと離れたところまで来ていたことに、ふと気づく。
( ゚д゚)ハッ そういえば、珍獣…
戻ってみるとそこには、ひとり静かに嗚咽している珍獣(兄)の姿が。( ゚д゚)オイオイ


ヨモギ摘みに夢中になった結果、息子を忘れたわたしもわたしだけどさ。
同じ敷地内にいるんだから、泣くことないじゃん…。
というか、一緒に登校しているだけで十分じゃん…。

イライラを通り越して、ため息が出た。


「母子分離不安」。
珍獣のこれと、真正面から向き合う新生活。
ため息はどうしても出てしまうけれど
わたしが視界にいなくても、彼が安心して動けるその時まで、付き合おうと思う。


でも初夏まで、校庭のヨモギは摘み続けてやる。キラリ


#新生活をたのしく

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