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ゼウスに誓って、ソクラテスにちょっと好感が持てた。
「ソクラテスの弁明」を読んで、「あぁ、この人は、すごく頭が切れて、弁が立って、自分の正しさを証明するためなら死をも恐れない人なんだ」という印象を受けた。
加えて、あの石膏像のイメージである。
![](https://assets.st-note.com/img/1669629729198-BHbT6szpIO.jpg)
誰が言ったか知らないが、「論破おじさん」という呼び名も頭の片隅に残っていた。
もちろん、たくさんの弟子とか信奉者がいたことも、「ソクラテスの弁明」から読み取れる。
だけど。
私は、なんとなくソクラテスが一部の既得権益者たちから嫌われた理由が分かるような気がした(もちろん実際にどんな人だったのか、古代ローマの限られた情報から判断しては悪いのだけど)。
なんとなく「融通の利かない面倒くさそうなオジサンだったのかもしれないな」という印象を持っていた。
だが、この藤田大雪著の「ソクラテスに聞いてみた」を読んで、ソクラテスが私の中で愛されキャラに変化した(笑)
この本では、ソクラテスが現代にタイムリープし、ホームレスとして公園で生活しながら、会社員サトルくんの悩みに答えていくという設定になっている。
この本ではソクラテスがコミカルに描かれており、読んでいて笑ってしまう内容になっている。
「というわけで、よければこのあと、キミと一緒に哲学の議論をしたいと思うんだけど、サトルくん、キミの予定はどうかな?」
「本当かい⁉ありがとう、ゼウスに誓って感謝するよ!」
なんか可愛いですよね。
「ありがとう。でも、どうやらここは非ギリシャ人の地域みたいだし、帰るのは難しいと思う。ダイモニオンも『帰るな』って言っていることだし、しばらくはここにとどまることにするよ」
「ホームレス?ホームをレスしてるっていうこと?家ならあるじゃん。あの青くてシャカシャカした布でできたやつが」
こんな調子で、面白いです。
だけど、コミカルなだけじゃありません。
友達や恋愛、仕事やお金といった現代の悩みを通して、ソクラテスの思想もしっかり伝えてくれる。
ソクラテスや哲学について知りたいなら、「ソクラテスの弁明」を読む前にこの本を読むことをお勧めします。
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