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本を読まない私が、げんげん(松田元太くん)の初主演映画『君が落とした青空』を観る前に原作を読んでみた。そしてツッコミを入れてみた。

2022年2月18日(金)から放映されている映画『君が落とした青空』(以下『君青』)。みなさんはご存知でしょうか。

『君青』は櫻いいよさんが2010年にケータイ小説として世に出し、2022年現在600万閲覧数を誇る作品。2012年にケータイ小説文庫より刊行、2015年にスターツ出版文庫として新装版が発行。そして2022年の今映画となり、大ヒットしている。

映画『君青』あらすじ

付き合いはじめて2年が経つ高校3年生の実結(福本莉子)と修弥(松田元太)。
“毎月1日は何があっても一緒に映画を観に行く”という約束通り、その日もデートへ向かった2人。

しかし、修弥は突然「急用ができた」と言い、どこかへ行ってしまう。最近何かを隠しているような彼の態度に不安を感じていた実結。
気まずさの残る中、「もう一度話したい」と連絡してきた修弥に会うため向かった待ち合わせ場所で、彼は実結をかばって交通事故に遭ってしまう──。
実結は突然の出来事にパニックになるが、目が覚めると自分の部屋のベッドで朝を迎えていた。

時間が経つにつれて自分がタイムリープをしていることに気がつき、何度も未来を変えようと1人奔走する中で、彼が隠していたある秘密を知る・・・。
果たして、実結は修弥を救うことができるのか?そして実結が知った真実とは─?
『君が落とした青空』公式サイト

私は、今年デビューか!?とまで言われている大人気ジャニーズJr.であるTravis Japanのメンバー、松田元太くん(22才)が初W主演を本作品で務めると知り「これはみたい」という感情になった。

原作知らない!映画だけで満足!な普段本を読まない私が『君青』の原作をなぜ読んだのか。

それは社会人にもなって「あまり本読まない」ってのは少しまずいかも。という理由がまずある。
そして、ただ映画を観るだけではなく原作を読んだ上で鑑賞すると作品を倍楽しめるのではないかと思い、Kindleにたまたま読み放題になっていた『君青』を読んでみた。というのが今回の経緯。

実際読んでみて、いろいろな意味で面白かった。
(この感想が本を読んでこなかった人間を物語っている)

けれども、いろいろな意味で面白いという言葉にはきちんとした意味がある。

それを今回noteを使って皆さんに共有したく、只今絶賛記入中。

原作の感想をメインに、登場人物からストーリーについて語っていく。
(投稿主はまだ映画を見ていないので、そこ忘れずにお願いします。)

1. 登場人物とその立ち位置

まず、原作と映画で大きく違うのは登場人物。

—————————————-
<原作・映画共通の登場人物>


・実結|実写演者:福本莉子さん
 →修弥の恋人。

・修弥|実写演者:松田元太さん(Travis Japan/ジャニーズJr.)
 →実結の恋人。

・佐喜子|実写演者:莉子さん
 →実結の親友。

・トモカ|実写演者:横田真悠さん
 →美結、修弥、佐喜子の同級生。

・実結の母親|実写演者:松本若菜さん

<映画オリジナルの登場人物>

・本山佑人|実写演者:板垣瑞生さん
 → 美結、修弥、佐喜子の同級生。実結へ密かに想いを寄せる。
—————————————-

オリジナルの登場人物以外、基本情報を書かなかったのには理由がある。

原作と映画では

“設定がちょいちょい違う”

これは原作アリ映画にはつきものかもしれない。
けれども、私にとっては結構衝撃的だった。

映画オリジナルキャラが本山だけで他は原作通り。
ただ、キャラクターの存在が問題なのではない。
キャラの性格と設定が全然違う。

— ※ここからネタバレ含みます —

2. 原作・映画の登場人物それぞれの性格と設定

※映画はまだ観ていないので、映画版のキャラについては映画『君青』の公式サイトから引用しています。

原作・映画、登場人物それぞれの性格や設定に乖離があるのは
実結、修弥、トモカの三名。

この三名について詳しく語りたい。

・実結
(映画)付き合って2年になる修弥と最近うまくいってない…?
    真っすぐで一生懸命な主人公。

(原作)修弥と2年付き合っているが、マンネリ化しつつあることを感じており修弥は私のことが好きなのか…?と交際について疑問視している。
修弥とは逆に、友達は多くはなく社交性もそこまでない。不機嫌なことが多く、本音を言い出せずに心の中に留めておくのでストレスを抱えがち系女子。よくいえば、素直になれない系女子。
『君が落とした青空』公式サイト

映画版実結は予告を見る限り、公式サイトのプロフィール通りの笑顔が可愛い高校生だが原作の実結は修弥との関係がマンネリ化していて「修弥自分のこと好きなのかな」と半信半疑になっている。

実結が修弥に対して半信半疑になっているのも「会う頻度が下がっているし、常にデートは映画」というのが大きな理由の一つになっている。
この映画デートもそもそも原作と映画では設定が異なっており、
原作では、とにかく修弥が映画!映画!映画しか観に行かん男。
一方映画では、毎月1日は映画を見にいく、というカレカノルールがある。

なので映画版実結は、修弥と最近うまくいってないと思う理由は「映画デートしかネタがない」ではない。はず。というのもちょっと違う点。

原作より予告を先に見ていた私は、原作の実結を見て衝撃を受けた。

何回目かのタイムリープで「今日は機嫌がいいね」と親友の佐喜子に言われているくらい高確率で不機嫌、友達が多く明るい修弥と付き合うべきなのは私ではないのかも、、、と思い込んでしまうマイナス思考。

私は完全に福本莉子さんの実結が頭に植え付けられていたため

“全然違うやんけ”


という気持ちが先行してしまった。

後ほど修弥については細かく言及していくが、原作の実結も実結で修弥のことほんとに好き?なんかそんな好きそうじゃなくね?って思った。

しかも付き合ったきっかけも、両思いではなく、同級生がわんさかいる中修弥に公開告白され“今まであんまし関わったことないけど”付き合った。っていう。

原作実結曰く、付き合って好きになった…的なことはちゃんと言ってたけど
「最近私のことどう思ってる?」「映画デート以外もしたいな」も言わず、心の中で文句タラタラで、2年の絆は何処、、、?と読み手が感じてしまうほど。

だからと言って、「別れる」という選択をしないところも
実結、やってんな。と思う部分ではあった。

・修弥
(映画)サッカーが得意な学校の人気者。恋人の実結に対してだけは不器用な一面も。

(原作)不器用どころか、実結の扱いが雑。実結を「お前」と呼び、映画デートしかしない。明るいタイプのためか、友達は多い。唯一実結と同じなのは素直になれないところ。実結に対してある秘密を抱えている。(本作のキーポイント)
『君が落とした青空』公式サイト

修弥については、ツッコミどころしかない。

実結同様、完全にげんげんの修弥で再生されていたため原作修弥の不信感が募り募った。

映画修弥は「実結の笑顔が大好きなんだ!」とニコニコで彼女大好き人間!が溢れ出ているが、原作修弥は違う。

映画公式サイトの修弥プロフィールには、“不器用”と記載されているが
不器用という言葉で片付けていいのかこれは?と疑問視してしまうほど難あり。

(難あり。と言ってしまったが、架空の話だからこそ読み手に夢を与えるケータイ小説にしては夢のない男性像という話で、現実には死ぬほど原作修弥のような男性はいる。)

難ありポイント① 彼女である実結をお前呼ばわり。

超個人的意見になるが、彼女を「お前」と呼んでしまう彼氏。
私は嫌。友達の彼氏が友達に「お前」って呼んでたら引くし、男友達が彼女に対して「お前」は引く。

しかも原作修弥、高校生よな!?「お前」なんていうんじゃありません。と担任の先生の気分になってしまう。

難ありポイント② 映画デートしか基本しない

本当にデートのレパートリーが映画しかなく、実結が不満がるのも無理ないかな。。。

なのにも関わらず実結が映画デートに対してちょっと渋ると、めっちゃ強気に反撃してくる。
(まあこれに関しては実結も実結で映画デート以外の案を提示するわけでもないのでおあいこかもしれない)

難ありポイント③ 口調が荒い

とはいえ、渋ってる愛しい彼女に対して渋り返したり、
最近会えてないのに映画デート誘ってきたから「今日暇なの?」という実結の質問に対しても「あ?」と返答し、さらに「なんだよそれ、暇つぶしに誘ってるみたいにいうなよ、お前」と返してしまう修弥

高校生にして原作修弥は結構モラっている。

キュンキュン小説とかって、大好きな彼女目の前にしたら事情があっても
「今日はデートしたくてさ!」とか、ちょっとそっけなくても「実結とのデートは暇つぶしじゃねえよ、、」って感じじゃないの!?!?!と果てしなく修弥にお説教をしてやりたい気分になる。

To 修弥
「あ?」はやめなさい。最後に追い込むように「お前」もやめましょう。

難ありポイント④ 実結と他の男の子がぶつかってしまったことになぜかキレる

映画デートの際、修弥が実結のそばを離れた時に男の子と実結がぶつかってしまい雨が降っていたため実結が濡れてしまう。
それを申し訳ないと思い一生懸命謝り、タオルで実結の制服を拭く男の子に対して素っ気ない態度を取る修弥。さらには実結にも強く当たる。キレている場合ではなく、彼女を心配することから始めようか。

男の子は真っ当の対応でしょ。。。と修弥にアドバイスしたい。
おそらく修弥は、『心のノート』を読んだことないんだと悟った。

大体予想つくと思うが、修弥が両者に対して素っ気なかったのは「やきもち」だった。
いや、なぜ?
修弥のTwitterのプロフィール欄には「since.20xx.xx.xx~ 女絡みいりません。大切な人います。」って書いてあるだろ。

映画修弥は見た感じモラっている様子がないのが救い。
そこは脚本家さんの腕といったところなのかわからないが、キャラの性格を変えたのはいい点。
(予告は修弥のいいところだけしか見えておらず、映画もモラだったらどうしよう)

・トモカ
(映画)学校でも目立つ、アクティブな女の子。修弥に想いを寄せる。

(小説)あることをきっかけに修弥とは親しくしている同級生。実結と修弥の恋も陰ながら応援している。彼氏アリ。
『君が落とした青空』公式サイト

予告を見る限り、「私ならもっと会いたい」「修弥が好き」と積極的に修弥にアタックしているみんな大好き“恋のライバル”という設定になっている。

原作実結と原作修弥は映画とは異なる性格だと見受けられる部分が多かったがトモカに関してはそこまで変わらないのでは?と勝手に予想している。

予告でもそこまで登場回数が多くないのでなんとも言えないけれど、よくある主人公の彼女に意地悪をするヤバい女臭はしない。

ただ、大きく違うところは映画版トモカは修弥が恋愛対象であるということ。
盛大なネタバレになってしまうが、原作トモカはやましいことは一切なしに修弥とはとある理由で親しくしており、彼氏もいる。(※とある理由は修弥の秘密にあたることなので後述する)

トモカ関連の原作と映画の共通点は、実結が自分に対する修弥の気持ちをざわつかせること。

「修弥とトモカが夜一緒に歩いていた」という噂が校内で広まっていたことや、何回目かのタイムリープで修弥も含めたグループ交流のなかにトモカがいたことがきっかけ。実結はトモカの存在も理由に、修弥は私のことが好きなのか?と疑ってしまっていたのだ。

原作トモカは、蓋を開けたら修弥に恋愛感情はなく、彼氏もいた、というオチだったがおそらく、キュンキュン映画には“恋のライバル”は必須。という考えもあり、トモカを三角関係に参画させたのだ。

映画ではどのように修弥はトモカと関わるのか、実結に対してどのような態度のキャラなのか。非常に楽しみな点ではある。

3. 原作のストーリーについて -修弥の秘密って?①-

簡単に感想を述べると、よくある恋愛小説。

私が今回この小説を読むにあたって一番楽しみにしていたのは
タイムリープしまくった先にある、「修弥の秘密」だった。

もちろん、タイムリープするのは修弥を事故から救うためであって、事故は防げたのか、という楽しみもあったが、やっぱり「秘密」と言われると気になる。

映画公式サイトにも下記のように「秘密」を強調している。

付き合いはじめて2年が経つ高校3年生の実結(福本莉子)と修弥(松田元太)。
“毎月1日は何があっても一緒に映画を観に行く”という約束通り、その日もデートへ向かった2人。
しかし、修弥は突然「急用ができた」と言い、どこかへ行ってしまう。最近何かを隠しているような彼の態度に不安を感じていた実結。
気まずさの残る中、「もう一度話したい」と連絡してきた修弥に会うため向かった待ち合わせ場所で、彼は実結をかばって交通事故に遭ってしまう──。
実結は突然の出来事にパニックになるが、目が覚めると自分の部屋のベッドで朝を迎えていた。
時間が経つにつれて自分がタイムリープをしていることに気がつき、何度も未来を変えようと1人奔走する中で、彼が隠していたある秘密を知る・・・。
果たして、実結は修弥を救うことができるのか?そして実結が知った真実とは─?
『君が落とした青空』公式サイト

私は映画やドラマで最後に明かされる秘密が大好きだ。
サスペンスで「犯人は誰か」「動機は何」「共犯は誰」などが明らかになった時がたまらないし、「え!?この人なの!?」「そんな理由があったのか!」とどんでん返されるのも、約10話の中で張り巡らされた伏線を読み解くのも大の好物。

そんな私が修弥の秘密に興味を持たないはずもないし“圧倒的な期待”で小説を読み進めた。

実結がタイムリープする度に、「修弥の秘密♪」とルンルンな気持ちで読んでいたのだがある意味どんでん返されることとなった。

4. 原作のストーリーについて -修弥の秘密って?②-

実結を不安にさせてまで守りたかった修弥の秘密とは一体なんなのか。

実結の親友の佐喜子でさえ、実結になかなか教えずにいた。

「そんな深刻なことなのか、、、?」「修弥がそこまでして守りたいものでもあるのか、、、?」と元々期待していたものがさらに膨らんでしまう。

私が予想していた修弥の秘密というのは
「修弥が重い病気を抱えている」のような、病気を絡ませたものかと思った。

どんでん返しが好きでたまらない人間が想像するものだとは思えないほどの安易な考えだが、学生がそこまでひた隠しにするものって大体病気だと思いませんか。。。

仮に修弥自身健康でもお母さんが、とか、何かしら絡んでくるものだと思ってた。

でも違う。

完全に裏切られた。

「修弥の秘密」というのは




“付き合った2年記念日のお金を貯めるためにバイトをしていたこと”

でした。

正直なことを言うと、え?バイト?となってしまって、気持ちが一気に冷める。

その伏線として、実結は一年記念日をすごく楽しみにしていたのに修弥が忘れていたという描写が確かに存在していた。

いや、でも、バイトをひた隠しにして、しかも社畜してるもんだから全然実結に会えず不安にさせてしまう。。。

え?アリ?

佐喜子も後半のタイムリープになってようやく実結にこの修弥の秘密を打ち明けるが、そんな溜め込むものかい?君、実結が修弥と全然会えずにいて不安がってたの知ってたよね、、、?隠すことじゃないだろ、、、!!!と思わず心の中で突っ込んでしまった。

実結も、修弥に対して真剣な口調で「バイトしてたんだね、、、2年記念日のために、、、」みたいに言ってたけど、いやそれそこまで感動するかね!?!?!?実結は感動している場合じゃないだろ!!!

しかも修弥も「隠してたのに、、、!!!誰がそれを、、、!!!」てなかんじで、カイジバリの藤原竜也を彷彿とさせる。

いやいやいや。実結がテンション低いな、最近会えてないしな〜そうだよな寂しいよな、、、と思って、なんのためにとは言わずに「最近バイトしててさ、、」とか言えたよね?!?!?!?と大人気なく突っ込んでしまう。

この「秘密」のおかげで、修弥とトモカの関係性も前述できなかったのだ。

修弥とトモカはバイト先が同じの単なるバイト仲間。

それならそうと早く言え。

別の意味での“どんでん返し”ありがとうございました。

秘密の次くらいに重要な、事故は防げるのか?と言う結末についてはあえてネタバレしないでおきます。

映画の予告でも大々的に「秘密」を出しているが
果たして、同じ秘密なのか?

はたまたオリジナルで作った秘密があるのか、非常に楽しみ。

映画見た後ではまた色々思うことがあると思うので、
改めてまた投稿しようかなあ。

※本投稿は、投稿主の感性のままに綴った感想です。

—————
映画『君が落とした青空』大ヒット公開中!

映画公式サイト
https://happinet-phantom.com/kimiao/
映画『君が落とした青空』本予告
主演・松田元太さん出演YouTubeチャンネル 
ジャニーズJr.チャンネル『【主演俳優と一緒に】メンバーだけの特別試写会!』

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