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ブリッジで使う「トランプインジケーター」なるアイテムについて

日本ではスペードやハートのマークがついた52枚のカードのセットのことを「トランプ」と呼んでいますが、コントラクトブリッジで言うところの「トランプ」という言葉は「切り札」という意味で使用します。(というか、英語の「trump」の本来の意味は「切り札」なのですが)
ブリッジでは、ゲームを始める際に切り札のマーク(ブリッジ用語で「スート」)を決めて遊びます。(「切り札なし」の場合もある)
そのとき、決めた切り札=トランプを表示させるためだけのアイテムがあると言うのです。
今回は、その「トランプインジゲーター」なるアイテムを調べてみました。

ブリッジ用品店で普通に売ってる

トランプインジケーターなんて一体どこで買えるんだろうと思ったら、普通にブリッジ用品店で取り扱いがありました。

まずは時計のような形のインジケーター。スートとトリック数をそれぞれ時計の針で示します。(リンク先商品は売り切れ)

お次は紙製のインジケーター。リング式のカレンダーのような形をしています。スートとトリック数のページをそれぞれめくればいいわけですね。

続いてはダイス(サイコロ)の形のインジケーター。こちらの商品は木製のようです。

ダイスのインジケーターではトランプのスートしか示せませんが、他のカードゲームでも特定のスートを示しておくことに使われることがあるようで、Amazonにも出品されている商品がありました。(値段高っ)


博物館にも収蔵されてる

こうしたインジケーターは古くから存在しており、様々な形のものがあるようです。アメリカの国立アメリカ歴史博物館では収蔵品としていくつかのインジケーターを所有しているようです。

女性の踊り子の足や、首の長い鳥の頭でスートを示すもの↓

ルーレットのような盤を回すもの↓

札をめくるタイプのもの↓

小さくてかわいらしいものが多いですね。


お金持ち向けの高級なインジケーターもある

トランプのスートやコントラクトのトリック数さえ示せれば形は何でもOKなインジケーターは工芸品として作られたものもあるようです。

こちらの記事では高級ブランド「カルティエ」が1907年に製造したインジケーターを紹介しています。

次の記事はイギリスの銀製品ショップのブログですが、銀製の珍しいダイスタイプのインジケーターの画像を掲載しています。インジケーターが作られるようになった歴史も紹介されています。

次もイギリスの銀製品ショップの商品(売り切れですが)。ちゃんとノートランプのNも表示できます。輝きが眩しいですね…


ホイストマーカーもある

先述のブログ記事にもありますが、ブリッジのインジケーターが登場するより前に、ブリッジの祖先のゲーム「ホイスト」のために作られたインジケーターや「ホイストマーカー」と呼ばれるアイテムが作られていました。

これに関しては、カードゲームの歴史をまとめたウェブサイト「The World of Playing Cards」に掲載されているSimon Wintleさんの記事「Whist and Gaming Counters and Markers」前後編をお読みいただく方が良いと思います。サイモンさんのコレクションとともにゲームグッズの歴史を知ることができます。↓


アンティークショップやネットオークションサイトでいっぱい売ってる

これまで紹介してきたインジケーターだけでなく、面白い形をしたインジケーターが様々作られていたようで、画像検索するとたくさんヒットします。そしてその多くはアンティークショップネットオークションサイトの商品画像でした。海外サイトからの購入に抵抗のない方は、思いがけない名品と出会えるかも?

おわりに 〜トランプを検索するのは難しい

というわけで、今回はトランプインジケーターのご紹介でした。記事では「ネットで検索すればたくさんヒットするよ!」と書いていますが、実際に「trump」のキーワードで検索すると(2020年12月現在の)アメリカの大統領ドナルド・トランプさんの画像ばっかりヒットします。普通のネット検索だけでなく博物館やGoogle Arts&Cultureのサイトでも!まぁ有名人なので博物館やアーカイブスに保存されている報道写真なんかにもトランプさん写りまくりなんですよ…こっちはカードゲームの「トランプ」を調べたいだけなのに!そういう意味では検索に骨が折れるところもありますが、興味のある方はトランプインジケーター、ゲットしてみてくださいーではー。

サポートはコントラクトブリッジに関する記事執筆のための調査費用、コーヒー代として活用させていただきますー。