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香艸茶ができた舞台裏(ブレンド〜商品になるまで)

このマガジンは1ヶ月更新ではないのですが…
またまた空いて、1ヶ月経ってしまいましたね…(懺悔)
そうこうしていたら、季節も移り変わって、お茶が美味しい時期になってきました。
販売開始したのは8月でしたので、お茶を求める人も多くなってきた気がします。
また買ったお茶を飲んで、嬉しいご感想をいただいたりしています。

今回は、お茶作りの裏側を少し、お伝えしていけたらと思います。


鍼灸師とハーバルセラピストが作ったブレンド

『ブリコオリジナルのお茶を作ろう!』と思い立ったのが、昨年のこれくらいの時期だったのでは…と思います。
一昨年前に登録販売者の資格を取り、薬草茶に興味が出始めてサロンでも販売を開始したり、お手入れ後に薬草茶をお出ししたりし始めました。
とはいえ、やっぱり『お茶のブレンド』となると、『味』にも大きく関わってきます。
私が知っている薬草の味もほんの一部…
本を読めば薬草の効果効能を知ることはでき、それを鍼灸師としての自分のこれまでの経験と照らし合わせて、『この薬草は東洋医学だと、このカテゴリにハマりそうだな〜』とイメージできても、やっぱり味には自信がなく…
やっぱり体によくても、美味しくないと続きませんもんね。
これは、3年前にフランスに行った時にハーブ薬局で買ったハーブティーを飲んだ時に思いました。
フランスにも日本の漢方と同じように、ちょっとした体の不調をケアするのにハーブティー(ティザンヌ)を飲むという文化があります。
興味があったので、渡仏時に寄って買ってみたのですが…
やはり、美味しいとは言えないお味(笑)。
この時に、『やっぱり日本人は日本のものが合うのかもしれない』と思ったきっかけでもあります。
(ちなみに、喉からくる風邪にいいティザンヌを頂いたのですが、効果はよかった気がします!)

少し話が脱線しましたが、そんな経緯でいろいろと、日本の薬草を使った美味しいブレンド茶を探している時期がありました。
その時に見つけたのが、今古今というジャパニーズティーブランド。
東洋医学の思想でもある『木火土金水』の五行をコンセプトにしているお茶を展開されていて、全て買って試してみたら、どれもとても美味しかった…!!
それがきっかけで、今古今さんにオリジナルブレンドの相談をもちかけたのが最初のきっかけです。

今古今さんは、ハーバルセラピストである山本亜紀子さんが運営するブランドです。
今古今さんの五行茶は、原材料を見るとちょっとびっくりするようなものも入っているのですが、飲んでみるとびっくり。
とっても飲みやすくて美味しいのです。
薬草のメリットは、素晴らしい効果効能がありつつも、デメリットとして『あまり美味しくない』もしくは、『不味そうなイメージがある』という点。
そのデメリットを払拭するような素晴らしいブレンド。
私もいろいろな薬草茶を試してきましたが、『この人だ!』と思い、思い切って調合をお願いしました。

私の中で、『補』と『瀉』というブレンドのコンセプトが決まっていたので、効果効能と補瀉のイメージに合うものをリストアップし、その中から山本さんにブレンドの調合をお願いしました。
私のこだわりが強すぎて、山本さんを困らせてしまった部分もあると思います…が、結果イメージ通りの素晴らしいブレンドが完成しました!

また少し話が脱線しますが、『補瀉』とは鍼灸や漢方など、東洋医学的な治療で使用する療法です。
東洋医学では、人体の構成する3大エネルギーである気・血・津液にフォーカスして治療をします。
この気血津液が不足しているのか、もしくは過剰なのか、というところを診ます。
不足していれば補う治療をします。これを、『補』といいます。
過剰であれば排出する治療をします。これを、『瀉』といいます。
一番シンプルな考えの治療法なのですが、これを根本的なイメージに薬草を選定してみました。
東洋医学は本当に複雑なので、治療にこられるお客様から『どうして〇〇なのか?』と聞かれると、一言では答えられないケースが多く、困ってしまうことも多々(笑)。
なのですが、一番シンプルでわかりやすい補瀉にフォーカスすることで、お茶のコンセプトも味も、お客様にも伝わりやすいものができました。
(山本さん、本当にありがとうございました!!)

あまりにもこだわっていろいろな材料を使ってしまったので、そのあとの材料集めがとっても大変だったのは……ここだけの話(笑)。


今古今さんの五行茶はこちら↓


『薬草を見てほしい!』という気持ちから始まった親子二人三脚事業

さて、素晴らしいレシピができて、次はいよいよ制作です。
ここでまた、私のこだわりが面倒な方向へいってしまいました…(笑)

せっかくの薬草、私はどうしても飲む方の目に触れて欲しかった。
どなたが飲んでもお茶の味が一定になる様に、ティーバッグ使用にすることは決めたのですが、『茶葉を見てほしい!』という気持ちはどうしても譲れず….。
通常のティーバッグは不織布のものが多く、そうするとせっかくの薬草は見えない。
なので、どうしてもティーバッグはメッシュにしたかったのです。
そこから始まった問題は、結局『おかんにやってもらう』というところで落ち着きました(笑)
これまでいろいろな内職や発送作業を経験している母の手先の器用さを頼ることに…!
母もやる気になってくれたので、心置きなくお願いすることにしました。
そこから新たにお茶の製造所の申請と開設をし…
そうして母の手により、うゑるかをるのお茶が製造されています(笑)
補ブレンドの方は原料の問題であまり見栄え良くないのですが、瀉ブレンドの方はブルーの矢車菊とオレンジの陳皮が、緑の黒文字の上で目で見ても美しいティーバッグになっています。
母がひとつずつピンセットで綺麗に配置して製造しています。
(おかん、本当にありがとう!)
ちなみに発送作業は父も少し手伝っています。
(おとんもありがとう!)

このこだわりがみなさんにも伝わっている様で、『目でも味でも、香りでも楽しめる』という嬉しいお言葉を頂いています。


エンボス仕様のパッケージのひみつ

パッケージもこだわったポイントのひとつ。
(というか、こだわってないものはないな…と、ここまで書いて思いました笑)
また、デザインは私が…(笑)
とはいえ、シンプルなので自慢できるほどでもないですが。
配送もシンプルにポスト投函できるように、スリムなパッケージにしました。
(ECサイトからの注文の配送料は、クリッククリックポストで¥200のみです)
ただ、せっかく中身をこだわっているのでパッケージを簡素にしてしまうと、お茶のイメージが伝わらない…
ということで、思い切ってのエンボス加工です!
エンボス部分のお花は、私の父方の叔父さんの切り絵の作品を拝借しました。
叔父さんは趣味で切り絵をしていて(いや、趣味とは思えないほどのもの!)、その作品のひとつのお花を、私がイラレでうまく切り取って使用しました。
叔父さんのお花のおかげで、かなり高級感がでました!
補瀉のシールも和紙加工にして、薬草の『日本古来』のイメージを細部まで大事に表現しています。

おまけにロゴなども活版印刷にしてやりました…!
サロンの販促物を自分で制作していく中で、いろいろな紙や印刷物に触れることが多くなりました。
その中で、紙ものが好きな自分にも気付き!
今回はその気持ちを思いっきりぶつけさせてもらいました〜。
自分なりに、満足した仕上がりになっています。


商品を作るって、楽しいけど大変だ…!!

子供の頃から、何かを作るのが好きだった私。
学生の頃も美術の授業は大好きで、よく授業時間内には終わらなくって、授業後残って制作をしていたのを覚えています…
その頃から『どれだけやっても自分が本当に気に入るところまで行き着かないな』と思っていて、いつも途中で『こんなもんか〜』と半ば諦めの気持ちで作品を提出していました。
今思えば、このこだわりは子供の頃からか…(笑)

商品を作るのは少し美術と似ている気がして、いやはや本当に楽しかった!
でもその反対に、こだわりとの戦いでもあり……(こだわり出すと本当に仕事が終わらない笑)
あと本業のサロン回しながらでもあったので、結構しんどかったですね…
でも、なんだかサロン初年度の時のあの気持ち、また味わえている気がします。
やっぱり、何もないところから自分の手で何かを生み出すのは楽しいですね〜。

…大変だけど……!!



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