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【不思議な体験】夢に出てきた場所に行ってみたら、運命の出会いをした

「正夢」って見たことありますか?

私の友達は夢の中で彼女に「妊娠した」と告げられたそうです。
翌日、彼女にその話をしたところ、彼女は少し言いよどんでから言ったそうです。

「実は私……妊娠したんだけど……」

友達は妊娠したという事実もそうですが、
なにより夢が現実になったことに驚いたそうです。


私にも似たような経験があります。

ある日夢の中でピーター・フォーク演じるコロンボが出てきました。

殺害現場に現れたコロンボは、混乱する警官たちを後目に
ものの5分で事件を解決するという切れ者っぷりを発揮し、

「カミさんが呼んでいる」

と言って帰っていきました。

さすがコロンボ!
と感心しつつ目覚めた私は、朝のニュースでピーター・フォークが亡くなったことを知りました。

「カミさんが呼んでいる」

なんとも意味深なセリフだと思ったのを覚えています。

はい、今回はそんな正夢がテーマの体験談です。

〈完成版の動画〉


〈本文〉

未だにどうしてあんな夢を見たのか、
それはわたしにもわからないと言うか、

月並みな言葉で言うと運命としか言いようのない事なんですが、
私の経験した夢の話を聞いてください。

あれは私が大学2年生の頃の話です。

それまで寝てる間にどんな夢を見たかなんて考えもしなかったんですが、
ある時サークルの同期の中で夢占いが流行って。

よくあるどんな夢を見たら何の前兆ですみたいなやつ。

 調べてみると確かに面白くって、
一人の子が「歯が全部抜ける夢見た」って言って、

『歯 抜ける 夢』

で調べたら親族の不幸の前兆みたいなことが書いてあって。
「一族滅びる?」「ふざけんな縁起でもねー」なんて笑ってたんです。

それで、私にも当然「なんかないの?」 聞かれたんですが、
やっぱ覚えてなくて。

それがちょっと悔しかったというか、
私ももっとパンチある夢見なきゃなぁーとか思ってたんです。

それから、いつまた同じ話題になってもいいように、夢日記をつけるようにしたんです。
ベッドの近くにノートを置いて、起きたらどんな夢だったかって書くようにして。

 まあ、とはいっても、そんな奇想天外な夢なんて簡単には見れないんで、
文字にしてみると

「お買い物する夢」とか
「○○とごはん食べた」とか、

本当に夢の中の日記なのかよくわからない感じで……
改めて私って見る夢すら面白くない人間なんだってちょっと凹みました(笑)

でもそうやって習慣づけてやってくと、
段々夢の中の出来事を鮮明に覚えてられるようになってくるんです。

そうすると、書く内容も、どんなところに行ってとか、
より具体的に書けるようになっていって……

そんなときです。私が違和感に気が付いたのは。

当然と言うか何というか、確かによくある街ではあるんですけど、
若干、というか明らかに夢の中の私がいる街が、

自分が住んでる場所じゃないんです。

もちろん、そんなの当たり前じゃんって思うと思うんですが、
違うんです。

しかも、私が夢を見るときは、必ずその場所にいるんです。

空を飛んだりとか、宇宙に行ったりとか、
そんなの全くなく、

何の変哲もない、でも明らかに行ったことのない街。


私は興味本位に覚えてる限りのその街の絵を描き始めました。
一日大体1枚から2枚位。
同じ風景は省いて新しく出会った場所とかを中心に。

そしたら、ホントに夢なのか不安になるぐらいリアルなんです。

なんて言うか、夢だったら扉の先にまた扉とか、
ありえないようなところに道があったり、

夢が変われば道の場所とかも変わったりするものだと思うんですけど、
試しに今での絵を合わせて地図を描いてみたら、それが全くないんです。

本当に実在しそうな街なんです。

さすがに私も怖くなって、サークルの同期に相談してみました。

最初は皆、私が夢日記をつけ始めた事に引っかかったみたいで(笑)

「真面目過ぎて草」とか、
夢の中の話を聞いてくれないというか、そんな雰囲気だったんですが、
一人の子が真剣な顔で言うんです。

「それ、すぐやめた方がいいよ」って

最初は皆(正直私も)ネタだと思って笑ってたんですが、
その子の真剣な表情に、あ、これはガチなんだなと。

ちょっとシンとするというか、その子の話を聞くみたいな雰囲気になって。それで、その子が続けました。

「今、夢に呼ばれちゃってるかもしれないよ」


その子が言うには、勝手に覚えてる夢はいいんだけど、
わざわざ書き留めたり、覚えとこうとしたりすると、
まれにこういう現象があるらしく、

夢の中にももう一つの世界が出来てしまうそうです。
そうなってしまうと、夢の中で起こったことが現実にも起こってしまうと。

正夢とはちょっと違って、例えば夢の中でケガをしたら現実でも起きたら同じ場所にケガをしてしまったりとか。
そういう事が起こるそうです。


まさかそんなことあるわけない。

私もそう思いましたが、その子のあまりに真剣な表情と、
何かで見た、焼けた棒を見せた後に熱くない棒を触らせたら脳が勘違いしてやけどしてしまうみたいな実験。

それを思い出して、私はそれ以降夢日記も、地図を作るのもやめました。


それでも、時すでに遅しと言うべきか何と言うべきか。

夢で見た景色は朝起きてしばらくしても頭の中から離れていかないし、紙に描かなくても何となく頭の中の地図が広がっていくのを感じていました。

考えなければそのうちいつか、きっと忘れる。
そんな淡い期待を抱いて、私はそれ以降、同期にその話をするのも控えていました。

それでもやっぱり、夢は消えてくれません。

幸いにも夢の中でけがをしたりやけどをしたりすることはなく、
私はもう夢に呼ばれてしまっているのか、
そもそも呼ばれていたとして、私の身体が実際にどうなってしまうかは分かりませんでした。


そんな時です。

またいつもの街の夢を見たんですが、その夢はいつもと少し違っていました。

明晰夢、って言うんでしょうか。

ああ、これ夢だ。

って分かってる夢。

そんな感じで、あ、またこの街の夢見てるわって思ったんです。
と、同時に、いつも以上にリアルというか、感覚的な話ですが、においとかも若干感じるというか。そんな感じでした。

その夢の中の私には、彼氏がいました。
実際の私にはいないのに……

そんなことを思いながら彼を待っていると、彼は車で現れました。

「じゃ、いこっか」

人生初のドライブデートは夢の中でした。

若干たばこ臭い車内。
おそらく年上の彼。
夢なのにちょっとドキドキしてしまっている自分が恥ずかしかったです。

彼の車に乗ってる間、そういえばこの夢の街で車に乗るのは初めてだという事に気が付きました。

もしかしたら、夢の中で始めて街を出られるかもしれない。そう思い始めた矢先です。

ドン!

ものすごい衝撃と煙の臭いがした次の瞬間。
私は真っ暗闇に寝ていました。

意識はあるのに、手足は動かない。目も開けられない。
感覚は身体の中なのに、自分が真っ暗な空間に横になって浮いている様子が頭の中の映像としてはっきりわかる。

いわゆる金縛りってやつです。

「夢に呼ばれちゃってるかもしれないよ」

「夢の中でケガしたら、起きても同じ場所にケガしてんだって」


同期のそんな言葉が頭の中を駆け巡りました。
夢でケガをしたら現実でもケガをする。

じゃあ、夢で死んでしまったら……?

私はもう目覚めないのかもしれない。
そんなことを思った矢先。

私は母親に叩き起こされました。
もちろん、ケガもない。

「あんたうなされてたけど大丈夫?」

そんな心配する母をよそに、私は何をそんな心配していたんだろうとほっとしたような、バカバカしくなったような、とにかく安心して、めちゃめちゃ笑いました。


この話はこれで終わり……じゃないんです。

その日の朝です。
母親に連れられて朝食の為にリビングに行くと、そこには衝撃的な光景が広がっていました。

テレビでいままさにやっているニュース。

そこには紛れもなく夢の中で私たちがドライブデートしていた場所が映っていました。
居眠り運転をしたトラックが対向車線に進入し、正面衝突。

男性は意識不明の重体、女性は、死亡。

気が付くと私は夢日記と地図を持って電車に飛び乗っていました。

目的地は勿論ニュースで見たあの場所。
地名さえ分かれば後は分かるはず。
そんな根拠のない自信と共に私は夢の街に行きました。


やっぱりそこは、私が夢で見たままの風景でした。
私はそのまま病院に向かいました。

多分、周りの人からしたら意味の分からない事を言ってたと思います。
私は周囲の制止を押し切って彼の眠る集中治療室に向かいました。


一目見て確信しました。やはり彼は、夢の中で出会った彼でした。
となると、夢の中の私は……。


私は改めて、彼の両親に今までした私の体験を話しました。
最初は勿論信じられないという表情でしたが、
夢日記とこの街の地図を見て、納得してくれたようです。

彼が目を覚ましたら、一目会わせてほしい。
彼の両親に私の連絡先を渡して、その街を離れました。


しばらくして、彼の両親から彼が目を覚ましたと連絡がありました。
約束通り、私は彼に会いに行きました。
彼は、私を見るなり安心したような、申し訳なさそうな、
すごく悲しい顔をしていました。


彼は、私の話を静かに聞いてくれました。

彼自身、きっと驚いていたと思います。
それでも、彼は黙って話を聞いてくれました。
そして、妙に納得をしたような表情で、まだ誰にも話していないという彼女の最期の言葉を私に教えてくれました。

「私は大丈夫だから。ちょっと待ってて」

彼女は死の間際、そんなことを言っていたそうです。

なぜその言葉を私に話してくれたのか。
わからないでいる私に、彼は驚くべきことを話し続けました。

丁度私が不思議な夢を見始めたのと同じころ、彼女も不思議な街の夢を見ていたそうです。

断片的ではありましたが、間違いなくそれは私の住んでる街でした。

そして、彼女が亡くなる少し前、彼女は全く夢を見なくなったそうです。


その意味が分かったのは、最近になってからです。
まあ、分かったと言っても、なんの確証もないんですが。


私は、あれからも時折彼と街の夢を見ました。
その夢は、彼女と彼とが過ごしてきた過去の思い出だったのです。


今思うと彼女と私とは、元々一つだったんじゃないかとすら思っています。

亡くなった彼女の魂は、今も私の中に確かにいる。
その彼女が、私に昔の夢を見させるのだと。
自分の過ごしてきた時間を私に共有してほしいんだと。

そう思っています。

そして今日、私は彼と初めて出掛けることになりました。
目的地は、彼女が眠る場所。

これから私と彼はどうなるか。
それは私にも、きっと彼にも分かりません。

でも、思うんです。

もし、この世界に運命というものがあるとしたら、
これは間違いなく運命だと。


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