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【Midjourney】を使って切り絵の絵本をつくってみた!

新企画〈midjourney〉を使ってボイスコミックを作ろう!
第三弾は切り絵の絵本!!

紙では量産できないであろう枚数、そして豪華な仕上がりになりました。

今回動画に使用されたのは50枚程度。
Midjourneyには500枚を作ってもらってました。

前回と違い、切り絵は抽象的な描写でも問題ないので
ガチャの確率は高めでした。(前回は1000枚中60枚)

まずは完成動画とそのシナリオです。
映像的なエフェクトは控えめにして、BGMやSEをこだわりましたので動画もぜひご覧くださいませ。


〈完成版の動画〉


〈シナリオ〉

人喰い熊の恋


昔々、
まだそれは人と獣が背中合わせで暮らしていた
時代のお話です。

山奥にある小さな家に
それは美しい娘が住んでおりました。

名はお雪です。

お雪のところに今年も仲の良い友達が訪ねて来ました。
熊の大吉です。

「大吉いらっしゃい、
今年も干し柿がとっても美味しくできましたよ」

それは大吉がまだ子熊のころのことでした。
食べ物を求めて山里に迷い込んできた母熊と大吉。

熊を恐れる村人に母熊は殺され、
大吉は足に怪我を負いました。

お雪の家の前で力尽きて倒れていた大吉を
お雪は手当てをして干し柿を食べさせ
山に帰してやりました。


それからというもの、
こうしてお雪を訪ねてくるようになったのです。

「お前も私も親がいないもの同士
いつでも遊びにいらっしゃい。

でもね、ここから先、
山里に降りてはいけませんよ。

人間は熊がとても怖いの。

大きくなったあなたを見たら、
村人たちはあなたを殺そうとするに違いない」

大吉はわかったと言わんばかりに首を振って
山の中へ帰って行きました。

村人にとって熊は天敵。
お雪もまた大吉のことは村人に秘密にしていました。

そんなある日の晩、
お雪は突然、男たちに連れ去られてしまいました。

美しいお雪の噂を聞きつけた、
お殿様のところに嫁入りすることになったのです。

お殿様は今まで何人もの妻を娶りました。

しかし井戸に落ちたり、
崖で足を滑らしたり、
川に流されたりと災難続きで
次々と亡くなっていたのです。

そしてお雪は4人目の妻として
迎えられることになったのです。

何も知らない熊の大吉は、
いつものようにお雪の家にやってきました。

しかしお雪の姿はありません。

お雪に会いたい一心の大吉は、
お雪との約束を破って山里に降りて来てしまいました。

村人たちは、
大吉の姿に驚き農具を手に必死で追い払いました。

「まさか、お雪は喰われたんじゃなかろうか」

村人たちは山奥で暮らすお雪のことを心配して
家にやってきました。


お雪の家はものけの空。
大吉の足跡だけが残されていました。

村人たちは怒りに震え大吉の姿を追います。

何も知らない大吉は
お雪のいる城まで辿り着きました。

お殿様との初夜を迎えることになったお雪。
お殿様はお雪の白い腕に光る刀を滑らせたのです。

すると細い赤い糸のように
お雪の腕に血が滲み始めます。

お殿様は目を充血させて喜んでいるではありませんか。


お殿様は若い女の生き血を飲むと
不老不死の命が宿ると信じていたのです。

恐ろしくて逃げ出した妻たちは皆、
不慮の事故を装い殺されていたのでした。

お雪は恐ろしくて、
逃げ出そうとしますがお殿様は放してくれません。

お殿様がお雪の腕に舌を這わせようとしたその時、
恐ろしい獣の呻き声が屋敷の外から聞こえてきました。

家来たちが何者かの侵入を防ごうと応戦しています。
大きな獣の足音が聞こえてきた、次の瞬間、

雪の目の前に荒れ狂う大吉が姿を現したのです。
お殿様は腰を抜かしてお雪の手を離しました。

「大吉!」

大吉は自分の背中にお雪を乗せると、
山奥に走り去って行きました。


あくる日、
領内では「人喰い熊を殺せ」と
男たちが立ち上がりました。

お殿様から奥方を奪った「人喰い熊」、
村一番の美しい娘、お雪を襲った「人喰い熊」

大吉とお雪は村が一望できる山頂までやってきました。

すっかり日は暮れ、
人々が松明を持って山に登ってくる様子が見えます。


もう逃げられません。

「大吉、あなたは山にお逃げなさい」

松明の大群がもうそこまで迫っています。

大吉はお雪に何かを訴えます。
大吉が鼻先で示したその先に小さな洞窟がありました。

その洞窟の先には微かに光が見えます。
そこは大吉だけが知っている抜け道です。

大吉はお雪をその洞窟に鼻先で追いやります。

「大吉!」

大吉はお雪を洞窟に押し込むと
その穴の前に立ち塞がり叫びました。

「ぐおおおお」

大吉の叫び声を聞きつけて
松明を持った一人の男が叫びました! 

「人喰い熊がいたぞ!」

大吉は地響きのような恐ろしい呻き声をあげて
男たちを威嚇します。

四方八方から矢が放たれます。
それでも大吉は一歩も動かずに立ち塞がります。

大吉の体に火のついた矢が突き刺さりました。

一気に炎に包まれる大吉の体。
ついに力尽きて崩れ落ちました。


それから年月が経ちました。

雪のように真っ白な髪のお婆さんが毎年、
干し柿を持ってやってくる塚があります。

お婆さんは塚に干し柿を並べ、
しばらく手を合わせると山を降りて行きました。


おばあさんの姿が消えると、
小さな子熊たちが一匹、二匹とやってきて
嬉しそうに干し柿を食べています。

おばあさんは振り返って子熊たちに言いました。

「大吉の分も長生きするんですよ」

お婆さんの祭るこの塚は「大吉塚」と言って
今でも雪深い山奥に祀られているそうです。

【終】


〈使われなかったイラスト集〉

ここからは、恒例の使用されなかったイラストを公開していきます!
まずは人間の女性・お雪から

・お雪

白黒は雰囲気あっていい
美しい
少しセンチな感じ。ラストで使いたかったなぁ
左側の髪が影で描かれてるのが素晴らしい
貴婦人
おお……
これもラストで使いたかった
上に同じく
カラフル

お雪は素晴らしいイラストが多く、どれを使うか一番悩みました。

では続いて熊の大吉さんいってみましょう。

・大吉

Cute
カラフルな熊
シロクマじゃないんだよな
お雪をのせて逃げるシーンも、これくらいの躍動感欲しかった
火に包まれる
息絶える大吉
きみ二足歩行できたん?

だいきっつぁんは表情出そうとするのが多くて、お雪よりは大変でした。

続いてお雪と大吉のツーショット

・お雪と大吉

お雪の服がチアリーダーに見えてしまう
これ不思議な絵ですね
仲良さそう
個人的にお気に入りだけど使いどころが
白黒いい
熊というより狼
熊というより(以下略)

最後にその他のイラストを何枚か。

・その他

弓矢が空を埋め尽くす
コソ泥か
お殿様かっこいい!
ジャパン
お殿様というか旅の剣士?
切り絵はこういう奥行きがいいですよね
チョコのパッケージみたい


はい、今回の供養は以上です。
次回はクレヨン画です!

お楽しみに!!



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