今やっていることがこれからの私を作る。

1、カルマって?

ヨガの経典は、この「世界」は「生物のカルマ」のために現されているものだといいます。

確かに私たち一人一人が「想像したこと」「考えたこと」「作って来たもの」でこの世界はできています。この政治システムも、消費システムも、家の構造も、畑のあり方も、農協も、スーパーも、発電所も、漏れなく私たち一人一人の行動や選択の結果です。

過去に私たちやご先祖様が積み上げて来たことで、今のやり方やこれからのあり方ができています。


経典では、それだけでなく、「過去生」を含む「過去」で人々が「行為=カルマ」としてなして来たことの種取りのために、何度も生まれて来てはその草取りや種取りに明け暮れていると言っています。

過去生があるかないかということは論点ではなく、

「私たちがこの世界に向けて放った思いや行動が、そのまま世界から自分自身に返って来ているのだ」

という事実を受け入れるか受け入れないかということが、私たちの「選択の質」に大きく影響するということです。

それをカルマの法則と言います。


2,カルマが教えてくれるのは絶望ではなくて希望。

今、困難に直面している方がいるとしたら、それは過去で自分のしたことによる反映を、今、受け取っているだけのことです。原因に結果がついてきているということでしかないのです。

「だからあなたが悪いのよ」とかそういう話でもありません。

それに氣がつけば、「原因を解決して、結果を変えることが出来る」という理屈がわかって来ます。

過去の自分が行った行為が自分の元へ返って来ていることはもう変えられないので、体験し、そこから学び、感謝して見送って行くことが、大きく成長し、カルマを生かし、乗り越えていく方法です。

そして少しずつ、自分の「行為」の質を変えてゆき、「成果」の質を変えて行くこと。

これらは自らの「意思」で行われることです。誰のせいにもできません。

自らの行為で受け取った成果を人に任せることはできないのです。

全ては自らが作り出しているのだということに氣がつき、それらの「成果」を受け取って、日々が作られているのだと言うことに氣づいていること。アサナの練習で培ったアウェアネスを生活の中に広げ、自分の行動にアウェアネスを巡らせて行くこと。

それがヨガ的な生き方です。


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3,生活の中で活かすカルマの法則


例えば、瞑想中に「眠い」「眠りたい」という感情が湧いてくるときに、それは自分のどんなカルマ(行為)から来ているのかな、と観てみます。ひょっとしたら昨日の夜、 天ぷらを食べて内臓が疲れているからかもしれないし、おとといの夜から見始めたDVDのせいで寝不足が続いているからかもしれません。

じゃぁ、夜は脂っこいものは控えようという選択肢が生まれてきます。DVDは曜日を決めてみようかな、とか一日1時間って決めてみようかな、と自分なりの目安を作ることが出来るかもしれません。

毎朝のプラクティスの時間(朝日が昇る時間)に合わせて起きることは、宇宙のリズムに寄り添うことでもありますが、今、朝起きるのが難しい方や大変だと感じる方は、それを困難にしている生活習慣を探してみてください。そしてその生活習慣が自分に何をもたらしてくれているか、それを自分は本当に望んでいるのか感じてみてください。そこからもたらされているものが、今望んでいることとずれていたら、その理由に当たる生活習慣を改善すればいいだけです。

そんな風にして、なんとなくズルズルとやっている生活習慣を、アウェアネスを通して断捨離して行きます。それはルールが増えるとか、大変なことを自分に課して行くことではなくて、どんどん楽になる方法です。

自分が楽に心地よくなる方を選択して行くというだけのことです。

ヨガを通してアウェアネスが育ってくると、自分の行為に対するアウェアネスが自然と発動するようになります。すると、嫌が応にも自分の生活習慣を見つめざるを得なくなるのです。違和感を感じ始めたらラッキー。その違和感の原因を探って、アップデートして行く。2週間もしてその生活習慣に慣れてきたら、自分の体がいかに楽になっていて、心が軽くなっていることに氣がつくでしょう。

そうやって、カルマに変化を起こし、小さな成果の変化を味わっているうちに楽しくて気持ちよくなって、どんどん生活は楽に、カラダは楽になって行きます。

4,いい生活スタイルのはずなのに「疲れる」ってどういうこと?

毎日の朝のヨガクラスに参加するようになったとき、最初の一週間はすごく疲れてしまう方がいます。大抵は今まで全く運動する習慣がなかった方です。クラスの時は気持ちがいいんだけど、一日中疲れて何もできなかった、とか言われます。「私にはヨガは合わないんだ」と結論を出すのはちょっと早いです。それってどういうことなのか考えてみましょう。

今のあなたのカラダはあなたの過去の習慣で作られたものです。

そのカラダにはまだ、今やっていることが新しすぎて、疲れという成果が出ています。だけど思い出してください。いまやっている「行為」を通して「成果」は返ってきます。いま疲れちゃうこの行為を続けていったらどうなるでしょう?

行為は必ず成果をもたらしますから、「そこからの恩恵を表現できるあなた」としての成果が必ず得られるはずです。

5、カルマから受け取ったものを生かすこと。

また、練習を続けて1ヶ月くらい経つと、感情の排出が始まって悲しみや怒りが出てきたりする方がいます。ヨガのアサナではエネルギーに働きかけるので、今まで溜め込むしかなかったエネルギーが出口を見つけて動き始めるのです。

ちょっとびっくりされる方もいますが、安心してその成果を受け取ってください。そして観察してあげてください。今までどんな感情を溜め込んできたのか、どんなカルマからそれを受け取っているのか、思い出して感謝して、見送ってあげてください。大丈夫。あなたにそれを受け取る準備ができたから、今それを受け取っています。感謝して見送ってあげてください。

そして、その学びを生かし、これからの「行為」の選択に慎重になってください。

これからはどんな成果を受け取りたいか、ちょっと思い描いてみてください。

そしてそれに伴った「行為」を作り出してください。

あなたの新しい質感の行為を生み出すために、感情を伴ってその成果を受け取っているんですから。

そして少しずつ、その行為が宇宙の法に寄り添ったものになって行くように

優しく、時に厳しく自分自身を育ててあげてください。

あなたの受け取る「成果」の質はきっと変わってきます。


今日もあなたのプラクティスという行為が、この世界に素敵な成果をもたらしますように。

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