見出し画像

一緒に働きたい人とは

最近仕事の話ばかりだけど、転職を控えると頭の中で仕事が占める割合が増えてしまう。
転職はキャリアの棚卸しの絶好タイミングで、棚卸しをする中で自分の仕事観みたいなものが見えてくるからだと思う。

私はもうすぐ今の会社を辞めるというのに、正直仕事のストレスがかなり高い状態である。
プロジェクトの納期が近く、それでも日々小さな問題が頻発していて対応に追われているからだ。と思っていたが、どうやらそれだけではないのかも、と思い始めた。

2年以上一緒に仕事している、ある人の話

今私が担当している案件は2つあるが、どちらでも一緒に仕事をしているあるメンバーがいる。
そのメンバーとは2年半ほど前に一緒に仕事をするようになった。とても優秀な人で、仕事は早いし、困ったときにはあれこれと解決策を提示してくれる。キャリア的にも私よりずっとベテランなのだが、立場上私がその人に仕事をお願いしている関係だ。

いつも助かっているし、その人がいなければ今やっている案件は確実に回っていない。だからもちろん感謝もしている。だが、その人が休みの日は、内心ちょっとホッとしてしまう自分に気づいた。

なぜか。もちろん、自分より年齢も経験もスキルも上の人に仕事をお願いする立場がやりにくいというのもあると思う。ただ、なんとなくそれだけではない気がした。
先日、その人がたまたま休みだったので他のメンバーだけでミーティングをした。私は心理的に落ち着いた状態で話ができていた。いつもはもっと緊張しているし気を遣っている。これが心理的安全性というやつなのか?

振り返ってみると、そのメンバーは優秀な反面、結構ものをズバズバ言う人なのだ。スケジュール的にキツいのを承知の上で仕事をお願いすると、「え?この期間でやるんですか?」みたいな反応が返ってくる。もちろん無理なお願いをしている私も悪い。ただ、露骨に態度に出されるとこちらもダメージを受ける。他にも、実はこれこれこういう状況でして…と何かしら理解を求める説明をすると、「え〜…」なんて言われたり。
何でも笑顔でハイハイ言って、こちらの言うことを聞いてほしい、というわけではない。でも、嫌だ、あなたが間違っている、そんなの無理だ、そういった態度を何のフィルターもなくはっきりと表に出されると、結構キツい。

ただ前述の通りその人は優秀なので、嫌だな、やりにくいなと思ってしまう自分が悪いのだと思い込んでいた。自分のスキルが低いから、その人が仕事をやりづらくなってしまっているだけなのだと。でも、これまでいろいろな人と仕事をしてきて、そんなふうに感じる相手が他にいたか?と考えたら、全然思いつかなかった。ああ、私、あの人ちょっと苦手なのかも。

優秀=一緒に働きたい?

「一緒に働きたい人」というと、どんな人を想像するだろうか。
仕事が早い、スキルや経験がある、そういった要素も大事だと思う。だけど気づいたのは、「安心できる人」であることも、結構重要なんじゃないか、ということ。

先ほども述べた通り、私はその人がいるミーティングでは落ち着いて発言できない。「あの人にどう思われるだろうか」「この作業お願いしたら嫌がられるかな」などと考えてしまい、つい「〇〇さんは忙しいと思いますし、私やります」などと言ってしまう。そして自分で自分の首を絞め、ストレスを溜めてしまう。
いろいろと助けてもらっている相手にこんなことを思うのは申し訳ない。そんな罪悪感から自分が悪いと思い込んで自分を追い詰めてしまっていたところがある。でも、もうすぐお別れとなる今になって、「あの人とは安心して仕事できなかったな」と気づいた。だからその人が悪い、とまでは言わないけど、私にとっての「一緒に働きたい人」ではなかったのかな、と思う。

私にとって「一緒に働きたい人」

ここまで一方的にある一人の人物について書いてしまったけど、では誰かに対して「この人、一緒に働いていて安心できるな」と思ったのはどんなときだろう?

私や他の誰かがミスをしても、それを責めたりそのミスによる被害の話をしたりするのではなく、どうやってリカバリしようか?どうしたらミスをなくせるか?を一緒に考えてくれる人。
意見を言ったときに「いやそうじゃなくて」と否定から入らず、「そうなんですね、私はこう思ってます」と一旦受け止めてくれる人。
話を遮らず最後まで聞いてくれる人。
できたことに対して、褒めたり一緒に喜んだりしてくれる人。

これって仕事だけじゃないな、もっと普遍的な、いわば「人間力」だなと思った。
ここに仕事のスキルや知識が加わったら、私の思う「一緒に働きたい人」になれる気がする。

もちろん、人によっては「仕事ができればそれでいい」とか、もっと他のことを重視したりとかもあると思う。ただ、私にとっての「一緒に働きたい人」は、ポジティブなこともネガティブなことも伝えたいと思える、「安心できる人」。いつか自分もそうなりたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?