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Mizore

2024年6月19日。

その日は一時間早く出社したくて、
七時半に家を出ました。

駅につくと、
「振り替え輸送はおこなっておりません」
というアナウンスが流れていたので、

もしやと思いJRの運行状況を見てみたら、
やはり事故で「運転見合わせ中、遅延」とのこと。


これはもうJRはとんでもない人混みと化しているので、
違う沿線の普通電車で向かうことにしました。

もうこの時点で一時間早く出社、は不可能です。

まあしょうがない、とため息をつくと、
次の駅、次の駅でJR組の人々がどっと乗ってきました。

もうあっという間にのどかな普通電車は、すし詰め状態に。


わたしは座っていることを後悔しました。
立って、外の景色を見ているほうがまだましでした。


昔ヒーリングをしていた友達に教えてもらった、
目を閉じて、やわらかな金の糸がからだを覆って、
わたしを守るイメージ(ナウシカ?)

を、必死でしてみても、
目をつい開けると糸は瞬間的に切れてなくなり、
またふりだしに戻り、
そんなことを繰り返していたけれど、


いよいよ体調がやばくなり、
わたしは須磨でとびおりました。

須磨の海を落ち着くまで、水を飲みながらただただ眺める。
大幅遅刻・・・😿
ダダ混みがおさまるまで、ホームで電車を数回見送る。
帰りたいが帰れない

そんなヨボヨボの日、

昼なのか帰りの電車だったのか、
ショックで忘れたけれど、

Instagramを開くと「#ミゾレ追悼」という文字が飛び込んできました。

え?
追悼?
どういうこと?

ドキドキしながら調べてみると、
6月19日、ミゾレが死亡したのこと。
たったの3歳。


ミゾレちゃんは2021年4月生まれの男の子。

そう、わたしの推し、
海遊館のワモンアザラシのアラレちゃんの息子です。

生まれてしばらくたって低体温症になり、
日本ではじめて人口飼育に成功したアザラシの赤ちゃんです。

海遊館で撮影

赤ちゃんの頃、
白い毛におおわれた姿や、飼育される姿が「天使過ぎる!」と
ミゾレちゃんは大人気となりました。

2021年は、コロナの閉塞感で世界的に沈んでいたけれど、
このミゾレちゃんのニュースは、
ほんわり優しい気持ちにさせてくれたし、
なによりその姿に癒されました。

そして、
大きくなるにつれ、
ふき出してしまうような、
天然のユーモアセンスを持ったミゾレちゃん。

なんでそんなに面白い乾き方するのかと、
笑いの沸点が低いわたしは笑い転げました。


人に育てられたからか、
ダイバーが掃除をはじめるとまとわりついて離れない。

ミゾレちゃんを育ててきたスタッフの方たちは、
どんなに愛おしかったことでしょう。



ファンサもすばらしいスーパースター ミゾレちゃんは、
昨年の2023年11月、国内での持続的な飼育展示を実現するため、、、
おたる水族館へ引っ越ししたのでした。

11月から半年とちょっと。

元気だと思いきや、
突然の悲しいニュースにずっと涙が止まりません。


ひょっとしたら、
ひょっとしたらミゾレちゃん。

あなた今頃、海遊館に帰っているかもしれんな。
大好きなお掃除の邪魔、またしてるのかもしれないね。

アラレちゃんのいる水槽でね。

ドーム水槽の中で、目をぱっちり開いて泳ぐミゾレちゃんの顔がすごくかわいい。


ミゾレちゃん、たくさんの笑いと癒しをありがとう。

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