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短編小説【2,000〜3,000字】

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#魔法

【短編小説】一生に一度だけの魔法

「こいつ一生に一度しか魔法が使えないんだってさ」
 冬。
 リーゼロッテ魔法女学園に通う最低階級――〈ブロンズ〉のニアは、本来相手にすらされないであろう特待生――〈サファイア〉のフォルティーニャ・ローゼンバーグと、その取り巻きに日常的に絡まれている。
 一口に言うと虐められていた。
 理由はごくありふれたもので、「魔法が使えないから」という落ちこぼれの烙印によるものだ。
 ニアは赤みがかったくせっ

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