27. 仕事と不妊治療を再開、二度目の妊娠

出産後、半年程が経ち、
仕事を始める事にした。


まだ、働ける状態ではない、
という気持ちもあったけれど

また不妊治療を始めるなら
お金も必要だし、
仕事して忙しくしてる方が
娘の事を考えて
泣く事も無くなるかもしれない
とも思った。



仕事も決まり、
働き始めた。



仕事中も娘の事を思い出して
涙ぐむ事もあったけれど
接客業ではないので
それ程、問題はなかった。



不妊治療の専門ではないけれど
近くの産婦人科にも通い始めた。



体の状態を見てもらうと

「排卵もちゃんとしてるし、
薬を飲まなくても妊娠できる体ですよ。」

と言われた。



私は
" 娘が私の体を治してくれたんだ・・・。"
と思った。



薬は飲まなくて良いとの事で
薬は飲まなかったけれど
引き続き、排卵の状態を診てもらって
タイミング療法をするため、
病院には通っていた。



すると、
タイミング療法を始めてすぐに
妊娠検査薬で陽性反応が出た。



産婦人科で診てもらうと
やっぱり妊娠していた。



心の中で喜んでいたら先生が

「形がいびつだから流産するかもなぁ」
と言った。



私はそう言われても

” そんな事ない。
この子はきっと娘が連れてきてくれた子。
大丈夫、大丈夫。”

と思っていた。



仕事は始めたばかりだけど
無理しないで早めに辞めようと思っていたら
数日後、出血した。



産婦人科に行き、
診てもらうのだけど
検診の間も
結構な量の出血があった。



それでも検診の結果、
赤ちゃんはお腹にいる事が分かった。



こんなに出血しているのに
お腹の中に張り付いてる赤ちゃんを

” この子も強い子だ・・・”
と思った。



そして
” この子も
「どうしても生きたい」
と思ってるんだ "

と感じた。



先生から
「1週間安静に。」
と言われ、
仕事始めたばかりなのに
申し訳ないな、と思ったけれど
1週間休ませてもらった。



その後、
安静にしていても
トイレなどで立つ度にドバドバと出血した。



” こんなに出血してて
赤ちゃんは大丈夫なんだろうか・・・。”

と不安になりながら
次回、検診に行くと

赤ちゃんはもういなかった。



大量の血と一緒に
流れてしまったようだった。



トイレに行く度に
血の塊がないか見ていたけど、
分からなかった。



きれいに流れてしまったようで
特に何か処置を
しなければいけないような事は無かった。



先生は
「初期の流産はよくある事で、
ほとんどが染色体異常とか
赤ちゃん側の問題だから。」
と言った。



落ち込みながら家路に着き、
仏壇に向かって

「蒼ちゃんの弟か妹がそっちに行ったよ。
もう寂しくないね・・・。」

と涙ぐみながら話しかけた。



” 出産して半年、
ちょっと焦り過ぎたかな・・・。

でも、妊娠はちゃんとできた訳だし、
きっとまた妊娠できる。

大丈夫、大丈夫・・・。"

そう自分に言い聞かせた。

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