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気まぐれ日記/歌と我が子

3月15日

 ナギが帰って行った——。

帰る前々日にナギの友達の、青くんと、てんてんがやってきて
2泊3日でうちに泊まりに来た。

 3人でゲームをしながら、ギャーギャー騒いでいて、まるで小学生みたいだと微笑ましく
思っていた。

いくつになっても小さい頃の可愛いさを知ってるからか、大人になっても、ふとした瞬間に小さい頃の顔が浮かぶ。

 幸せであってほしい——
どんなに遠く離れても…
そう願う。

 ユーミンがコンサートで言ってた。
「歌は我が子のように、それぞれの想いと共に
みんなの元へ…それが誇りです。」と。

きっと、ユーミンのようなシンガーソングライターは、自分が作る歌はホントに我が子のような
感じなんだろう。

 歌である我が子が、自分の手元を離れて、遠いところで
沢山の人の心に届き、誰かが励まされ、勇気づけられ、共感してくれている——。
そんな我が子を誇りに思う。

なるほど!!
「歌は我が子のよう…」

ナギを空港まで送り、1人で帰りながら

ユーミンのその言葉を思い出し、寂しさを紛らわすかのように…

自分に
言い聞かせるように、何度も何度も反芻しながら
家に帰った。 

帰ると…
朝飲んだミネラルウォーターの入った

ナギのコップがテーブルの上に置いたままだった。

毎回それを見た瞬間が
一番寂しさを感じる。

 今日はやけに部屋が広く
「シーン」という音が耳に聞こえるくらい
静かだ——。



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