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【歌詞語り】松田聖子「制服」

松田聖子「制服」
発売年:1982年
作詞:松本隆
作曲:呉田軽穂(松任谷由実)

卒業証書抱いた
傘の波にまぎれながら
自然にあなたの横
並ぶように歩いてたの

「制服」作詞:松本隆

冒頭の1スタンザでもう名作。イベント・天候・登場人物並びにその動きなど、状況が鮮明な映像として浮かび上がってきます。1で100を語るがごとく。

女子生徒は、都会へ離れてしまう男子生徒を思い慕うも、その気持ちを告げられぬまま、この歌の物語は終わります。この男子について、女子のほうが

「ただのクラスメイトだから」
「ただのクラスメイトなのに」
「ただのクラスメイトだけで」

と表し分けているのですが、「だから」「なのに」「だけで」と変えるだけで、この女子の気持ちの葛藤が余すことなく表現されてます。凄い。

さて、

雨にぬれたメモには
東京での住所が…
握りしめて泣いたの
そうこのままでいいの
ただのクラスメイトだけで

同上

の「東京での住所」は、「四月から」「都会に行ってしまうあなた」の住所と思われます。つまり男子が女子に、引っ越し先の住所を伝えていることになります。でも、女子の方が、こんなに思い募らせているのに「ただのクラスメイトだけでいいの」と思ってしまいます。
そして「失うときはじめて まぶしかった時を知るの」と「失うこと」を覚悟するようにも思えます。

その理由は、、、ひょっとしたら別の歌にあるのかも知れません。


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