ポンド建て英国債のデフォルトリスクはゼロ

英中銀、国債購入で「年金危機」回避 低金利のひずみ露呈

 大規模減税と財政出動観測、ポンド安等が理由で英国国債が売られている。年金基金は基本的に国債を中心に運用されるものであるから、金利上昇はバランスシート上で含み損を抱えるから大変だ、とのことだろう。先日、国債の無制限購入を中央銀行のイングランド銀行が決めたた。そのため、中央銀行が国債を買い取とって問題は終了した。

 そう、自国通貨建て国債はいくらヘッジファンドが空売りを仕掛けたところで中央銀行が買い取って終わりだ。なにせ通貨発行権を有するのは英国政府であるから、買い手がつかないという状況はあり得ない。実際にイングランド銀行が買っている。

 一方で、イタリア国債の金利急騰にも言及されているが、そもそもEU加盟国という金融主権がない国と比較すること自体間違っている。EU加盟国は自国通貨を捨て、通貨ユーロを採用している。ECBという共通の中央銀行を持つ形となるため、自国の判断で国債の買い取りはできない。あくまでECBの判断を仰ぐ必要はある。だから、最悪ユーロ建て国債は各加盟国にデフォルトリスクは常に付きまとう。

 金融主権を持つ英国は、国債金利がいくら急騰しようが中央銀行が買っておしまい、それは日本も同じだ。断言するが、英国の年金基金が英国国債関連で破綻する可能性は0だ。(外貨建てならまだしも)

 国債の金利が問題ではなく、英国も日本と同様、コストプッシュ型のインフレが問題なのである。だから大規模減税と財政出動が必要だという話がでてくるのだ。

 一方、我が国日本の方が状況は深刻なのだが、減税や財政出動の話はです、むしろ増税や利上げ、緊縮の話がでてきている。もはや亡国の極みである。

 話がそれたが、結論だけ繰り返し、変動為替相場制における自国通貨建て国債はデフォルトのリスクはゼロである。それだけ。

    

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