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マリーンズドラフトを考察する。 ~2023後編~

⚠️こちらは前編の続きとなります。


1. ドラフト方針を考える。

まずは、ドラフト方針から設定していこうと思う。
もちろん「2025プロジェクト」に沿っていくのだが、そもそもこのプロジェクトは何を目的としているのだろうか。

これは私自身の推測であるが、「2025年までに常勝軍団を作ること」を本題としつつ、「2025年以降も常勝軍団を維持するためのチームを編成する」ことが真の目的であると考えた。

1つの目標として定めた2025年までは残り2年。
課題はまだまだ山積みで完全体とは言えないものの、ここ数年は上位争いをできる戦力の整備が進みつつある。
ということで、今年のドラフト方針は「2025年の常勝軍団構成のための弱点補強、及び次世代コア候補の獲得」という方向で行こうと思う。

2.  今季の補強ポイント振り返り

前回、先発左腕長打1軍谷間先発中堅手の4項目は特に解決したい課題であるとした。
これを考慮した上での、各ポジションの獲得重要度は以下の通りである。

※あくまでも、ドラフト全体で補うポイントであるため当日の順位がそのまま反映するわけではない。
重要度が高いポジションをうまく指名していき埋めることが必要とされる。

ファンそれぞれがいろいろな意見を持つ中で、以上が私自身が考える補強重要度である。
※ちなみに上記表には記載していないものの、打力期待の選手ポジション関係なく欲しいのが実情。

1軍戦力が欲しいポジション指名競争が生まれやすい)や将来の中核を担う選手4番やエース候補)はなるべく上位で、2軍で育成をしたいポジション(指名競争が生まれずらい)下位指名に持っていきたいところではある。

3.指名シミュレーション

ここからは実際にドラフト指名を考えていくのだが、まず考えるのが1位指名をどうするかである。
1位指名のパターンは大きく分けて2種類ある。

(A)投手1位指名パターン

 ・メリット

1年目から1軍への寄与をある程度期待できる先発投手が必ず獲得できる。

右・左の選択をすることができる。

 ・デメリット

22番目時点で打力を期待できる選手を獲得できる保証がない。

(B)野手1位指名パターン

 ・メリット

薄い市場の中で、将来コア候補になりうる野手を確保できる。

 ・デメリット

投手の右・左が選択できない可能性がある。

↓ここからは私の意見

今季のドラフト市場は、右・左に拘らない限り全体22番目指名でも例年の1位〜ハズレ1位級の投手が残っている可能性が高い。
逆に大・社の野手で1年目からある程度1軍に寄与できそうな選手は22番目で残っていないことが考えられる。

また、他球団での大学生投手需要が高まっていることを考慮すれば、あえて野手に行くというのは合理的であるかもしれない。

~具体的な1位指名候補~

(1)武内夏暉(投手/國學院大学)
左打者の内角をツーシームでえぐれる点は高評価。
左先発という概念では、完成度No.1と言っても過言ではない。

(2)細野晴希(投手/東洋大学)
最速158キロを記録した速球派投手。
速球型とはいいつつも変化球もそれなりのものを持っており、試合中カウントに困る印象は少ない。
武内と比べると粗削りな部分も多いが、将来的な爆発力という面ではトップクラス。

(3)度会隆輝(外野手/ENEOS)
引っ張り方向だけでなくバックスクリーンにもHRを放つことのできる打者。
社会人ではアベレージと長打を両立し、無双状態にある。
加えて、守備や走塁での貢献も期待できるため安定感があるのもよい。
二塁手としてのオプションがある点も高評価。

ざっと3選手を上げてみたが、個人的には度会を狙いに行ってほしい。実際、他球団が度会に初回入札をする可能性はかなり低いと思われ、単独で獲得できる可能性も十分あるだろう。
加えて、来季は菅野西川構想外(育成再契約だと思うが…)となったことも踏まえると、度会指名は現実的にありえるかもしれない。
P.S. 福田(秀)のリリースにより現実味が増した。

※なお私が度会指名を推しているため、今回は度会を軸に考えていこうと思う。

続いて2位指名を考察するのだが、ロッテは2017年以降のドラフトで、チーム内のバランス均衡を目的として2つのルールに則り選択を進めてきた。

・投手、野手のみで上位3枠を構成しないこと。

・上位3枠で高校生選手は1人までとすること。

上記ルールは選択時に、他球団の想定よりも早く獲得するなどの事故を引き起こす可能性があるが、チームの編成を良好にしてくれる作用がある。

ということで度会指名時の2位では大卒投手を狙いたい。
というのも、3巡目指名は27番目となり、1軍級投手の獲得はなかなか考えにくいからだ。

~具体的な2位指名候補~

(1)草加勝(投手/亜細亜大学)
(2)上田大河(投手/大阪商業大学)
(3)西館昂汰(投手/専修大学)
(4)高太一(投手-大阪商業大学)
   etc…

正直、2巡目で誰が残っているかは定かではないが、2巡目で来季ある程度(5~10登板を目安)戦力として計算できる選手が獲得できる想定だ。
こうなれば3巡目は比較的自由な指名となるのだが、1‐2位指名共に大社選手であるため、ルールに則り高卒選手を狙いに行くこととする。

~具体的な3位指名候補~

(1)木村優人(投手/霞ヶ浦高校)
力感のないフォームから力強いボールを投げる投手で最速は150キロまで計測している。
その他フォークボールも持ち合わせており、マリンとの相性も良さそうだ。
ただ、素材としては相当なものを持っているため3位で残っているとは思えない。いればラッキーである。

(2)武田陸玖(投手・外野手/山形中央高校)
野手としては長距離に、投手としては馬力のある二刀流高校生。
ただ飛ばすのが上手いだけでなく、変化球を拾うなどの技術も兼ね備えている点は評価できる。
個人的には野手スラッガーのイメージが強いが、投打共に選択肢を持つ高校生はあまりいないだろう。

(3)福田幸之助(投手/履正社高校)
最速151キロを誇る速球派投手。
フォーシームの威力は凄まじいものがあったりと持っている馬力は素晴らしいが、荒れ気味なのが少しキズでもある。
ただ、良いときは手が付けられなくなるほどのポテンシャルを発揮するため、魅力的な左腕だ。

〜私の2023ドラフト上位〜

1位指名:度会隆輝(外野手/ENEOS)
2位指名:上田大河(投手/大阪商業大学)
3位指名:武田陸玖(投手・外野手/山形中央高校)

というように、ここまでの3巡で投打の主力候補高校生コア候補を指名することができた。(妄想)

4位以降は指名したいポイント市場に残るであろう選手を考慮した上で優先度付けをすることで、優先的に獲得する順を決めて行きたい。

⇩欲しいポイント
・2軍ローテ級投手(できれば左腕)
・救援投手
・高校生投手(早坂)
・高校生長距離砲
・中堅手

4位指名:早坂響(投手/幕張総合高校)
地元(徒歩30分ぐらい)の高校から、全国区となった選手がいて無視する地元球団があるだろうか。
加えて、2年前には同校から捕手の村山を指名しており、バッテリーを組むことがあれば話題性も抜群だ。
本当は3位で確保して安堵したいところだが、市場がそうさせてくれないのが現実である。

5位指名:石原勇輝(投手/明治大学)
念願の大社左腕は、1位で獲得しないとこのあたりまで獲得できない可能性があるため悩むものだ。もっと言えば、石原がこれよりも高い順位で消える可能性もあるため、博打要素が強い。
当該の石原は左打者のインサイドにフォーシームを投げ切ることができるため、比較的実践向きの投手といえる。
他の候補と比べると見劣りしかねないが、安定感のある投手で、将来的にはローテに欠かせない投手となる可能性がある。

6位指名:古田島成龍(投手/日本通運)
もはやここまでくると誰が残っているかがわからない。
ただ、救援として1・2軍ともに使えそうな投手を確保したいという意識で選択したというところだ。
このほかにも、椎葉(徳島独立)や赤塚(中京学院大)などの選択肢もあるため、フレキシブルなイメージをしたい枠である。

~支配下ドラフト全体まとめ~

1位指名:度会隆輝(外野手/ENEOS)
2位指名:上田大河(投手/大阪商業大学)
3位指名:武田陸玖(投手・外野手/山形中央高校)
4位指名:早坂響(投手/幕張総合高校)
5位指名:石原勇輝(投手/明治大学)
6位指名:古田島成龍(投手/日本通運)

どうだろうか?
私が編成担当であればこのような支配下ドラフトを展開するだろう。(批判はいくらでも受け止める。)
焦って現状ばかり追うのではなく、かといって将来を無視するわけでもないバランスの良いドラフトになったのではないだろうか。
若干、投手ドラフト気味になってしまった点は反省。
もちろん、これ以上に綺麗なドラフトも展開できるだろうが、私の実力はこんなものである。
また、当初の課題であった2軍左腕長打谷間先発中堅手のうち3項目を埋めることができた。

~育成ドラフト編~

もはや魔境である。
ここからは支配下では人数の都合上厳しいが、良いものをもっている選手を独断と偏見で紹介していく。
ちなみに、ロッテは高校生を同年ドラフトでぶつけることが多いことも考慮する。
(22年5位金田⇋育成3位勝又、育成4位黒川)
(21年1位松川⇋育成4位村山)
(20年5位西川⇋育成3位山本)

菰田朝陽(外野手/拓殖大学付属紅陵高校)
足が世代No.1を張れるぐらいのアピールポイントである中堅手候補。この手のタイプは打力向上に時間がかかっても守備・走塁で1軍貢献ができるため、チームへの寄与度も高い。
ちなみに、非力かと思いきや壺にハマると意外と飛ぶ。

浮ケ谷航平(内野手/帝京長岡高校)
打球を飛ばすという点に優れている天性のアーチスト。
守備ポジションはコーナー系のため、2軍で求めているものと合致する。守備力や打席での対応などはまだまだ未知数だが、ロマン砲と考えればこれ以上ない選手である。

下川隼佑(投手/新潟アルビレックスBC)
近頃数を減らしているアンダーハンド右腕。
渡辺俊介とまではいかずとも、低いリリースポイントから放たれるボールは魅力的だ。
相手チームの目線を変えるという意味合いでも是非とも戦力化したい投手コンテンツである。

北川陸翔(外野手/立命館宇治高校)
高校では中堅を担っていたものの、足が速いというわけではない。
そのため、プロ入り後は中堅手というより両翼のイメージが強い。
現状のロッテは、若手有望株が右打者ばかりなので余裕があれば獲得しておきたい。

村田怜音(内野手/皇學館大学)
飛ばすことに関してはトップクラスの大学生スラッガー。
守備・走塁での貢献はほとんど期待できないが、それを上回るほどの長打力を持つため、プロでは打撃で勝負といったところか。
現状は確実性に課題があるものの、ものになれば寄与度は大きい。

篠崎国忠(投手/修徳高校)
身長192㎝、体重102キロの大型な高校生投手。
体が大きい割には、投手としての細かい動作がスムーズに行えている点は武器となる。
ボールやフォームなどはまだまだ未完成で、素材型という認識が強い。

と、育成で獲得したい選手は挙げればキリがないため、この辺にしておこうと思う。
育成選手では、中堅を担える選手高校生の長距離砲を必ず獲得してほしい。

4.おわりに、

ここまで長いこと見ていただいた方には感謝しかありません。
ありがとうございます!

私はドラフトというものは1つの終わりでもあり、始まりでもあると思っています。
そして、それを追い、見届けることこそがドラフトの真髄だと考えています。
ドラフトは毎年開かれますが、同じドラフトは2度と存在しません。

皆さん、かけがえのない2023ドラフトを温かく見守りましょう。

それではまた次回の記事で、さいなら~

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