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掃除の邪魔から火星まで

 食後、リビングに掃除機をかけていた。椅子に座ったままスマホをみて動かない娘が邪魔なので、

「ちょっと邪魔だからどいてよ。」

私が言うと、娘は椅子の上に立ち上がり、私を見おろしている。そうじゃない、椅子からどいてほしいのに。足元は掃除機かけられるけど、そういうことじゃないんだよ、と伝えると、

「そういう人が宇宙に行くんだからね!」

と、訳のわからない返答。人にない発想っていうのが大事なんだよ、と力説する。

「じゃあ、宇宙に行ったらお土産買ってきてね。」

もう諦め半分で言うと、椅子に立ち上がったまま、しれっとした顔で答える。

「火星クッキーでいい?」


たぶん娘には一生敵わない。

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