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認知症の中核症状とBPSDについて

今回は、介護現場で働く職員に向けた記事にしました。
少し難しく感じるかもしれません。


□認知症の定義
アルツハイマー病その他の神経変性疾患、脳血管疾患により日常生活に支障が生じる程度にまで認知機能が低下した状態として政令で定める状態をいう。

脳の一部が壊死したり、萎縮することによって起こる症状を「中核症状」という。
※中核症状の原因は脳の変化の為、治ることはありません。
・記憶障害
 体験したその時間全てを忘れる。もしくは思い出せない。
・見当識障害(月日・時間・場所・人物)
 どこなのか、誰なのか、いつなのか見当がつかない。
・失認
 見えていても気づかない。認識できない。
・失行
 今までできていても、やり方や使い方がわからない。
・失語
 言いたい言葉が出てこない。言い間違える。
・思考、判断力の障害
 混乱しやすい。判断を間違えやすい。
・実行機能障害
 2つ以上のことが段取りよくできない。順序がわからない。

脳の細胞が死ぬことで、先ほど説明した中核症状が現れる。
そこに増悪原因や性格・素質が加わることで行動心理症状(BPSD)が現れる。

行動心理症状(BPSD)とはどの様なものか?
・不安     ・徘徊
・焦燥     ・不潔行為
・うつ状態   ・興奮
・幻覚     ・暴力
・妄想     ・その他
      ↓
BPSDは治る可能性がある。
BPSDが出るということは、そもそもケアが上手くいっていないことになる。

増悪要因とはどの様なものか?
◇病気の影響や服用している薬の副作用
◇身体的痛み、便秘、不眠、空腹などの不調
◇悲しみ、怒り、寂しさなどの精神的苦痛
◇家族や援助者など、周囲の人との関わりや態度
◇音、光、味、匂い、寒暖等の五感への刺激
◇住まい、器具、物品等の物理的環境から生じる居心地の悪さ
◇要望、障害程度、能力の発揮と活動のズレ
◇生活歴、習慣、馴染みのある暮らしと現状のズレ
このような事が中核症状に加わる事でBPSDが出現する。逆に捉えると増悪要因を改善したら、BPSDは治る可能性があると言う事です。
また、中核症状とBPSDの目安として、自分の中で終われば中核症状、周りに影響を与えればBPSDと判断することができます。

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