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心の話 | 亡くなった人が夢に出てくるということは......

亡くなった人が夢に出てくるということは......

その人が亡くなった事実を
心が認めて
思い出になったということです

認められなかったことを
消化できたということ、つまり
前に進んだということです

カウンセラーの先生からの
言葉です


ここからは、私の体験を綴らせてください
あえて抽象的な書き方にさせていただきます

(以下、ショッキングな内容を含みますのでご注意ください)




ずっと心残りでした
私に何かできたのではないか

彼が追い詰められた原因が
もしかすると私にもあったのではないか……と

彼は私よりも若く
才能に溢れていました
嫉妬すらするほどに

……


ある朝、彼の家に様子を見に行くと
亡くなっていました

部屋の鍵が開いていたこと

ドアノブをひねって扉を押した瞬間
ボタボタと生ぬるい水滴が
手に降り注いだこと

くらいくらい廊下

はりっぱなしのまま
放置された風呂釜

廊下を曲がって
足の踏み場をさがす


くろい人影

……


ビニール紐

……



あぁ人間って
こんなに重かったんだ

かたい

ほどけない

おもい

ごめんね

ごめんね

もう間に合わないみたい

……ほんとうにごめん


それから2年間

肌にまとわりつく湿気を

あのときの手の感触が
頭から離れませんでした

私はこのまま、あの瞬間を
ありありと感じながら
生きていかねばなないのか、と思いました

そして、さらに半年後、
夢のなかに彼が現れました

事故があってから初めてのことでした

生前のままの表情で
ちょっと肩をすくめながら
恥ずかしそうに
はにかんだ表情で

「もう大丈夫だよ」と彼が言ったので、
わたしは「ありがとう」と伝えました

彼は手を小さく振って、向こう側の
白い世界へ歩いていきました


彼が本当に彼だったのかは分かりません
でも私の中では本物でした

死に直面してからの2年半、
彼が夢に現れなかったのは、きっと

彼の死を受け入れられなかったから......
なのだと思います

カウンセラーの先生が言った
「夢で故人と会うことは思い出になった証拠」
という言葉

腑に落ちました

彼と会った夢をさかいに、
私はまた前を向いて歩けるようになりました

夢が「ごめんね」を「ありがとう」に
変えてくれたんです


傷ついた経験や
トラウマ
ショッキングな場面

脳裏に焼きついて離れないことが
生きているとあると思います

ありきたりな結論ではありますが、
時が癒してくれる
というのは事実なのだと思います

そして立ち直るきっかけが
夢、ということもあるみたいです

このお話が
誰かの心に寄り添えることを願って
記事を終えたいと思います

ありがとうございました

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