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アイチャイム
2024年4月20日 17:13
春の日は油断がならない。やつらはいつも狙いすましたように休日にやってくる。「クール便で〜す」いやな予感がした。頼んだ覚えのない宅急便。湿った重たいダンボール箱。敵の襲来だ。箱の中には土にまみれた怪物がみっちりと封じ込められていた。毛むくじゃらの表皮に覆われ、固く尖った角の先は猛禽類の爪に似ている。紫色のイボが下部にずらりと並んでいて禍々しい。生まれたての赤ん坊くらいのずっしり