冒険ダイヤル 第21話 友情と食欲
カフェを出ると深海たちは国道の上を渡るデッキの直前で足を止めた。
すぐそばにロータリーへ降りるためのエレベーターのドアがある。
赤いスニーカーの人物はエレベーターの手前で立ち止まり、手すりにもたれてロータリーを見下ろしていた。
「あの人、魁人に似てる」
「近付いてみたら?」
深海は口にひとさし指をあてて声を小さくするように注意した。
陸は背が低いので深海は少し頭を下げて耳元でささやく。
「もう少し待って。何をするつもりか見張っておかないと」
陸は両手を握りしめて深呼吸した。