見出し画像

いやなら、買わない

2週に1回、精神科に通っている。
病名は、アル中だ。
なんか、時勢的?にあまりアル中とは言わないっぽいが、俺はアル中と言っている。
まぁ、そんな事はどうでもいいが、、、

先日も、予約していた通り通院した。
まぁ、診察はいつも通り、どうといことはない。
最近はどうですか?から始まって、
5分10分、しょうもない会話をする。
最近の会話のテーマのメインは、俺の仕事の話だ。 

今の担当医から、しょっぱなの診察の時、「高橋さんとは、どういう話がいいんですかね?」と来たので、
「いまは、酒以外に脳みそを占めているのは仕事ですかね、、、」というと、「じゃ仕事の話を聞きますね?!」
となった記憶がある。

(また話が逸れるが、俺は医者のことを先生とは言えない。俺にとって、先生は学校の教師だけ。医者からは別に何も教わってないし、、)


別に何の話しをしようが、俺の心のヒダをくすぐりまくって「なるほどねー、すごいこと言ってきますね!酒やーめた、ピッ!」となるような、俺の腹に強烈なボディを打ってくるような医者じゃないな、というのは最初から感じてはいた。
かと言って、これまで何人も会ってきたクソ医者という程でもない。
普通。

ここで、精神科について一家言。
病院、クリニックの診療科目の中で1番治療、診察の難易度が高いのは、精神科ではないかと思う。
(これは一般的にはどう認識されているのだろうか。よくNHKで脳外科とか心臓手術担当の医者とすごさを取り上げた番組を昔見かけたことがあるが、、、)

精神科の医者でまともな医者に会ったことこは数少ない。というかほとんどない。

俺は数十年前のうつ病からスタートして長年のアル中、そしてアル中でガイキチ病院に入院したという精神科においては結構、色々経験をしている。
しかもその最中に、うつ病やアル中などの精神疾患、その治療方法、精神科医療の実態などに関する本を読みまくっていた。
だから医者と対等、下手すると医者以上の知識を持って診察に臨んでいたりした。
まあ、ほんとにクソな精神科医師ばかりだった、、、
(昔の話なので、今さら個々のエピソードに触れる気もしない、、、)


そんなこともありつつーの、今の担当医とは約2年くらいになるだろうか。
んで、俺の仕事の話をチョボチョボするなかで、新規事業の立ち上げに取組んでいることを話した。

すると、その担当医、
「なんか、高橋さんと似ていますねー」
ときた。
「なんですか?どうしたんですか?」
「10月以降、開業医の話があり、すすめようかどうしよう迷っているんですよね?」とのこと。

俺は持ち前聞く力?を駆使して、
「何を悩んでいるんですか?」
「どうしたいんですか?」
「病院はこんなに繁盛しているじゃないですか?」
「開業のスキーム(経営と診察は分離しているのか)は決まっているんですか?」
などなど、、、

すると結局、息子が大学で教育費がかかるので、要はもっとかせがなければいけないが、今の病院勤務医も云々かんぬん、、、
「知るか!」という感じで聞いていた。

「んで、結局どうしたいんですか?」
と俺はコンサル魂?をだしつつ、
「そんな時は、WILL、CAN、MUSTの3つの軸で整理するのも手ですよ」
と提案した。

医者は食いついてきた。
「WILLは自分がしたいこと、CANは自分ができること、MUSTは自分がしなけれないけないこと。
それらについて、思いのまますべてを洗い出す。そして、洗い出した項目に優先順位をつける。WILLについて優先順位をつけるときは、CAN、MUSTの内容は見ない、無視。同じようにCAN、MUSTをやったら全体を俯瞰する。そうすると整理がついたりするかも、、、」
としゃべりまくってしまった。

担当医は、
「おー。さすがですね、、、」と少し驚いていた。(何がさすがなのか、、、)

まぁ、そんな話はいいとして、その担当医が数回前の診察で、
「実は、10月から茗荷谷になるんですが、茗荷谷にきてもらえますかね?」
ときた。

俺は、一瞬、
「はい?」
と心の中でつぶやいた。口にはださなかった。
間髪おかずに、
「えー、行かないですよー」
と返した。
「今後もきてくれるように口説きますよー」
と医者は減らず口をたたき、その診察は終わった。

それから毎回の診察で「茗荷谷」の話がでる。
診察の最後に、決まって最後に、
「茗荷谷、どうですか?」
と聞いてくる。
「いやいや、遠いし」
「東京行きたくないし」
「。。。」

まぁ、先方からすれば、純粋に患者減らしたくないしというのはあるだろうが、
「私も高橋さんと話したいしー」
「高橋さん、話上手ですしねー」(知るか!)
ときたので、
「えー、逆ですよね。話は好きですが、私としゃべりたいんだったら金とりますよ?」
とぼけてみた。

しょうもないやりとりで終わったが、
気になったことが2つあった。
まず、10月以降云々と言っているが、10月以降も俺が精神科に通う前提になっているということだ。

もう一つは、先述の「。。。」だ。
今よりも遠くなる東京にまでいって診察を希望にしない、とは伝えた。
もっとトドメを刺すような言い方をすると、
わざわざ茗荷谷まで行って、あなたと会って、5分10分しゃべる意味というか、役に立つこととか、俺には全くないということだ。
こういう言い方はしていないが、、、

マーケティング的にいうと(職業病か?)彼の提供価値が俺が負担するコスト(別に診察費だけではない、もっと諸々含めて)を全く凌駕していないのだ。
(まぁ、そんな難しい話しじゃ、全くないですけどねー)

これが、
「いやー、○○先生の話、面白いわー」
「茗荷谷だろうが、どこだろうが、通いますよー」
となると話は別だが、、、


現在すでに、最低限、薬のための処方箋をだしてくれればいい、という関係になってなりつつあるのだ。
そういう意味でこれまでのクソドクターに近づいてきている。
彼はそれに気がついているのかどうか?
気がついていても、普通に「茗荷谷にもきてよー」と言っているのか、、、

俺の腹の真ん中に、強烈なボディを打ってくる事は、今後もないのだろうか。
そう、同じコンサル屋(医者も歴としたコンサル屋?)として、いや精神病患者の担当医として、強烈なパンチを1発、2発食らわして欲しいと思っていたのだが、、、


もうひとつ、胡散臭い話だがマーケティングって、シンプルだなーとも思った出来事だった。


「いやなら、買わない」


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?