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V21 為になる本『社員の力で最高のチームをつくる』

by ケン・ブランチャード(Ken Blanchard)
  ジョン・P・カルロス(John P.Carlos)
  アラン・ランドルフ(Alan Randolph)


はじめに

◯ エンパワーメントとは?
 ・・・自律した社員が自らの力で仕事を進めていける
    環境をつくろうとする取り組み。眠っている能力を
    引き出し、最大限に活用することが目的。

複雑さとダイナミックさが増す世界で生き残るには避けては通れない課題だ。エンパワーメントの実現は、組織と自分の両方に利益をもたらす。そのためには組織を大胆に「変える」必要がある。

ただ現在のリーダーの多くは、エンパワーメントの理解不足、また道筋も知らない。上司が部下を管理するという伝統的なマネジメントモデルは効力を失っているのに。エンパワーメントはすでに一時的流行の段階を脱しているのだ。

本書は著者が15年以上の経験から学んだ、エンパワーメントの有益性、再現する難しさ、実現の為の3つの鍵を記したものである。


Ⅰ どうすれば会社はよくなるのか

◎ 新社長の悩み

役員に薦められたコンサルタントから送られてきた額と報告書
【額】
—— 過去に成功をもたらした考え方が、
   将来も成功をもたらすとは限らない ——
【報告書】
 「会社が考え方、組織構造、プロセス、
  行動の全てを刷新し、以下の4つの組織特性を
  備ないかぎりは競争に負けることは避けられない」

  1. 顧客第一、品質第一

  2. 高収益性と低コスト構造

  3. 市場の変化への迅速かつ柔軟な対応

  4. 継続的イノベーション

◎ エンパワー・マネージャーとの出会い

【マイケル・ホブス(以下、主人公)のメモ書き】
—— エンパワーメントはトップの考え方から始まる。
   トップが考え方を変えなければ始まらない。——

◎ エンパワーメントの国

【主人公のメモ書き】
エンパワーメントとは、社員にパワーを与えることではない。
社員にはもともと知識や経験や意欲というパワーがある。
エンパワーメントとは、そのパワーを解き放ち、
目標達成のためにいかんなく発揮させることである

Ⅱ エンパワーメントの3つの鍵

◎ すべての社員と情報を共有する

【エンパワーメントの第一の鍵】

【主人公のメモ書き】
全社員への正確な情報共有は、、

  • 個人と組織をエンパワーメントするための第一の鍵である

  • 社員に会社の状況をはっきり理解させる

  • 組織全体に強固な信頼感を醸成する

  • 時代遅れの階層的発想を打ち破る

  • 社員に責任感をもたらす

  • 自分がオーナーになったつもりで行動することを社員に促す

◎ 境界線によって自律した働き方を促す

【エンパワーメントの第二の鍵】
境界線を引いて、自律的な働き方を促すこと

【自律した働き方を促進する6つの境界線】

  1. 目的(Purpose)

  2. 価値観(Values)

  3. イメージ(Image)

  4. 目標(Goals)

  5. 役割(Roles)

  6. 組織の構造とシステム(Organizational Structure and Systems)

【主人公のメモ書き】
社員が企業のビジョンを共有し、そのなかで自分の役割は何かを理解し、自分がどんな違いを生み出せるかを自覚したとき、ビジョンが本当の力を発揮する。

【自律した働き方のために必要なこと】

  • 情報共有

  • 全員参加で明確化された会社のビジョン(全体図)

  • 会社のビジョンに沿った個人の役割とゴール(部分図)

  • 望ましい行動を示す価値観とルール

  • 意思決定を容易にする価値観の徹底

  • 社員をエンパワーメントする枠組みと手順

  • エンパワーメントは旅であるという自覚

◎セルフマネジメント・チームを育てる

【エンパワーメントの第三の鍵】
階層思考をセルフマネジメント・チームで置き換える

【主人公のメモ書き】
上司に頼らないで仕事ができるようになる方法を部下に教えることからエンパワーメントが始まる。

【階層組織をセルフマネジメント・チームと取り替える】

  • エンパワーメントされたチームは、エンパワーされた個人以上の仕事ができる

  • はじめからセルフマネジメント・チームとして仕事をする方法を知っている人はいない

  • 途中で不満が出てくるのは自然な反応である

  • 全員がチームスキルを学ばなくてはならない

  • エンパワーメントには、トップの決意とサポートが必要不可欠である

  • 情報とスキルをあわせもったチームは、古い階層思考に取って代わることができる


Ⅲ 3つの鍵を実践してみよう

◎3つの鍵はダイナミックに関連しあう

【主人公のメモ書き】
エンパワーメントの3つの鍵

  • 第一の鍵 全員で情報を共有する

  • 第二の鍵 自律的な働き方を促進する

  • 第三の鍵 セルフマネジメント・チームを根付かせる

◎情報共有がもたらす行動と信頼

【エリザベスのスローガン】
行動のために情報を!
情報を共有すれば奇跡が起こる!
すべての失敗は、能力を高める機会である。

◎新しい境界線で社員は成長する

新しい境界線は、すべての社員が、責任感と自律心をもって行動することを助ける。エンパワーメントには、行動の自由があり、結果に対する説明責任がある

◎チームが自ら動きはじめる

  1. なによりもお客様第一で行動すること

  2. 会社の利益を追求すること

  3. 品質を高めるための意思決定は柔軟に行うこと

  4. 社内の他部門とつねに情報を共有すること

【セルフマネジメント・チームの利点】

  • 職務満足度の増大

  • 態度の変化——「仕方なくやる」から「やりたいからやる」

  • 社員のコミットメントの強化

  • 従業員と経営者のコミュニケーションの円滑化

  • 意思決定の効率向上

  • 仕事の質の向上

  • オペレーションコストの削減

  • 会社の利益拡大


Ⅳ 成功はすぐそこにある

◎信念を貫けばエンパワーメントは実現する


◎エンパワーメントのゲームプラン

第一の鍵 正確な情報を全社員と共有する

  • 会社の現状をしらせ、ビジネスの状況について理解を促す

  • 情報の共有によって信頼関係を築く

  • 自分の仕事ぶりを自己観察できる可能性を高める

  • 失敗を学習の機会とみなす

  • 階層組織の思考を廃し、全員がオーナー発想で行動することを助ける

第二の鍵 境界線を明確にして自律的な働き方を促す

  • 全体図と部分図を明確にする

  • ゴールと役割を明確にする

  • 行動の根底にある価値観とルールを定義する

  • エンパワーメントを支えるルールと手順を定める

  • 必要な教育訓練を行う

  • 結果に対する説明責任を社員にもたせる

第三の鍵 階層組織をセルフマネジメント・チームで置き換える

  • チームの方向づけを行い、スキルアップの訓練を実施する

  • チームに変革のための支援と励ましを与える

  • メンバーの多様性をチームの財産として活用する

  • コントロールを徐々にチームに引き渡す

  • 困難に襲われることがあると覚悟しておく

要約以上

kentakunteの私見


enpowerment(権限委譲)=社員に自信を与え、力をつけてやる。
その結果、自身で意思決定することでコミットメント力が強まる。
そして、自発的行動力を促し、機動力のある組織に繋がっていく!
その為の優秀なリーダーによる実行プロセスだ!

この中にも一部、紹介されてはいるが、私流の成功する権限委譲の
要点をこれから実施しようとされているリーダーのために、ご参考
迄に紹介しておきたい

成功する為のEnpowerment(権限委譲)の要点
〜権限委譲はある日突然が多いので日頃からの準備が需要〜
・委譲枠の確認、
・権限の範囲および責任の確認
・委譲するテーマのビジョンの作成
・コミュニティにおける情報の共有(ホウレンソウ&仕組み化)
・意思決定向上のプロセス認知
 (発問、ロールプレイ、Vision設計、着地点イメージの重要性、
  再現性の為の資産化の仕組みなど)
・成果項目
・達成時の評価基準設計

以上は、組織改革の為の留意事項を兼ねるが、事前に知っておく
ことで、再現性を可能にし、次期リーダー作りにおおいに役に立つ
はずである。権限委譲の相手は概ね管理職;管理職の役割は
  1、成果責任
  2、育成責任

                                              by kentakunte


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