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不動産の買い方(住宅編)

こんにちは。
今回は、購入時に見ておくべき不動産個別の要因について書いてみたいと思います。

と、その前に、少し前回のおさらいをしておきます。

前回のおさらい

前回は、住宅の買い時について書きました。

他の金融資産の様に時流を読んだり、相場の上げ下げを見極めたりと、一生懸命、買い時・売り時の把握などに時間・労力を費やしても、然るべきタイミングで売却出来なければ、所詮、絵にかいた餅。

と言う様な事を書きました。
その上で、その様な事を理解しつつ、自分の私的なタイミングで売買が出来れば良いんじゃないかと。

しかし、タイミングはそれで良いかもしれませんが、購入する物件はそれだけでは良くありません。

当然の事ながら、購入後の維持計画と個別要因の見極めも大事です。


以前、この様な例えをされた方がいました。

「不動産市場を大きな時間の流れで見てみれば、右肩上がり。株価チャートなどと同じく、短いスパンでは上下を繰り返しながらも上がっている。不動産についても、長期目線で購入・所有すれば対策出来るのではないか?」

確かに、私もこの様な説明を聞いた事もありますし、積立投資やインデックスファンドなどもこの様な考え方ですね。

でも、不動産の場合はちょっと違う。と言うか大きく違う部分がある。

寄せた表現をするのであれば、個別株の様なもの。
しかし個別株と言えども株の中身自体は全て一緒。
でも、マンションの場合、総戸数が100戸あれば、100戸全てに個性がある。

要は、不動産は唯一無二の物件と言う事。

この「個性が将来にどう影響を及ぼしそうか?」
と言う事を把握しましょう。と言う事です。


やっと、結論にたどりつけました(笑)

今回は、この個性・個別要因とはどんな事項があり、どの様にチェックをすれば良いのかについて書いていきたいと思います。

個別要因の見方

それでは、個性・個別の要因の見方について。

見るところは、大きく分けて
・物件
・人(会社)
・社会環境
です。

それでは、一つづつ見ていきます。

個別要因:物件

まずは、物件から。
これが本論と言ったところですが、詳しく見ていきます。

不動産とは土地と建物と定義されています。
と言う事で、土地と建物に分けて見ていきます。

土地
以前、自己紹介のところでも書きましたが、私の中での前提として、


「不動産・住宅において一番大切な事は、安心・安全である事」

「どんな建物かと言う事よりもどんな所に建っているかと言う事の方がもっと大事」

と、書きました。
ここでもそれを前提としています。

チェック事項(マクロ的な見方としての立地)
・海抜、標高
・高台か? 谷底地か? 周辺を含めた地形は?
・地歴(以前建っていた建物や災害履歴)
・ハザードマップ
・駅からの距離、ルート
・道路付(特に戸建の際は重要)
・用途地域、周辺環境
・行政の政策(子育て支援等々)
・地域の人口動態
・近隣の再開発計画等

えっ、こんなに! と思われましたか?
でも、趣旨を理解して頂ければ問題ないです。

・将来、災害時に大きな被害を受けそうか?
※過去の履歴などを知っておくと良いです。

・日常生活に大きな影響や変化を及ぼしそうな心配はないか?
※陽当たり、騒音、周辺住民の層などについて

・地域の将来性に関してプラスの要素はあるか?
 マイナス要因は? 心配な要因はあるか?
※将来の不動産価格に大きく影響を与えます。

では、次に建物について見ていきます。

【建物】
・将来かかりそうな修繕コスト
 過去の修繕履歴などをチェック

マンションの場合
・建築年月日、旧耐震か否か、
※昭和57年以降か否かで受けられる税制が大きく変わります。
・施工会社と管理会社
・共用部分の管理度合いのチェック
・耐震診断や耐震補強の有無(旧耐震の場合)
※1階がピロティ、駐車場は耐震的に要注意
※東京都の場合、緊急輸送道路に指定されている沿道の場合、耐震補強などが義務付けられたりしているので要注意。

一戸建ての場合
※ミクロ的な意味での土地も含みます。
・屋根、壁、外構、境界をチェック
※雨漏り、シロアリなどの可能性
・地盤について要注意
・接道する道路について(公道か私道かと道路幅員)
・建蔽率、容積率について
・擁壁などについて

ざっくりとですが、大体こんな感じです。
詳細について、個別テーマについては別の機会に書きたいと思います。

個別要因:人(会社)

どう言うことかと言うと、主に取引形態やそこに関わる人達についてです。

まず、取引形態についてから。

・新築マンションなどを購入する場合は、売主・分譲業者と買主だけです。

他には、
・ハウスメーカーと直接請負契約。
・一戸建の建売住宅を分譲業者より直接購入する場合。
これらも、当事者二組だけです。
比較的わかりやすいかと思います。

そして、
中古のマンションや一戸建てを売買する場合。
売主、仲介業者(売主側と買主側)、買主が一般的です。
3組もしくは4組の当事者となります。

そんなに理解するのには難しくないと思います。
大事な事は、この人は? あの人は何者? と言った事を理解・把握しておくと言う事です。

自分の知らない、見えないところでどんな人達が活動しているのか? 出来る限り知っておくと言う意識を持っておくだけで良いと思います。

自分が依頼する業者に聞けば教えてくれるはずです。教えてもらえないとかお茶を濁すとか、そんなのはありえないですが、万が一そんな状況になった時は、一度、場を改めてから良く考えた方が良いかもしれません。

他にも、自分が買主の場合は売主、自分が売主の場合は買主の事を仲介業者から良く聞いておくと良いでしょう。

売買の当事者は誰か? 意思決定権者は誰か? 資金の出所は? など。

それを知る事で、交渉・相談のスピード感や合意に至りそうかかなどを想定したり把握したりしやすくなります。

なんだか合意が難しそうだなとなれば、早々に物件や交渉の相手をチェンジして切り替える事も活動の中においては大事になってきます。

言いたい事は、人を知る事でその取引の危険性や自分にとってリスクがあるかないか位の判断材料を得ることが出来る様になります。

そして、会社です。

どの様な仲介会社を選べば良いのか?

売買仲介会社を大きな括りでわけると、
1・財閥系、ディベロッパー系、電鉄系、銀行系列などの大手
2・センチュリー21などのフランチャイズ系
3・多店舗展開、多数の営業を抱える独立系準大手
4・地域密着型、地域の老舗の会社
5・地元密着の家族経営型、賃貸管理メインの会社

大きな括りと言いながら5つのカテゴリーになってしまいました。ご了承ください。また、番号を付けたのは、後々表現しやすくする為です。それ以外の意味はありません。

物件を買いたい時や売りたい時、何を基準に仲介会社を選ばれるでしょうか? どこにしようか? どんな会社が良いか迷われた事はないでしょうか?

迷ったことはないと言う方。
とりあえず大手や名前を知っているところへ行けば問題ないのでは。
こんな感じでしょうか。

それはそれで問題ない事もあるのですが、探す物件によっては、それだけでは物足りない事があります。
それぞれの特性をある程度知っておくだけでも少し、他者よりもアドバンテージになるのではないでしょうか。

1:安心感があります。営業も標準以上のスキルがあると思います。若い担当が付く事もありますが、物足りない部分は会社内でのバックアップがあるので大きな問題はないと思います。相性等が問題ある場合は、担当者や店舗を変えると言った試みをして、それでだめなら会社を変えるか、大手とは相性が悪いのかもしれません。

特徴としては、売却物件の元付である事が多く、あまり他社物件の客付けは少ない傾向です。売却する際は問題がなくとも、購入物件を探す際には、1社だけだと物足りなさを感じる場合もあるかもしれません。

2:1の大手とほぼ同水準のスキルがあると思います。ただ、フランチャイズの名前は聞いた事があっても個別の会社は知らないと言う事が多いと思います。ただし、それは地域密着型で営業をしている会社が多いためです。
地域に詳しく標準以上のスキルを期待出来ると言えそうです。

1の大手と違うのは、買主側の営業に強い会社が多いかもしれません。
一概には言えませんが、売却相談よりも購入相談に向いている会社が多いと思われます。

3:傍目には、2と3はあまり区別が付きにくいかもしれません。フランチャイズの看板があるかないか。営業の特徴や傾向は似ていると思われます。ただ、2よりも規模の大きい会社も多く含まれている事もあります。
株主=社長のオーナー系企業が多いと思います。家族経営の発展版と言ったところでしょうか。

4:地元の主の如く看板を掲げている場合も見受けられます。地元の名士だったり資産家・地主さんがやっていたりする会社。賃貸・賃貸管理・売買を網羅して経営している会社も多いと思います。

エリア・地域を限定して物件を探している場合にはおすすめの形態の会社です。直接知っている地主さんの数では群を抜いている事も多いかもしれません。未公開物件を探すのであれば、3・4・5のカテゴリーの会社を回るのも良いと思います。

5:家族経営の形態の会社。もしくは、駅前や商店街で少人数で営業していたり、地元の特定のお客さんを対象に営業している会社など。

やはり、地元に密着しているので地主さんはじめ、何かしら特定のカテゴリーに精通している可能性が高いです。


ほんとにざっくりと書いたつもりですが、まだまだあります。
ただ、これ以上文字だけで説明していると、書いている方も読んでいる方も疲れてしまいそうなので、別の機会に単独カテゴリーで書いてみたいと思います。

個別要因:社会環境

社会と環境。大きなカテゴリーが二つくっついている、、、

でも、相場や将来の価格変動の見通し云々と言った話ではございません。
買い時のところでも書いたように、購入のタイミングを見極めると言った話でもありません。

事例を出した方がわかりやすいので、いくつか、下記をご参照ください。

・リーマンショック
 直後に大きく株価も下がったが、物件の動きも止まった。こんな時は大幅指値交渉も通ったりする。

・東日本大震災
 新耐震、旧耐震と言う意識が物件選びに芽生えた。築古物件が売りにくくなった。

・コロナ禍
 リモートワークなどの影響で、郊外脱出や地方移住なども増え、郊外の土地価格に影響を与えた。

・スルガ銀行、かぼちゃの馬車問題
 これがきっかけとなり、投資用物件に対する金融機関の融資評価が変わった。融資規制があった。

具体例をいっぱい書いてしまいましたが、いずれも大きなインパクトがあるものの、半年~1年後に位には通常相場や取引数に戻っています。

このピンポイントなタイミング売買を行う際には注意が必要です。
チャンスでもありますが、投資でなければ冷静に客観視する態度が必要です。それでも納得して自分がゴーサインを出せるかどうか、、、

事例は大きな出来事ばかりを上げましたが、もっと小さい出来事でも影響を与えるものがあります。

住宅ローン金利の上げ下げや近隣の再開発で相場に変動があったなど。

要は、自分が購入するタイミングや条件は平常かどうか?

史上最低金利で住宅ローンを組めた。
→固定期間が終了した後の変動金利での支払いは大丈夫かなど。

相場が盛り上がったタイミングで購入した。
→同様の物件を購入した人よりも高く悪い条件で購入してしまったのでは?と気になります。

これは、物件・人(会社)・社会環境の3つのカテゴリーの中では一番難しい部分ではあると思いますが、後悔しない様にと言う意識で心がけておくという位でご理解ください。

まとめ

ざっくりと大きな括りで分かりやすく、実際に使える様にと、心がけて書いたつもりですが、、、(笑)

中々文字だけで伝えるのって難しいですね。
このnoteで少し精進したいと思います。

全部理解して参考になれば嬉しいのですが、少なくとも一つでも使えそうな項目があれば幸いです。

また、次回以降、参考になりそうなテーマをピックアップして書きたいと思います。

ここまでお読み頂きありがとうございました。












 




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