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読書という創造的活動について

生活において求められる価値とは、「生きる為に必要なこと」であると言えると思います。
ここで言う生きるということは、自らを活かすという広い意味によるものです。

僕における必要なことは、読むこと。具体的に言えば読書ということになる気がします。

知り得ること以上のことを読書を通じて作り上げること。著者の考察を情報として咀嚼して消化していくことで、新しい知識を定着させることができるのではないでしょうか。

以下の例を挙げたいと思います。

河野慎太郎さんの著書『はたらく物語』という社会学的な労働考察を自らにインプットしたことで、僕は新たな視点を持ってものごとを見直すことになりました。

本の内容は、現代社会の労働観が示す価値体系について述べられた本です。

新自由主義とポストフォーディズム、ポストフェミニズムの価値観は、現代において生きることの全てを経済に包摂し尽くすことを、フィクション作品から読み取り喝破されています。
多様なエンタメおよびフィクション作品に囲まれて過ごすことに能動的な僕には、大変に読みやすく感じます。

作品として挙げられている『3月のライオン』からは、新自由主義的労働の主体性の問題を見出しております。
『プラダを着た悪魔』と『マイ・インターン』では、更新されるフェミニズムの価値観と、人的資本によるエンパワメント、そしてレジリエンスな超克という構造的課題を、切れ味ある指摘で挙げられています。

いずれも既知のレイヤーに隠れて見えない意味体系が見える化され、脳内に散らばった要素が相互に紐づく喜びを堪能させてくれました。
具体的には、労働観の体系が客観的に把握でき、自らの労働の位置付けをより確信して定めることができたのです。

既知の体系に新しい視点を組み込むことで、別の思考体系を創り上げる活動。
ひいては新たな指針を選択し、実行するための構想を練るクリエイティブな活動を「読書」と定義づけることができそうです。

ただ、定義を省みると、読むという行動は書籍と文字に限らないことで、様々なものごとに応用できる技能でもありそうです。社会現象から世相を読むこと、風景から歴史背景を読み取ることなど、全方面に活用できそうな気がします。

そんな読書を生活の中でに実践することは、僕を活かすことに直結していると思います。個人的な感覚ではありますが。

生活の中に少しでも多く時間をとれるように、読書環境を制作することから実践していきたいと思っています。

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