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【ローマ神話】に登場する農業・収穫・そして時の神、サトゥルヌス。土星の名前の由来になった理由。

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1.ローマ神話におけるサトゥルヌス

① サトゥルヌスの神話的背景

神格
サトゥルヌス(Saturnus)は、ローマ神話における農業、収穫、そして時の神であり、「黄金時代」を治めた神として知られています。

②神話のエピソード

黄金時代
サトゥルヌスの治世は、争いごとがなく、地球上で平和と繁栄がもたらされたとされる時代です。
この期間は、農業が栄え、生活が豊かであったと描かれています。

家族関係

サトゥルヌスは、クロノス(ギリシャ神話)の対応神であり、彼は天の神ウラノスを打倒し、自らも息子ジュピターに敗れる運命にあります。サトゥルヌスは、子供たちを呑み込むエピソードがあり、この物語はクロノスの神話と共通しています。
• 神話の影響:サトゥルヌスの神話は、後のローマ神話や儀式に大きな影響を与えました。特に、サトゥルヌスの「黄金時代」の概念は、ローマ社会の理想化された時代観を形成しました。

③ギリシャ神話との関連

クロノスとの対応
サトゥルヌスはギリシャ神話のクロノス(Chronos)と対応しています。
クロノスは、時間の神であり、天の神ウラノスを打倒し、自らも息子ゼウスに敗れる運命にあります。
クロノスが子供たちを呑み込むエピソードは、サトゥルヌスの神話と共通し、時代を超えた影響を持っています。

2.土星の名前の由来と歴史的背景

① 古代の観測と名称の付与

古代ローマの影響
古代ローマ人は、土星の名前をサトゥルヌスにちなんで名付けました。

・サトゥルヌス=Saturnus
・Saturn=土星

土星の淡い光やリングの特徴が、サトゥルヌスの象徴である「豊穣」や「時」を反映していると考えられました。

文献と記録
古代ローマの詩人ウィルギリウス(Virgil)や歴史家オウィディウス(Ovidius)は、サトゥルヌスに関連する神話や祭りについて記述しており、土星の名前の由来が文学や歴史に深く根付いています。

② 中世と近代の使用

中世の天文学
中世の天文学者たち、例えばアルビノ(Albinus)は、古代ローマの伝統を引き継ぎ、土星を「Saturn」と呼び続けました。
中世の文献にもサトゥルヌスの名前が使用されており、その影響は科学的な記録にも残されています。

近代天文学
ガリレオ・ガリレイ(Galileo Galilei)は、1600年代に土星のリングを観測しました。
この発見は土星の名称とその特徴に対する理解を深める契機となり、土星の名称が科学的にも確認されることとなりました。
また、カッシーニ探査機のデータも土星の科学的理解を進める上で重要です。

3.文化的な影響と現代への影響

① ローマの祭り

サトゥルナリア祭
ローマでは「サトゥルナリア祭(Saturnalia)」が冬至に開催され、サトゥルヌスを祝う祭りでした。
この祭りでは、贈り物の交換や仮装、宴会が行われ、後のクリスマスの習慣に影響を与えたとも言われています。

② 現代文化への影響

文学とポップカルチャー
文学・ジョン・ミルトン(John Milton)の詩『失楽園(Paradise Lost)』では、サトゥルヌスやその神話的な背景が引用されており、古代の神話が文学作品に組み込まれています。

映画やメディア
映画「2001年宇宙の旅」では、土星のリングが視覚的に印象的な要素として描かれています。また、現代のサイエンスフィクションやファンタジー作品でも、土星やその神話的な背景が重要な要素となっており、ポップカルチャーへの影響が見られます。

4.最後に

土星が「Saturn」と呼ばれる由来は、ローマ神話の農業と収穫の神サトゥルヌス(Saturnus)にあります。
サトゥルヌスの神話的背景やその歴史的な変遷、また現代文化における影響を通じて、土星の名称の由来とその重要性を理解する事ができます。

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