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同人誌『ワクワク☆依存ライフ』刊行のお知らせ

こんにちは。サークル「インタース亭ラー」です。
私たちは5月21日に開催される文学フリマ東京36にて、新刊『ワクワク☆依存ライフ』を頒布予定です。
本誌は執筆者各自がインタビュー、評論、短歌、小説の形式で「快楽と依存」について書いた文集です。

『ワクワク☆依存ライフ』表紙
イラスト:モッ(@moyapaint)

A5判 84ページ
価格  500円
頒布方法 文学フリマ東京 5/21
ブース  第一展示場 き‐50
※ぐるぐる目の女の子と、サイケな赤色の表紙が目印です!

以下、掲載記事についてご紹介します。



巻頭インタビュー

精神科医に聞く「依存」

筆:ねらるみ(@niwaKingdom)

 現役精神科医に聞く。依存症の実態とは?
快楽、欲求の話題から、現場での依存症、その治療についての知見のほか、依存症がはらむ社会的な問題に至るまで専門的な視座からのお話を伺いました。


――ちなみに、うつと依存症って同時に起こって、「ギャンブル依存でうつ病」みたいな人とか結構いるのかなって思うんですけど。やっぱりそこは 何か近いものはあるんですかね。

どうだろう。そもそもギャンブル依存もその結果として、生活の窮地に陥ってしまったり、アルコール依存だと、アルコール自体が気分に影響するので。あとはうつ病の人だってやっぱりストレスたまると酒量が増えたりっていうのがあるので、そういう意味ではどちらも相互作用があるのかなっていうイメージはあります。

本文より

評論

ケシの実の夢/トレインスポッティング

筆:葉入くらむ(@Kuram_Haily)

 ヘロインの解説と映画『トレインスポッティング』の批評を並列に論じることで、『トレインスポッティング』への新たな視点をひらく評論文です。映画好きは必見です。

ヘロインを投与して仰向けに寝ころぶと、周囲のカーペットがずるずると集まってくる。彼の体がカーペットごと床に沈み込んでいるのだ。トイレに入り水中を潜るシーンもそうだったが、ヘロインの快楽をなにかに包み込まれて落下する没入のイメージで表現している。これはヘロインがダウナー系の薬物なのと無関係ではないだろう。床のさらに下にカーペットとともに落ち行くシークエンスは微睡みのなかの快楽を表現すると同時に、彼がドラッグの沼底へ落ちていくことを克明に描く。

本文より


『#まーごめ180キロ』劇場公開記念》大鶴肥満を照らし導く、光

筆:ラタ側(@udonnigomaabura)

 『劇場版まーごめドキュメンタリー まーごめ180キロ』への著者の愛とともに映像的な分析を加えた評論文です。お笑い好きにぶっささる作品です。

小学生時代のきゅうり、高校生時代に受けたいじめ、家族関係、そして失恋など、過去から現在まで続く多くの重苦しいエピソードを語る大鶴肥満ですが、彼はそれらの持つ暗い雰囲気に呑まれることなく、時に笑顔を交えながらカメラの前に立ち続けました。それができるのは彼に強烈なスポットライトが当たっているからであり、その「光」こそが檜原なのだと感じます。

本文より

短歌連作

銀色だった

筆:岩田怜武(@sato39mu)

 短歌の10首連作。意欲作です。お楽しみください。

書架に手はハチドリのようかたどればかたどるほどに身体は沈む

本文より

小説

依らば大樹の陰

筆:モッ(@moyapaint)

 「大樹」をめぐる短編集。「大樹」とは一体何なのか。

樹に吊り下がる人がいた。人を吊り下げる樹がいた。枝からまるで果実のように人体が垂れ下がる。奇妙な果実と呼ばれる光景。その木は決して実を生さず。根と枝から養分を吸い、ただ大きく育つ大樹だった。果実に喩えられた人体は葉の代わりで、栄養が人に恵まれることはない。人から養分を吸うその木は最悪で、生臭い木だった。

本文より

海水と空気症

筆:鳥原継接(@t_tsugihagi)

 男、アダンは女、ネチルを村へと案内させる。理性の深部をつく大作。

男は、裸の腰にベルトを巻いていた。その鞘に刺さったままのナイフをこれ見よがしに指先で叩いた。
「じゃあ、乱暴するの」
「そうとも、したっていい。食ってもいいんだ。オレはずっと、そうしてきているんだぜ」

本文より

 

以上、記事の紹介でした。
どれかひとつでも気になったら、お手に取っていただけると幸いです。

文責:岩田怜武


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