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現代詩の入り口

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2024年1月の記事一覧

「現代詩の入り口」23 ー 覚悟のできた詩を読みたいなら、長嶋南子を読んでみよう

長嶋南子さんの詩です。先日の講演の時のために用意した原稿で、でも講演では時間の都合で話せなかった詩について書いてあります。読んでいただければわかると思います。どれもとても素晴らしい。「技術」と「覚悟」の、ともに備わった詩です。

✳︎

「愛情」 長嶋南子(詩集『失語』より)


寝ようと思った
隣の男がこちらを向いて
気持ちよさそうにいびきをかいている
口をあけて寝ているので
臭ってくるのだっ

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