第26話「このよで いちばん すきなのは おりょうりすること たべること」

7月に入り本格的な夏の暑さを感じる季節となってきましたが、
皆様はいかがお過ごしですか?

第2回目となる今回の取材は、
芸工大から徒歩10分の住宅街に佇む
自家製店コーボパンと焼き菓子のお店「ぐらぱん」さんにお邪魔してきました。

 
住宅街の角を曲がると見えてくる行列と
パンの芳醇な香り…


その香りに誘われてさらに奥へと進むと、
白いペンキで塗られたかわいらしいお店が見えてきました。




そして店内へ入ると、
「ぐらぱん」の店主・佐藤さんが笑顔で出迎えてくださいました。



焼きたてのパンにエプロンに三角巾。


まるで絵本の中の世界に飛び込んだような空間で
すてきなお話を伺ってきたので、ぜひ最後までお楽しみください。

まずは「ぐらぱん」の名前の由来ですよね。
店内へ入って真っ先に目についたのが
「ぐりとぐら」の絵本。


【もしかして…?】
と思いながら、店名について伺うと、


佐藤さん:「絵本の【ぐりとぐら】からとって…」


入ったときの絵本の世界に飛び込んだような感覚は間違いではありませんでした。
パン屋としてオープンする前に使っていたWEB上のハンドルネームが【ぐらさん】だったそう。

【ぐらさんの作ったパン】で「ぐらぱん」

なんだか佐藤さんも絵本の中のひとりのよう。

自家製の天然酵母のパンはすべて佐藤さんおひとりで作られているものです。
パンの販売は火曜と金曜の2日間のみですが、
営業日以外は仕込み作業が行われています。
ここで佐藤さんの一日のスケジュールをお伺いしました。

〈仕込みの日〉
●9:00~10:00   下準備
●10:00~16:00 生地づくり
●16:00~18:00 焼き菓子づくり
●夜      焼き菓子包装作業

〈営業日〉
●1:40         起床
●2:00~       ひたすらパンを焼く
●12:00~      営業開始

なんともストイックなスケジュールですよね。
でもこれだけの時間がパンのおいしさにつながると思うと納得です。

佐藤さんは天然酵母とあんこの仕込みも行います。
3日間かけて作る天然酵母にはレーズンを使用しています。
こだわりは小麦粉にも。
北海道産「はるゆたか」「北の香り」はソフト系の丸パンに、
山形県産「ゆきちから」は厚焼きマフィンに使用しています。


小麦粉の種類によって吸水力が異なるため、
使う小麦粉によってパンの食感はさまざま。
佐藤さんは24種類ものパンをおひとりで作られています。

季節の食材をつかったパンや焼き菓子もおすすめの一つ。
国産レモンを使用したさわやかなレモンケーキはまもなく終了するので
お早めにご賞味ください。



丸パンとあんバターパンはぐらぱんの大人気商品です。




ところで、ずっと気になっていた店先にある無人販売の野菜たち。



実は私も何度か利用したことがありました。
竹の中にお金を入れて購入するシステムで学生・主婦の方々が多く利用しています。
佐藤さんにこちらについてもお伺いすると、
ご家族が栽培されている野菜なんだとか。
破格でおいしい野菜は学生の強い味方です(笑)
近くを通った際にはぜひご利用ください。


私事ですが、今回の取材がおそらく最後となります。



いつかパン屋さんを開きたいと思うほど、
パンと芳醇な香りで包まれたあの空間が大好きなんですよね。

そんな私が「ぐらぱん」さんを取材できたこと、
佐藤さんと素敵な時間を過ごさせていただいたこ
と、心から光栄に思います。

【パン屋と建築】

別々の道を歩む佐藤さんと私たちですが、
好きなことを仕事にしたい
自分の作ったもので人々を幸せにしたい
仕事の根底にあるものは同じ気がしています。




昔からお菓子・パン作りが好きだった佐藤さんは
今後はパン作りのワークショップなどのパン作りの楽しさを広める活動にも力を入れたいとおっしゃっていました。
これからの佐藤さんのご活躍をますます楽しみにしています。



ぼくらの なまえは ぐりとぐら
このよで いちばん すきなのは
おりょうりすること たべること
ぐり ぐら ぐり ぐら

(なかがわえりこ「ぐりとぐら」より)

(文章)佐藤りな
(写真)ぐらぱん 佐藤さん、斎藤花音

店名 ぐらぱん
営業時間 毎週火・金 12:00~17:00
住所 山形市小立4丁目16-59-2
HP 自家製天然コーボパンと焼き菓子 
   ぐらぱん (exblog.jp)
インスタ https://www.instagram.com/gurapan?igsh=c3VuZ2x4cDB4ZTJq

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