＃1 仕事 中堅になって

40歳になる今年、転機を迎えた。

新卒で入社した私はいつのまにやら中堅ポジション。
しかし一般職。あくまでも総合職の補佐として、異動もなく、長らく粛々と仕事こなす毎日。
そんな中。数年前に、転勤のない地域限定の総合職が出来た。昨今流行りの女性活躍をアピールするためである。（と私個人は思っている。）
我社は未だ男性社会であるし、私もあんまり興味は無かったが、周囲の後押しや給与が上がる等々思うところあり、結局試験を受け地域限定総合に転換となった。

総合職になった途端。もちろん総合職の仕事をすることになる。相変わらず異動は無かったが、これまでの上司の立場に自分がなり、仕事内容が格段にレベルアップした。
しかし。しかしだ。
我々世代ならもしかしたらギリギリ同じような立場の人もいるかもしれないが、男性中心の会社での一般職は、自分から行かないとあんまり教育してもらえない。もちろん管理職になれないので管理職候補としての教育をされないのは当たり前だが。しかもたまたま十数年間異動も無かったので、担当していなかった範囲のことは新人よりも知識も経験もない。
その辺りの知識経験不足を補うものは何もなく、急に周りの男性の総合職と同じレベルを求められるのだ。これが結構キツい。
それでも分からないなりに奮闘した。周りにも助けてもらった。同じ立場の人と励ましあった。一生懸命働いた。

ちなみに。
40歳の転機とは、これではない。

名実ともに総合職になれるよう頑張っていたある日、「ほんとに女性活躍推進する気あるの？」と思う出来事に遭遇する。詳しく書く気はないが、やる気も何もあったもんではない。一応色々と訴えてみたものの、暖簾に腕押し状態。そりゃそうだ。所詮外に女性活躍をアピールしたいがためなんだから。（と私個人は思っている。）

『仕事はちゃんとやるが、もはや管理職なんて目指す気持ちはない。』

私の40歳の転機はこの想いが、偉い人に伝わってしまったことから始まる。

前置きが長くて申し訳ないが、やっと「転機」。
40歳になる年に、初めての異動。
それも今までのキャリアが全く活かされない、専門知識が物を言う、全く未経験の、ちょっと一般的な部署ではないところ。
念の為に言っておくが（たぶん）干されたわけではない。頑張って管理職を目指せ！この部署は総合職しか来れないんだ！と言うことらしい。（ほんとかな？）

異動はしたかった。希望もしていた。何故なら異動する機会がなかったから、他の一般的な部署に回してもらい社内の知識経験を得たかったからだ。
その後にココなら仕方ないが、飛び越えて特殊な部署に来てしまった。それは想定外である。

会社の思惑と私の想いの溝は埋まらない。
きっとそれは、退職するまでだ。
会社なんてそんなもんか。

兎にも角にも、現在全然知らない仕事に取り組んでいる。中堅なので責任もそれなりに重い。ちなみに異動先の社内の空気も重い。体重も重くなる一方。

どうせなら若いうちに色々な仕事を経験したかった。
もはや転職しなかったことを悔やんでいる。

40代。
このままキャリアを積むべきか。
全部捨てて新天地を求めるか。
たまに悩んではいるが、重い腰があがらない。
それもまた40代になった私。