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まじょのなみだ(20)

しばらくすると、じっと寝ていた母が痛みで頻繁に寝返りしたり、
「痛い~、痛い~」
と力ない声で唸るように。

私の前ではあんなに頑なに、
弱音を吐かずコーヒーも飲んだふりしてくれていた母が言うのだからどんなに痛いことか。

どうしてあげるといいのか分からないが、追加の鎮痛剤を点滴してもらい、
とにかく体をさすり続けた。

骨と皮だけのゴツゴツの体だけど温かかった。

「身の置き場がないねん」
と言って起き上がったり、常に動いている。

まるで魂が体から抜け出そうとしている作業のように思えた。

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