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【カルチャー】別れの意味。レイモンド・チャンドラー「長い別れ」を読んで。

友人とこの本の話になり、懐かしくなって再々読。

学生のときに清水訳、村上訳のどちらも読んだから、新訳のこちらにトライ。評判通りの素晴らしい翻訳だった。

著者であるチャンドラーの中に、主人公であるマーロウと、この物語のキーマンであるレノックスという2つの人格があり、その2つの人格を別れさせるために、チャンドラーはこの物語を書いたのではないか?

というのは村上春樹氏の解釈であり、例の友人も「確かにレノックスときちんとお別れをするための物語だと思った」とのこと。

その解釈を念頭に置いて読んでみると、チャンドラーはマーロウの人格を脱皮させるために、要はマーロウの精神力みたいなものをより強固なものにするために、2つの人格にお別れをさせたのではなかろうか。

それかチャンドラー自身、きちんとお別れを言えなかった大事な人(友達や恋人?)というのがいて、こ物語はその人に向けた鎮魂歌なのか。

謎は深まる。

「ギムレットには早すぎるよね」

有名すぎる一言。

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