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HKT48博多歌笑劇 第三話

HKT48博多歌笑劇

第三話

★配役

☆田中家
姉:田中美久
妹:田中伊桜莉

☆テナントビル・アネックス田中
2階・ダンスボーカル教室「ナンシーと音」
オーナー講師:下野由貴
ダンス講師:本村碧唯
今回の生徒
●中学生(ブレザー制服)
荒巻美咲 坂本愛玲菜 外薗葉月(男装) 馬場彩華 
●小学生(子供服)
今村麻莉愛(キュロットスカート) 松岡はな(ミリタリーパンツ) 後藤陽菜乃(ワンピース) 川平聖(オーバーオール)※服はあくまで一例
●幼稚園(園児服)
堺萌香 石橋颯 竹本くるみ 

1階・鉄板お好み焼き屋「食べ鉄亭」
店主:松本日向
常連客:市村愛理

☆松岡商事
ヤンキー女社長:松岡菜摘
(小学5年生の娘:松岡はな)
チンピラ社員:秋吉優花(男装)

アニキ:矢吹奈子(男装)

ノンフィクションライター:豊永阿紀

お巡りさん(兼ナレーション):坂口理子

★影ナレ
M00 Overture

★ステージ暗転
★オープニングナレーション:坂口理子
★ナレ【福岡市内に建つテナントビル、アネックス田中。母親の借金を背負うハメになった田中姉妹だったが、思いがけない稼ぎ話もあってなんとか返済に向かっていた】
★ステージに並んで立つ美久と伊桜莉にピンスポットが当たる
伊桜莉「前回、姉がネットドラマに出演する事になって、ようやく借金の返済の目処が立ちました。姉はまさに体を張って頑張ってくれたんです。が、出演シーンが減ってしまって、借金を全部返せるかギリギリになってしまいました。…え?なぜかって?それは、セリフの漢字が読めなかったからです」
美久「難しいんだよな!」
伊桜莉「そんなことだからテレビのテロップでいじられるのよ」
美久「いいじゃん。なんだかんだ、無事に撮影終わったんだしさ!」
伊桜莉「そうだけど。出演シーンがカットされなかったら、ヒヤヒヤせずに済んだのに」
美久「いいじゃん。なんとか借金返せそうなんだしさ!」
伊桜莉「そうだけど。本当だったら残ったお金で貯金だって出来たのよ」
美久「いいじゃん。このビルさえあれば生きていけるんだからさ!」
伊桜莉「そうだけど。ビルのみんなのおかげで今があるんだから、感謝しないとね」
美久「わかっとうって。みんなありがとー!」
★両手を振る美久
伊桜莉「皆さん、こんな姉ですが、これからもよろしくお願いします」
★深々とお辞儀する伊桜莉
美久「で、今回はどんな話なん?」
伊桜莉「ん〜、なんだかおチビちゃんたちがいっぱい集まってたけど」
美久「ハハ〜ン、わかった、ワチャワチャした話で締めくくる気だね!」

★暗転
★ナレ【そうです、美久ちゃん正解です。前回みたいなナレーションを期待していた方、ごめんなさい。それでは第三話、まずはこの曲から行ってみよー!】
★M01「だんご3兄弟」速水けんたろう・茂森あゆみが流れ始める
★スクリーンにオープニングタイトル
 「第三話 おねえさんといっしょ」

★ステージ明転 

M01「だんご3兄弟」速水けんたろう・茂森あゆみ
速水けんたろう 茂森あゆみ - だんご3兄弟 (1999) Acc. coba

★Wボーカル:外薗葉月、坂本愛玲菜(歌のおにいさん・おねえさん)

荒巻  馬場  はな (長男)
川平  後藤  今村 (次男)
石橋  堺   竹本 (三男)
  外園  坂本 

★曲中のフォーメーション移動なし、ボーカルは決まった振り付けなしでその場で感じるままに、ボーカル以外は同じ振り付け

M02 「パプリカ」Foorin  
【パプリカ】あしたにたねをまこう!ミュージックビデオ | Foorin・Foorin楽団・Foorin team E×米津玄師 | NHK

★前列がボーカル

  荒巻  馬場  川平  後藤  坂本
外園  石橋  堺   竹本  はな  今村

曲中のフォーメーション移動なし、全員同じ振り付け(次曲も同じ)

M03 「ようかい体操第一」Dream5  
Dream5 / ようかい体操第一<体操ビデオ>

★前列がボーカル

外園  石橋  堺   竹本  はな  今村
  荒巻  馬場  川平  後藤  坂本

(M02、M03は省略しても可)

★下手より下野由貴が拍手しながら登場
下野「よく出来ました〜。みんな練習の成果が出とうよ〜。はなちゃんも頑張ってるね〜」
はな「は〜い、頑張りましたぁ」
下野「今度の市民まつりのステージが楽しみね。それじゃあ、今から幼稚園のみんなは先に休憩に入りますよ〜。下で一緒にジュース飲みましょうね〜」
園児たち&本村「は〜い!」
下野「碧唯ちゃん、あなたは違うでしょっ。なんで手上げてるの」
本村「だってアタシ、永遠の5才だよ」
下野「そんなチコちゃんみたいな事言わないの」
本村「はぁい」
★ガッカリと返事をする本村
下野「小中学生はもう30分ぐらいダンスレッスン続けてから下に来てね〜」
小中学生&本村「は〜い!」
下野「碧唯ちゃん、あなたはさらに30分居残りで録画したみんなの動きの確認ね〜」
本村「えーっ!そんなぁ、休憩なくなっちゃうよ〜」
下野「うっそ。みんなと一緒に来てね」
本村「はーい!」
★元気に答える本村。下野が客席を向く
下野「では皆さん、この後は、1階の鉄板お好み焼き屋『食べ鉄亭』のシーンよ!それじゃあセットチェンジ、行ってみよー!」
★暗転、全員集合のオープニングのBGMが流れる
19810919

★セットチェンジ後、明転。下手側に3つのテーブルと丸イス、上手側にカウンターと高めの丸イスがあり、カウンターの中で店主の作務衣姿さむえすがたの松本がボウルを抱えて混ぜる仕草をしながら立ち、猫耳の市村が長辺の左の丸イスに腰掛けて見守っている。
市村「今日は日曜日だから、はなちゃんが上に来てるんだよね」
松本「あ〜、そやな」
市村「社長の娘だからってみんな心配してたけど、いつもニコニコしてて良い子なんだって?」
松本「そうみたいやな。やっぱ、ウチの人を見る目が正しかったわ。入れたげて正解やったな」
市村「あれぇ?なんかあったら人質にすればいいなんて、ひどい事言ってなかったっけぇ?」
★ツッコまれた松本が、ウッと詰まった後、カウンターから一歩出て入口の方を向き外を見る
松本「…ああ、今日もええ天気で、ホンマ行楽日和こうらくびよりやわ〜」
市村「ここから空は見えないでしょ!誤魔化ごまかすの下手か!」
松本「あ、誰か走って来てるで」
市村「またそんな事言って〜」
★そこへジャケットに黒Tの豊永がアタッシュケースを手に駆け込んで来る
豊永「ちょっといいかなっ!」
市村「ワッ、ホントに来た!」
松本「どないしたん、そんなに慌てて」
★豊永が息を整えつつ答える
豊永「いや、これから飛行機で東京に行く途中やったんやけど、急に、今から来るなら取材を受けるって連絡が来たけん、行く事にしたんやけどさ、これさ〜、邪魔やけん預かって欲しいんよね」
★豊永がアタッシュケースをカウンターの上に置く。ハンドルにマスコットがぶら下がっているが、それ以外はなんの飾りもない
松本「まあ、ええけど」
豊永「助かる〜。飛行機は夕方の便に変えたけん、それまでには取りに来るけんね」
松本「わかったわ。で、中身はなんなん?」
豊永「ん、まあ、いいやん、大したもんじゃないよ」
松本「怪しいなぁ〜。まさか、やばいクスリとかやないやろな?」
豊永「違う違う、そんな物騒ぶっそうなもんじゃないって。とにかく絶対ここに取りに来るけん、無くさんどってよ。勝手に開けたりせんでよ」
松本「わかった、わかった。ちゃんと預かっとくわ」
豊永「ありがとう。じゃ、頼んだよ」
★豊永が駆け足で出て行く。見送った松本が、アタッシュケースを手にニヤける
松本「あんなん言われたら開けたくなるのが、人間っちゅうもんやで」
★松本がアタッシュケースの左右の留め金に手を掛ける
松本「あれ、開けへんやんか」
市村「鍵が掛かってるんじゃない?」
松本「なんや、そしたら開けへんやないか〜。なんで鍵なんか掛けるんやホンマ」
市村「そりゃ掛けるでしょ。日向みたいな信用できない人がいるんだから」
松本「なんでやねん。ウチそこまで信用ないんか」
市村「ないんじゃない?だって実際、開けようとしてたじゃん」
松本「ウッ。…ま、まあええわ。中身は気にせんどこ」
★乾いた笑いでごまかした松本がアタッシュケースを持ち上げる
松本「にしても、ホンマ邪魔やな。どこ置いとく?」
★松本がアタッシュケースを持ってカウンターの下や周りを見て回り、テーブル席へと回る
松本「とりあえず奥に置いとこか」
★松本が下手の奥へ消え、手ぶらで戻って来る。そこへ下野と園児の生徒たちが入って来る
下野「こんにちは〜」
松本「いらっしゃ〜い」
下野「みんな中に入って〜」
園児たち「は〜い」
★園児3人が入って来る。石橋が入ってくるなり市村を指差す
石橋「あ〜、猫のフレンドさんが居るよ〜」
竹本「ホントだ、猫のフレンドさんだ」
★石橋が市村に駆け寄る
石橋「ねえ、一緒に歌おうよ!けものフレンズ!」
市村「え、歌うの?」
石橋「うん!みんなも一緒に歌おう!」
堺&竹本「いいよ〜」
★3人が市村を囲む
市村「えっと、あの曲って、ようこそジャパリパーク、だっけ?」
石橋「うん!」
★スマホを手に取る市村を3人が引っ張ってセンターへ行く

M04 「ようこそジャパリパークへ」どうぶつビスケッツ×PPP
Kemono Friends OP Live - Youkoso Japari Park [けものフレンズ - ようこそジャパリパークへ]

竹本  石橋  市村  堺

 振り付けはその場のノリで

★歌い終わった3人が、カウンターにもたれていた下野へ駆け寄る。市村もカウンターへ戻る
下野「みんな喉乾いたでしょ。何飲む?」
石橋「私オレンジジュース!」
竹本「私、炭酸水!」
市村「あら、お洒落なのを選ぶのね」
堺「私は、ノンファットミルクコーヒーフラペチーノをショートで!」
市村「ちょっとちょっと、ここはお好み焼き屋だよ、さすがにそれはないよ、ねえ」
松本「あるよっ」
★ドラマ「HERO」のテーマ曲がちょこっと流れる
Hero -Main Title-
市村「あるんかい!」
★松本から受け取った3人が下野と一緒に右テーブルに行き、市村はカウンター長辺の左に腰掛ける。右テーブルの右手前に石橋、奥に下野、左手前に竹本、奥に堺。駆けていった石橋が座るなり両手でコップを持ってぐいっと飲む仕草をする
石橋「ぷは〜、おいしい〜」
下野「慌てなくていいから、ゆっくり飲むのよ」
石橋「は〜い」
★遅れて座った堺と竹本がまず前髪を直す
堺「汗かくと前髪が気になるっちゃんね〜」
竹本「私も〜」
★コンパクトミラーを取り出す堺と竹本
堺「ねぇ、幼稚園にコスメ持ち込めんのって、どう思う?」
竹本「今どき無いよね」
堺「だよね〜。みんな持ってるちゃけんさ」
竹本「うんうん」
堺「ねぇ、アイブロウはどこの使ってる?」
竹本「WOODBURYウッドベリーとかCLIOクリオとかかな」
堺「いいな〜、韓国コスメやん。私なんかプチプラばっかりだよ〜」
竹本「プチプラも人気あるじゃん。全然気にすることないよ」
★ミラーで顔を見ながら話す二人。カウンターで見ていた市村が、はぁ、と息を吐く
市村「園児にしては大人びた会話してるね」
松本「そやな。恐ろしい時代になったもんやで」
★石橋が立ち上がり、コップを片手に持った仕草のままカウンターへやって来る
石橋「おいしかったー。ありがとー!」
★コップをカウンターの上に置く仕草をする石橋
松本「こっちこそありがとうやで」
石橋「ウン!」
★大きく体ごとウンと頷く石橋
市村「うんうん、やっぱ園児はこうじゃないと」
★頷く市村。石橋がパッと向きを変えテーブルへと向かうが、そのままテーブルを行き過ぎて下手へと歩いていく
松本「おーい、どこ行くねん!」
石橋「トイレ!」
松本「あ、トイレか。ほなええわ。寄り道せんと真っ直ぐトイレ行きや」
石橋「ん?なに?なんかこっちにあると?」
松本「ないない。なんもないで。なんもないから探したらアカンで」
石橋「あー、なんかあるんだ!探そーっ!」
★キャッキャと下手奥へ走る石橋
松本「アカン言うてるやんか!」
市村「バカだなぁ、それじゃ探せって言ってるようなもんじゃん」
★しばらくして石橋がアタッシュケースを左右から両手でつかんで戻って来る
石橋「これなにー!」
松本「さ、さあ、なんやろな」
★すっとぼける松本。石橋が右テーブルの上にアタッシュケースを置くと、園児二人が立ち上がってのぞき込む
竹本「なんかマスコットが付いてる」
堺「カワイイね。女子が好きそうじゃない?」
竹本「カバンに似合わないよね」
★やり取りを聞いた下野がカウンターへ振り向く
下野「これ、誰の?」
★すっとぼけたままの松本の代わりに市村が答える
市村「阿紀ちゃんのなんです」
下野「阿紀ちゃんって、あのライターの?」
市村「そうです。阿紀ちゃんが、東京に行く途中で急に人と会うことになって、邪魔だから預かって欲しいって置いていったんです」
下野「へー、アタッシュケースを。…なんか怪しいわね」
松本「そやろ。ウチも怪しいと思うねん」
★急に身を乗り出してくる松本
下野「中身はなんなの?」
松本「教えてくれへんねん」
下野「ますます怪しいわね」
松本「そやろ〜」
下野「まあ、阿紀ちゃんだから捕まるようなものじゃないとは思うけど」
松本「…だとええけどな」
★含みのある言い方で返す松本
石橋「ねー、なんが入っとーとー?」
★アタッシュケースをバンバン叩く石橋
下野「叩いちゃダメよ。中に何が入ってるかは、わからないんだって」
石橋「ふ〜ん」
★聞いていた堺が竹本の耳元で声を掛ける
堺「こんなカバンに入れてるって言ったら、やっぱりアレだよね」
竹本「だよね。テレビで見たことあるもん」
堺「やっぱ、アレしかないよね」
竹本「絶対アレだよ」
★コソコソ話し合う堺と竹本
下野「そこの二人、変な想像しないの」
二人「は〜い」
★返事をしてもなお、カバンを指差してコソコソ話し合う二人
市村「あの二人絶対勘違いしてるよ〜。ねえ、カバンあのままにしといていいの?」
松本「急に取り上げたら余計騒ぎ出すやろ。放っといたらええねん。子供やからそのうち飽きるやろ」
市村「そうかなあ」
★市村が首を傾げていると、本村と小中学生の生徒たちが入って来る
本村「こんにちわ~」
松本「いらっしゃ〜い」
本村「みんな挨拶して席について〜」
★生徒たちがこんにちわ~と挨拶してテーブル席へ向かい、本村がカウンターへ行こうとするところを外園が割って入る
外園「先生、注文は俺がするから座っててよ」
本村「そう、じゃあお願いね〜」
★本村と生徒たちがテーブル席へ。中テーブルの右手前に坂本、奥に本村、左手前に馬場、奥に荒巻。左テーブルの右手前に今村、奥にはな、左手前に川平、奥に後藤。カウンターに来た、かっこ良くブレザーを着崩した外園が片手をカウンターの上に置きもたれ掛かる
外園「マスター、先生にウーロン茶。あの子たちには、オレンジジュース出してやってよ」
★外園が親指を立てたグーで後ろのテーブルを指す
市村「ずいぶんマセた言い方ね」
★市村の言葉を気にすることなく外園がカウンターの短辺の奥の高めの丸イスに腰掛け両肘をつく
外園「それと、オレにはいつものウイスキー、ロックで」
松本「あいよ」
市村「それはダメ、それはダメだってさすがに!」
松本「なんで?ええやんか」
市村「ダメダメ、コンプライアンスに引っかかるからダメだって!」
松本「なんで?」
市村「なんでもだってば」
松本「なんでアカンねん」
市村「ダメだからダメなの」
松本「おかしなこと言うやつやなぁ」
市村「おかしいのはそっちよっ!」
松本「中身はウーロン茶やで?」
市村「それを先に言ってよっ!もうっ」
★プンッと横を向く市村を無視して松本がテーブル席に声を掛ける
松本「みんな〜、ジュース取りに来てや〜」
外園「あ、俺が持っていくよ」
★サッと席を立った外園が両手でコップを持つ仕草でテーブル席へ
市村「ほら、日向も見てないで持って行きなさいよ。あなた店長でしょ。子供に手伝わせてどうするのよ」
松本「う〜ん、しゃあないなぁ〜」
★渋々といった感じでトレイを運ぶ松本が中テーブルへ行ったところで、本村が声を掛ける
本村「ねぇ、あのアタッシュケースなんなん?」
★右テーブルの上のアタッシュケースを指差す本村
松本「ああ、あれな、阿紀ちゃんが預かってくれって置いてってん」
本村「ふ〜ん。中身はなんなん?」
松本「聞いたけどな、教えてくれへんねん」
本村「え、なにそれなにそれ、面白そうじゃん。ちょっと貸して」
★本村が子供たちからアタッシュケースを受け取り、留め具を確かめる
本村「あ、鍵掛かってるんだ」
★本村がアタッシュケースを持ち上げ、上下左右をグルグルひっくり返しながら調べる
本村「う〜ん、ゴトゴト音もしないし、重いものは入ってないっぽいね〜」
★そう言った後、本村が耳の側で上下に振ってみせる
本村「あっ、なんかガサガサいってる!」
★嬉しそうに言う本村
下野「あんまり雑に扱っちゃダメよ、人のなんだから」
本村「はぁい」
★残念そうにアタッシュケースを置く本村
坂本「アタッシュケースに入れて運ぶって、よっぽど大事な物なんかな?」
荒巻「じゃないとわざわざこんなのに入れなくない?」
馬場「そうだよね」
★左テーブルにいたはなが身を乗り出してくる
はな「このカバン、家で見た事あるよ」
全員「えっ!?」
はな「お母さんが仕事の時に使ってた」
下野「えっ、お母さんって、あの社長さんよね?!」
本村「美久ちゃんたちに取り立てに来てたあの社長さんだよね?!」
松本「なんや、急にキナ臭くなってきたで!」
★ガッツポーズをする松本
市村「なに嬉しそうに言ってるのよ!」
下野「そうよ。笑って言う事じゃないわよ、もし本当にそうなら」
本村「ねぇはなちゃん、これ、ホントに家で見たのとおんなじ物?」
★本村がはなにアタッシュケースを渡す
はな「う〜ん、そういえばぁ、形はおんなじだけど、こんなマスコットは付いて無かったし〜」
下野「ほら、やっぱり違うのよ。偶然、形が一緒だったってだけじゃない?」
松本「わからへんで。マスコットなんて後からなんぼでも付けれるからな」
本村「そうかもね〜。どう、はなちゃんよく見て。家にあったのとおんなじ?違う?」
はな「う〜ん、おんなじかなぁ、違うかなぁ。違うような気もするなぁ」
★テーブルの上に立てたアタッシュケースを前後左右から身をねじって見回すはな
下野「ほら、やっぱり違うんだって。みんな勘繰り過ぎじゃない?」
松本「そやろか」
★はなと同じテーブルのみんなも身を乗り出す
川平「スパイ映画でよく見るよね、こういうカバン」
後藤「うん、カッコいいよね〜」
★川平が急に、はなが手で支えていたアタッシュケースを両手で掴む
川平「こんな風に奪い合ったりしてさ。おい、よこせ!」
はな「何するんだ、手を離せ!」
川平「これは元々オレたちの物だ!離すもんか!」
はな「そうはいくか!こっちだってボス直々の命令もらってるんだよ!」
川平「知った事か!離しやがれ!」
★アタッシュケースを押し引きする二人
今村「諦めなさい!さもないとその娘の命は無いわよ!」
★銃を構える仕草の今村
後藤「いや〜っ、助けて〜」
川平「卑怯だぞ、悪党ども!」
はな「なんとでも言うがいいさ!ハッハッハ」
★アタッシュケースを奪い取り高らかに笑うはな
松本「ええ遊び道具になってるやんか。まあええわ。どうせ大したモン入ってへんやろ」
★諦めてカウンターに戻る松本
市村「飽きるの早いね。日向が一番、…」
★言いかけて口ごもる市村
松本「ん、なに急に黙ってん」
市村「別に」
★素知らぬ顔で受け流す市村。そこに秋吉が一人で入って来る
秋吉「邪魔するで~」
松本「邪魔するんなら帰ってや〜」
秋吉「おう、すまんすまん、って、なんでやねん!」
★出て行こうとしてきびすを返しツッコむ秋吉
松本「お、今日はノリツッコミやんか」
秋吉「そうッス」
松本「社長はあの母親んトコか?」
秋吉「そうッス。今日はお嬢ちゃんたちも一緒に連れて説教に行ってるッスよ」
松本「そうか〜。ご苦労さんやな」
秋吉「そうッスね」
★秋吉がテーブルの方を一度見て満席かと諦め、カウンターの長辺の右の席に腰掛ける
松本「なんにする?」
秋吉「あ、とりあえずウーロン茶だけ」
松本「なんや、食べへんのかいな」
秋吉「そうッス。この後、ここでアニキと会う約束なんスよ」
松本「アニキ?」
市村「それって、前に話してた、別の会社を作って社員を引き抜いたっていうアニキ?」
秋吉「そうッス」
松本「あ〜、アンタの会社をダメにした悪者かいな」
秋吉「違うッスよ。アニキは仕事が出来て人望もある、俺のあこがれの人ッス」
松本「そうなんや!てっきり悪いヤツやと思っとったわ」
秋吉「とんでもないッス。アニキが独立して作った会社に、したってた連中が勝手について行ったんスよ」
松本「なんや、出来るヤツやったんか」
秋吉「そうッス。今は東京に進出してて、こっちに帰ってくるから会いたいって言ってくれたッスよ」
市村「東京に。…そういえば、阿紀ちゃんも東京に行くって言ってなかったっけ?」
松本「まさか、あのカバン、そっちともなんや関係あるんちゃうやろな?」
★腕組みをする松本
秋吉「なんッスか、あのカバンって」
松本「阿紀ちゃんがな、なんや東京に飛行機で行くつもりやったけど、急に人と会う事になって、邪魔だから預かってくれってアタッシュケース置いていったんや」
秋吉「アタッシュケースっすか?」
松本「そやねん。今あっちのテーブルの上で子供たちのおもちゃになってるわ」
★松本がテーブルを指差し、秋吉が振り返って見る
秋吉「ああ、あれッスか。社長が持ってるのと同じッスね」
松本「やっぱ同じなんや!はなちゃんもな、お母さんのと同じやて言うとったわ!」
秋吉「あ、違うッスよ、そういう意味の同じじゃないッス」
松本「え?」
秋吉「いや、確かに型は同じ型ッスけど、物は別物ッスよ。社長のは社長が持ってるッスから」
松本「なんや、そうなんや〜」
★がっかりする松本
秋吉「そうッス。にしても、アタッシュケースで運ぶなんて、なんか訳ありな感じッスね」
松本「そやろ、気になるやろ」
★また元気になる松本
秋吉「で、誰なんすか、その、置いてった阿紀ちゃんってのは」
松本「なんや、アンタも知ってるはずやで、母親を探し出したライターやってる阿紀ちゃんや」
秋吉「ああ、ウチの会社に来た、あのトヨナガってライターの事ッスか」
松本「そやで。…ん、まさか、あんたらの会社で手に入れたヤバイもんを運んでるんやないやろな?」
秋吉「なに勝手に想像してるんスか。ウチにはそんなもんないッスよ」
松本「ホンマかぁ?」
秋吉「ホンマっす。だいたい、預かる時に中身が何か聞かなかったんスか?」
松本「聞いたけどな、教えてくれへんかったんや」
秋吉「そうなんスか。ま、俺には関係ないッスけど、ちょっと気になるッスね」
市村「そうよね。中に何が入ってると思う?」
秋吉「なんッスかね」
松本「やっぱヤバいクスリちゃうか?」
秋吉「いやいや、それはないッスよ」
松本「なんでや?」
秋吉「飛行機で東京へ行こうとしてたんスよね?だったら、空港の保安検査を通る必要があるッス。そんなヤバイもん入れてたら、絶対通れないッスよ」
松本「ああ、そらそやな」
市村「なるほどね~」
松本「じゃあなんで中身を内緒にしてるんやろか。大事なもんが入ってる雰囲気やったし。ますます気になるわ」
市村「そうね」
秋吉「人に見せられないようなキワどいモノ、とか?」
市村「ヤダ、恥ずかしい〜」
松本「そんなもん入れとったんか!」
秋吉「いやいや、ネットでなんでも手に入るこの時代にそんな、わざわざモノを持っていくなんて手間な事はしないッスよね」
市村「確かに」
松本「ほな、なんやろな」
秋吉「なんッスかね」
★首をひねる三人。
秋吉「で、そんな大事なもん、子供たちのおもちゃにしてていいんスか?」
松本「いいんちゃうか?アタッシュケースやで。そんなヤワなもんじゃないやろ〜」
秋吉「んまあ、そうッスけど」
市村「もし鍵が開いちゃったら?」
松本「開けへんちゃうか?アタッシュケースやで。そんなヤワなもんじゃないやろ〜」
秋吉「確かにそうッスけど」
市村「落っことして壊れたり傷が付いたりしないかな?」
松本「大丈夫ちゃうか?アタッシュケースやで。そんなヤワなもんじゃないやろ〜」
市村「さっきから返事がそればっかじゃん!」
秋吉「なんか投げやりッスね」
松本「ちゃうで。こういうのをな、楽天的って言うねん」
市村「自分で言っちゃうかな」
秋吉「言っちゃうから、楽天的なんじゃないッスか?」
市村「ああ、なるほどね~」
★その時、映画「ゴッド・ファーザー」愛のテーマが流れだす
愛のテーマ (ゴッドファーザー) - ニーノ・ロータ【名曲・映画音楽】
市村「ん?なにこの曲?」
秋吉「ハッ、アニキが来たッス!」
★入口から、白のスーツをバッチリ着込みハットを被った矢吹が入って来る。バッと席を立って迎える秋吉
矢吹「よう、久しぶりだなぁ、秋吉」
★入口からセンター付近まで入って来る矢吹
秋吉「お久しぶりッス、アニキ!」
★矢吹に歩み寄り深々と頭を下げる秋吉。(曲がフェードアウトしていく)
矢吹「元気そうじゃねぇか。聞いたぞ、姿をくらましたヤツを見つけ出して貸金を回収したんだって?」
秋吉「へい、そうッス」
矢吹「やるじゃねぇか。大活躍だな」
秋吉「アニキの方こそ、ご活躍で。東京での仕事もすこぶる順調なご様子で、噂は俺たちの耳にも届いてるッスよ」
矢吹「そうか」
秋吉「アニキが、あこがれの大都会東京で名を揚げてくれると、俺たちとしても鼻が高いッスよ!」
矢吹「おいおい、そんなにおだてたってなんにもでねぇぞコノヤロ〜」
★照れ隠しをする矢吹
秋吉「おだててなんかないッスよ、本音ッスから」
矢吹「そうか。嬉しいこと言ってくれるじゃねぇか」
秋吉「へへへ」
★頭をかく秋吉
矢吹「それはそうと秋吉、お前に頼みたい事があるんだ」
秋吉「なんッスか?」
矢吹「お前、俺と一緒に東京に来ないか?」
秋吉「えっ、東京ッスか?」
矢吹「そうさ。東京で、お前のあこがれの大都会東京で、全国を舞台に勝負してみねぇか?」
★両手を広げてみせる矢吹
秋吉「全国を舞台にッスか?」
矢吹「そうさ。そこで上手く行きゃあ、世界の舞台が見えてくる。世界はいいぞ~。世界に出るとな、今まで見た事のない、こんなに素晴らしい景色があったのかって、すっげぇ心打たれるからな!」
秋吉「さすがアニキ、経験者が語ると言葉の重みが違うッスね!」
★大きくうなずく秋吉
矢吹「どうだ秋吉、一緒に東京で、今までにない景色を見てみねぇか?」
★矢吹が秋吉の肩に手を掛ける。じっと考えた後、秋吉が口を開く
秋吉「確かに、東京でしか見れない景色もあると思うッス。でもここにも、ここでしか見れない景色があるんッスよ。俺は、ここで社長のために尽くすって決めてるッス。その気持は変わらないッスよ」
★そう言った後、秋吉が深々と頭を下げる
秋吉「すいやせんアニキ。せっかくのアニキの申し出ッスが、こたえられないッス」
★矢吹が間をおいて聞き返す
矢吹「…そんなに、あの社長の元で働きたいのか?」
秋吉「そうッス。たとえ通りもんを2個食べただけで悪者扱いされようと、食べ盛りか!とののしられようと、ここ博多で頑張ってくれてる社長のために、俺はここで、俺を育ててくれたここ博多で、恩返しをするつもりで頑張りたいんスよ」
★その言葉にみんなが拍手をし、矢吹が肩をすくめる
矢吹「…なんかその言い方だとよ、俺たちみたいな東京へ出て行った人間がまるで裏切り者みてぇじゃねぇか?」
★慌てて首を振る秋吉
秋吉「そんな事ないッスよ。ちょっと違う話になるッスけど、俺の好きなプロ野球の話をさせてもらうんで聞いて欲しいッス。プロ野球の世界で、岩手から出て来た菊池雄星って選手がメジャーへ行き、あの大谷翔平が出て来てまたメジャーへ行ったと思ったら、次は佐々木朗希が出て来て、岩手ってスゲエってなったッス。そんな風に、博多を出たみんなが次々に活躍してくれれば、やっぱ博多ってスゲエってなると思うし、今まで以上にあこがれられると思うんスよ。そうなるためにも俺たちはここで頑張るし、アニキたちには東京で、世界で、もっともっと頑張ってもらいたいんスよ!」
★その言葉に矢吹が頷く
「そうか。じゃあ俺も、博多の名がますます輝くように、今にも増して東京で頑張らねぇといけねぇな!」
★両手を腰に当て胸を張る矢吹
秋吉「アニキの、今後の益々の活躍を期待してるッス!」
★ビシッと頭を下げる秋吉
矢吹「任せときな!」
★矢吹が秋吉の肩をパンパンと叩く
矢吹「で、秋吉、あのおチビちゃんたちはさっきから何やってんだ?あれアタッシュケースだろ?」
★左テーブルでアタッシュケースを手にキャッキャと騒いでいた小学生たちを、立てた親指で差す矢吹
秋吉「あ、あれッスか。なんだか東京に行くつもりだったヤツが急に人と会うことになって、邪魔だから預かってくれって置いていったらしいんスよ」
矢吹「あんなアタッシュケースをか?」
秋吉「へい」
矢吹「怪しいじゃねぇか。中に何が入ってるんだ?」
秋吉「それが、言わなかったらしいんスよ。そうッスよね?」
★秋吉が松本に問いかける
松本「そやねん。問い詰めても教えてくれへんかったわ。鍵も掛かって開けへんしな」
矢吹「ますます怪しいじゃねぇか」
★矢吹がアタッシュケースを取り囲む小学生たちがいる左テーブルに歩み寄る。その様子をカウンターに戻って見守る秋吉。矢吹が手を上げて小学生たちに声を掛ける
矢吹「よぉ、楽しそうだな。何やってるんだ?」
はな「あ、スパイごっこだよ、ボス」
矢吹「ん、ボス?」
はな「うん。だっていかにもボスって格好じゃ〜ん」
矢吹「ああ、確かにな。どれ、俺も混ぜてもらおうかな」
4人「いいよ〜!」
矢吹「そのカバン、ちょっと見せてくれねぇか」
今村「開けてくれるの?」
矢吹「さあ、それは見てみねぇとわからねぇな」
今村「じゃあ見てみて」
★今村がアタッシュケースを渡し、矢吹がテーブルの正面に客席に背を向けて立ちアタッシュケースの上下左右を確かめる
矢吹「別に変わった所はねぇな…」
★矢吹がアタッシュケースをテーブルに置き、ハンドルにぶら下がっていたマスコットを手に取る
矢吹「こいつはなんのマスコットなんだ?」
★左右に居た今村と川平に尋ねる矢吹。今村と川平が身を寄せて手に取る
川平「さあ、なんだろうね」
今村「あっ、このマスコット、中に鍵が入ってるよ、ほら!」
★鍵をつまみ上げる仕草をする今村
後藤「すご〜い、よく見つけたね!」
今村「このカバンの鍵かな?」
矢吹「んなワケないだろ。鍵をわざわざカバンにくくり付けたりするか?」
今村「わかんないじゃん。失くさないようにくくり付けたのかもしれないしさ」
矢吹「そんな事したら、鍵を掛けても誰でも開けられるんだから意味がないだろ」
今村「やってみないとわかんないじゃん」
★今村が鍵をアタッシュケースに挿してガチャガチャやる
矢吹「…ん?なんか見たことあるな、この光景」
★今村が首を傾げながらガチャガチャし続ける
矢吹「うん、そろそろか?そろそろ来るのか?」
★今村がイライラしだす
矢吹「来るか?来るか?」
★今村がついに諦める
今村「ダメだこりゃ!」
矢吹「来んのかぁ〜い!」
★コケる矢吹。矢吹が今村を引っ張り出して耳打ちする
矢吹「何だよ麻莉愛、アレやってくれるのかって期待したじゃんか」
今村「だってぇ、台本がこう書いてあったんだも〜ん」
矢吹「いいんだって、アドリブでやっちゃえば」
今村「でも、こっちのボケも面白くない?」
矢吹「ん、まあ確かにそうだけどさ」
★二人の会話に、はなが後ろから割り込んでくる
はな「ねぇ〜、二人でなに話してんのぉ〜?」
矢吹「いや、なんでもないなんでもない、気にすんな」
★手を振ってごまかす矢吹。今村が鍵をマスコットに戻す仕草をする
今村「開かなかったよ」
川平「このカバンの鍵じゃないの?」
今村「違うみたい」
後藤「じゃあ何の鍵?」
はな「なんでここに付いてたんだろ〜ね」
矢吹「ますますわからなくなったな」
★アタッシュケースを5人で囲んでいると、入口に私服の坂口が現れる
坂口「こんにちは〜」
松本「いらっしゃ〜い。あ、今日は非番ですか?」
坂口「そうよ」
松本「あ、ひょっとして、またウンコですか?」
坂口「違うわよっ!」
★強く首を振って坂口が続ける
坂口「たまたま配信見てたら、なんか見かけないカバンと人の姿があったから気になって来たのよ」
松本・秋吉・市村・下野・本村「あ〜」
★5人が一斉に矢吹の居るテーブルの方を見る。矢吹はアタッシュケースに夢中で気づいていない。坂口がテーブルへと歩み寄っていく
坂口「ちょっとそこ!何やってるの!」
★坂口の声に、テーブルの5人がパッと振り向く。
坂口「そこで何やってるの!特にあなた!」
★矢吹を指差す坂口
矢吹「ん?誰だお前?」
★指差された矢吹が、ジャケットの前ボタンをゆっくりと外しながら坂口の前に出る
矢吹「人に物をたずねる時は聞き方ってモンがあるだろ、ぁあ?」
★矢吹がジャケットの前をバッと開けて腰に手を当て、坂口を見上げたタイミングで、秋吉が坂口の後ろまで駆け寄ってきて口に手を当てささやくように声を掛ける
秋吉「アニキ、この人お巡りさんッスよ!」
矢吹「何だってぇ?道理どうりで生意気な口の聞き方してやがると思ったぜ。ちょっと待ってな、お巡りさんよ」
★矢吹がゆっくりとジャケットを脱ぎ、バンッとホコリを払った後、再び袖を通す
坂口「着るんかい!」
★ツッコむ坂口。秋吉がカウンターに戻り、ジャケットを着終えた矢吹が前ボタンを留め、シワが無いように整える。見ていた坂口が腰に手を当てる
坂口「あのね、早く私の質問に答えて。ここで何をやってたの?ちゃんと言わないと、みんな交番に連れて行くよ!」
★その言葉にハッと矢吹が子供たち4人と顔を見合わせて、ひとつ頷いた後、矢吹がハットを脱いで右手で持ち、左手で今村と手を取り合って子供っぽくひょこひょこと坂口の目の前へ出て、その後ろに他の3人も並んでみんなで坂口を見上げる
矢吹「あのね、あのね、おまわりさん、わたしたちね、スパイごっこやってたの〜」
★急に可愛くなった態度にコケる坂口
今村「ちょうどいいカバンがあったから、やってみようよって」
5人「ね〜」
★体を傾けて可愛くポーズを取る5人
坂口「う、うんうん、そうなの〜。それじゃあそのカバンは何なのかなぁ?」
★ノリを合わせて、子供に話すように声を掛ける坂口
はな「知らな〜い」
矢吹「なんかぁ、誰かが預かってくれって置いてったんだって」
★首を傾げながら答える矢吹。坂口がカウンターを振り返る
坂口「そうなの?」
松本「そやねん。阿紀ちゃんがな、預かってくれって置いてってん」
坂口「ふ〜ん。じゃあこのカバンは阿紀ちゃんのなのね。この子たちには関係ないのね?」
松本「ないで」
★聞いた坂口が5人に向き直る
坂口「ゴメンねみんな〜。みんなに関係ないって事はわかったわ。でもね、人のカバンで勝手に遊んじゃいけないな〜」
はな「うん、わかった〜」
坂口「それじゃあみんな、ちょっと向こうに行って遊んでてくれる?」
5人「は〜い!」
★5人が坂口の脇を通り抜ける。坂口がアタッシュケースを手に取る間に、5人がセンターへタタタッと歩く
はな「次はなにして遊ぶ〜?」
今村「ん〜と、じゃあIZ*ONEごっこ!」
矢吹「あ、わたしそれ得意〜!」
★5人が楽しそうにスキップで輪になる。そこへ松岡が美久と伊桜莉を連れて入口に現れる
松岡「あら、矢吹じゃないの!」
★その声に、矢吹がハッと動きを止める
矢吹「そうだった、役を忘れるところだったぜ!」
★矢吹がハットを手に持ったままネクタイを締め直し、松岡に向き直る
矢吹「社長!ご無沙汰してます!」
松岡「元気そうじゃない。仕事も順調そうね」
矢吹「お陰様で」
★お辞儀をする矢吹。そのジャケットのすそをはなが引っ張る
はな「ねぇ〜え、IZ*ONEごっこは〜」
矢吹「それはもう無しだ。諦めな」
はな「えぇー」
今村「もうおわり?」
はな「ねぇやろうよー」
矢吹「またいつかな。すまねぇな」
★はなの手を払う矢吹
はな「チェ〜ッ」
後藤「歌ってみたかったなぁ」
川平「こんなチャンスなかなか無いもんね〜」
今村「踊りたかったな〜」
★シュンとする4人。そこへ本村が寄って来る
本村「ダメだよみんな、わがまま言っちゃ」
はな「え〜、でもぉ〜」
本村「ダ〜メ。みんな、韓国語で歌えないでしょ?」
はな「歌えな〜い」
本村「ほら〜。日本語で歌うにしたって、ハンパな踊りしたら叩かれるよ?練習時間も無いのに、出来るの?」
後藤「ん〜、自身ないかもぉ」
本村「ほら〜。ね、やめとこ」
はな「でもでも〜」
今村「せっかくだから奈子ちゃんと一緒になんかやりたいよねぇ」
はな「やりたいやりたい!」
本村「じゃあさ、アレ一緒にやろうよ、ここに居るみんなで!」
はな「アレ?」
本村「そう!記憶力チャレンジ!」
松本「ここでやるんか!」
本村「そう!奈子ちゃんも理子ちゃんも居るしさ!」
坂口「アタシも?!」
本村「そう!いいじゃん、理子ちゃんはこういう頭使うの得意でしょ?」
坂口「ん、まあ、そうだけど」
松本「否定せえへんのや」
本村「でさ、せっかくだから、罰ゲームはいぶキックにしよう!」
全員「えーっ!」
★座っていた全員が立ち上がる
はな「絶対痛いじゃ〜ん」
本村「いいじゃん。その方が気合が入るでしょ?負けなきゃいいんだからさ」
はな「そうだけどぉ〜」
本村「じゃあ決まりね〜。みんな〜、颯以外でまずは二人組になってじゃんけんして、負けた方は前に出てきて〜」
★矢吹も含め石橋以外が二人組でじゃんけんをして、負けた10人が前に出てくる
本村「じゃあ5人ずつに二つに分かれて、負け残った1人づつが覚える役ね」
★覚える2人が決まり、前回と同様のゲームをする(本村が覚える役になったら下野が仕切る役になる)
本村「じゃあ負けた方は罰ゲームね。真ん中に出て来て〜」
★負けた方がセンターに出て来て、横に石橋がキックの準備運動をしながら立つ
本村「じゃあ行くよ!ミュージック、スタート!」
★チェッカーズ「ワンナイトジゴロ」が流れ始め、歌い出しの「キル・ユー」で曲が止まり、同時に石橋がバーンッ!とお尻をキック。(ると見せかけてタイミングをずらすのもアリ)
とんねるず チェッカーズ ワンナイトジゴロ Kill you スリッパ まとめ 追補版
★リアクションを見て盛り上がった後、本村がセンターに出て観客席を向く
本村「は〜い、今回のゲームの結果はこうなりました〜。みんな楽しめたかな〜?」
全員「は〜い」
本村「じゃあこのゲームは終わり〜」
松本「やれやれ、これで終わりやな」
本村「みんな〜、劇に戻るよ〜」
★生徒たちがテーブル席に着き、坂口がアタッシュケースをカウンターの角に持って行って上に置き、生徒以外のみんなが集まる
坂口「で、問題はコレよね」
松本「そやな」
美久「なに、これ?」
松本「そうか、知らへんのやな。これ、阿紀ちゃんが置いてったんや」
美久「阿紀ちゃんが?」
市村「そうなの。阿紀ちゃんが、東京に行く途中で急に人と会うことになって、邪魔だから預かって欲しいって置いていったの」
美久「ふ〜ん。で、なんが入っとーと?」
松本「それがわからへんねん」
美久「え、なんそれ」
松岡「怪しいわね」
松本「そやろ」
坂口「まあいいわ。ここに戻って来た時、直接本人に確かめればいいのよ」
★腕組みをする坂口。その時、入口からジャケットに黒Tの豊永が駆け込んで来る
豊永「お待たせ〜」
両膝りょうひざに手を付き肩で息をする豊永
美久「ナイスタイミング!」
松本「飛んで火に入る夏の虫やな」
豊永「えっ?!」
★顔を上げた豊永が、みんなが集まっている事に驚く
豊永「なんでみんなおると?」
松本「聞きたい事があんねん」
豊永「え?聞きたい事?」
坂口「そう。ちょっといいかしら?」
豊永「あれっ、お巡りさんじゃないですか。そんな私服で、どうしたんですか?」
坂口「それはこっちのセリフよ。いい、ちょっと聞かせてくれる?このアタッシュケースについて」
豊永「えっ、…」
★黙り込む豊永
坂口「どうしたの?何か聞かれちゃマズイ事でもあるの?」
豊永「いえ、そんな事は、別に」
坂口「歯切れが悪いわね。じゃあ単刀直入に聞くわ。中に何が入ってるの?」
豊永「え、中に?」
坂口「そうよ」
豊永「…」
★黙ったままひたいの汗を拭う豊永。坂口がしびれを切らしたように声を掛ける
坂口「ちょっとこっちに来て、開けてみて」
豊永「え、ここで?」
坂口「そうよ。なんなら交番に行く?もっと面倒事めんどうごとになるわよ」
豊永「わかった、わかった開けるから」
★豊永がカウンターの角に行き客席に背を向けて立ち、ジャケットを脱いでカウンターの上に置いて汗を拭い、内ポケットからキーケースを取り出し、まずアタッシュケースの鍵を開ける。その間に生徒たちが寄って来る
はな「開けるの?開けるの?」
石橋「なんが入っとーと?なんが入っとーと?」
★取り囲んで飛び跳ねる子供たち
坂口「ほ〜ら、みんな待ってるわよ。さあ開けてみて」
豊永「わかった。じゃあ開けるけど、中を見ても何も文句言わないでよ」
坂口「それは中身次第ね」
松本「そやそや。はよ開けてんか」
豊永「わかったって」
★豊永が留め金に両手を掛け、アタッシュケースを開ける。同時にみんなが中をのぞき込む
坂口「ん?一番上は写真?」
市村「モノクロ写真かな」
松本「なんや、ずいぶん大きい写真やな」
坂口「その下は?」
市村「全部写真みたい、女の子の」
美久「あれっ、これ全部優絵瑠だ!これぜ〜んぶ優絵瑠だ!なんだよ!今までずっと優絵瑠の写真ばっか撮ってたのかよ!」
とがめられて振り返った豊永の黒Tの胸に『F』の文字が!
生徒たち「ひいきだー!ひいきだひいきだー!」
★みんなの『ひいきだー!』の大合唱が響く
豊永「だから、文句言わないでよって言ったのにぃ」
馬場「言わずにいられないよっ。優絵瑠ばっかりぃー。ひいきだー!」
★ひときわ大きな声を上げる馬場
豊永「じゃ、じゃあ、もういいよね。飛行機の時間があるから、急ぐんだよ〜」
★豊永が慌ててアタッシュケースを閉じ、ジャケットを手に抱えてバタバタと出て行く
矢吹「なんだよ、写真だったんなら最初から言っときゃ良かったじゃねぇか」
坂口「みんなにツッコまれたくなかったんでしょ」
松本「自分がひいきするからアカンねん。自業自得やで」
市村「ホントそう」
秋吉「ま、これで一件落着ッスね」
松本「お騒がせやったな」
坂口「はい、解散〜」
★坂口がパンパンと手を叩き、みんなが散らばる
坂口「じゃあ、今日は帰るわ。また来るわね」
★松本に声を掛けて出て行く坂口。
松岡「矢吹、ウチらも場所を変えて積もる話でもしない?」
矢吹「いいですね〜」
秋吉「お供するッスよ」
松岡「じゃあはな、後で迎えに来るからね〜」
はな「は〜い」
★松岡が矢吹と秋吉を連れて出て行く。生徒たちと下野、本村もテーブルの席に戻り、カウンターには短辺の奥に外園、長辺の左に市村、中に美久、右に伊桜莉が座る
松本「ほな、気分転換に誰か歌えへんか?」
生徒たち「ハイッ!ハイッ!ハイッ!先生ハイッ!」
★競うように手を上げるみんな
本村「じゃあみんな、順番で3曲ぐらい歌うから、グループに別れて〜」
生徒たち「は〜い」
本村「最初は、荒巻ちゃんたち、行ける?」
荒巻「はい、行けます」
坂本「大丈夫です」
外園「任せてよ」
本村「じゃあお願〜い」
★荒巻と坂本と外園がスマホ片手に前に出る

M05 「じょいふる」いきものがかり
いきものがかり 『じょいふる』Music Video

   荒巻  坂本  外園

 振り付けはその場のノリで

★歌い終わると本村が立ち上がる
本村「じゃあ次ね〜」
★後藤と馬場と川平が「は〜い」とスマホ片手に前に出る

M06 「ちょこっとLOVE」プッチモニ
プッチモニ - 01 ちょこっとLOVE

   馬場  川平  後藤

 振り付けはその場のノリで

★歌い終わると本村が立ち上がる
本村「はい、じゃあ最後〜」
★堺と石橋とはなと今村と竹本が「は〜い」とスマホ片手に前に出る

M07 「Yeah!めっちゃホリディ」松浦亜弥
Yeah! めっちゃホリディ/松浦亜弥 2002

石橋  堺  竹本  はな  今村

 振り付けはその場のノリで

★歌い終わったところで、下野がセンターに出てくる
下野「それじゃあ一区切りついた所で、次のシーン行ってみよー!」
★暗転、全員集合のオープニングのBGMが流れる
19810919

★明転。カウンターの短辺に、外園に代わって奥に荒巻、手前に馬場が座っていて、外園は中テーブルの左奥の荒巻の席に座っている。カウンターの長辺には市村と美久と伊桜莉が変わらず座っている
市村「なんでみるんちゃんとさやまるは席を代わったの?」
荒巻「私たちもよくわからないんだけど、」
馬場「なんかぁ、私たち二人のセリフが少なくて申し訳ないって、作家がここに持ってきたんだって」
美久「なんだそりゃ」
伊桜莉「確かにセリフ少なかったよね」
美久「んなこと言うならさ、ウチのセリフにも気を使って欲しいよな!散々クチの悪いセリフ言わせといてさ。イメージ最悪じゃん!」
伊桜莉「確かに〜。美久ちゃん可哀想〜」
★同情する伊桜莉。松本がボソッと呟く
松本「セリフじゃなくてもあんな言葉使いちゃうんか」
美久「ちょっと!ほらまた、言ったそばからイメージ悪くしてんじゃん!」
松本「まあまあ、ええやんか。それももうすぐ終わりや」
荒巻「そうだよ。セリフが沢山あるだけいいよ」
美久「いやいや、ありゃあイイってもんじゃないって。言いたくもないセリフなんてさ」
荒巻「それでも私、もっとしゃべりたい」
美久「え、しゃべんない方がみるんちゃんのキャラにあってんじゃん。物静かでおとなしいのも立派なキャラだって」
荒巻「美久ちゃんに言われたくない」
松本「あれ?なんやテレビで聞いたことあるセリフやな」
★宙を見上げた後、おでかけポーズをする松本
伊桜莉「まあ確かに、セリフがあるに越した事はないですよね」
馬場「そうそう。セリフがもらえて一人前の人間だよね。私も、早く人間になりた〜い」
★アニメ「妖怪人間ベム」のテーマの歌詞部分が少しだけ流れる
妖怪人間ベム オープニング
馬場「あれ、面白くなーいぃ?」
★泣きそうな顔をする馬場。カウンターのみんなと下野と本村が笑みをこぼしながら寄って来る
みんな「面白いよ、面白いよ大丈夫だよ」
馬場「でもぉ…。同情されてるだけじゃなーいぃ?」
美久「そんな事ないって。考えすぎだよ。な?」
みんな「そうそう」
馬場「でもぉ…。このネタ、身を削っただけ損じゃなーいぃ?」
美久「そんなに気にすんなって。自虐ネタなんてみんな持ってるんだからさ。な?」
みんな「そうそう」
馬場「でもぉ…。こんなセリフしかもらえないって、やっぱりダメないんじゃなーいぃ?」
美久「いやいやいや、ネタが浮かばないからってこんな笑いの取り方をする作家が全部悪いんだって!な?」
みんな「そうそう」
馬場「…うん、そうだよね」
★そうそうとうなずき合うみんな
伊桜莉「それじゃあ、そろそろ劇の本編に戻りましょうか」
市村「そうだね」
★馬場の側に寄っていたカウンターのみんなが元の場所に戻り、下野と本村は馬場の側に残って立って見守っている
松本「そろそろ、最後のシメの時間やな」
市村「え、もうそんな時間?」
松本「そやで」
★松本がスマホを取り出して見た後、すぐに仕舞う
松本「そや、ウチな、みんなに言わなあかん事があんねん」
みんな「え?なに?」
松本「ウチ、東京に行く事に決めてん」
みんな「東京に行く!?」
★下野と本村がカウンターに手をつき身を乗り出す
下野「東京に行くの!?」
松本「そうや」
本村「それって、旅行じゃなくて、引っ越すって事?!」
松本「そうやで」
伊桜莉「え、なんでですか?姉が色々言ったから嫌になったんですか?」
松本「ちゃうちゃう、そうやないで。ちょっとな、東京で勝負してみようて思たんや」
市村「あ、もしかして、あの矢吹のアニキの言葉に感化かんかされちゃったの?」
松本「ちゃうちゃう、前々から考えとったんや。あの言葉聞いてますます背中押されたわ。ウチもな、東京で勝負して、世界を目指したるわ!」
★人差し指を立てて天を指差す松本
美久「アンタ大丈夫?その気になって浮足立ってんじゃないの?」
松本「んなことないで」
美久「そうかあ?」
伊桜莉「あの、こんな事言うのもなんですけど、このままこっちで頑張って続けてても良くないですか?」
松本「んなことないでぇ。ウチはもっと羽ばたきたいんや。もう行くって決めたんや!」
美久「んー、そこまで言うなら止めんけどさ。上手い話には気をつけなよ」
松本「わかってるわ。ウチもそこまでアホやないで。心配ご無用や」
美久「どっからその自信が出てくんだよ」
★首を振る美久
伊桜莉「じゃあ日向さん、この店は閉めちゃうんですか?」
松本「いや、いとこに任せよう思て後を頼んどいたから、この店は閉めへんで」
伊桜莉「そうですか…」
★伊桜莉がフーッと胸を撫で下ろす
市村「でも、日向は東京に行っちゃうんでしょ?」
松本「そやで」
市村「寂しいじゃ〜ん。せっかく仲良くなったのに〜」
松本「仲良くなったって思ってくれてたんか。そら嬉しいわ」
市村「そう思ってなかったら毎日来たりしないよぉ」
松本「そうか。でももう向こうで契約もしたしな。後戻りは出来ひんねん」
市村「そんなの解約すればいいじゃん。行かないでよぉ」
松本「そう言ってくれるのは嬉しいけどな、」
★松本が市村の肩に手を置く
松本「もう、遅いねや」
★M08が流れ始め、坂本がセンターに出てくる

M08 「Show Me」森川由加里(ドラマ「男女7人秋物語」のテーマ)
SHOW ME| 森川由加里

     坂本

 振り付けはその場のノリで

★歌い終わった坂本が席に戻る。下野と本村はカウンターの角に立っていて、本村が馬場の肩に手を掛け、下野が市村の肩に手を掛けていて、市村が松本の手をつかんで引っ張っている
市村「寂しいよ〜」
松本「寂しいのは今だけや。全然会えへんようになるんちゃうんやから、大丈夫や」
美久「いつ東京に行くんだよ」
松本「まだ決めてへんけどな、近いうちやわ」
伊桜莉「そうなんですね〜」
美久「向こうに行っても、頑張るんだぞっ。みんなで応援してるからな!」
みんな「応援してるよ〜!」
松本「ありがとう。みんなのその声で頑張れるわ」
★松本がニッコリと笑みを見せる
松本「さぁ、そろそろ最後の一曲の時間やで」
★松本がスマホを取り出すのを見て、下野がカウンターに手をつき身を乗り出す
下野「ねぇ、今日は、『アカンッ!』のガナリはないの?」
本村「あ、聞きたい聞きたい!」
松本「ないない。今日はないで」
本村「え〜。ないと寂しいやん」
松本「たまには静かに終わらせてぇや」
下野「お約束やん、聞かせてよ〜」
松本「アカンって」
本村「いいやん」
松本「アカンアカン」
本村「聞かせてよ〜」
松本「アカンアカンアカン」
本村「ねぇ〜」
★渋る本村に、松本が大きく息を吸って駄々っ子のように身震いし怒鳴り声を上げる
松本「アカンッ言うてんねんからっ、とっとと諦めたらどないやねーんっ!」
★朝日放送「あっちこっち丁稚でっち」の赤フン男登場のBGMが流れ、入口から坂口が平泳ぎの手振りと坂田師匠の足運びで入ってきて、上手から下手まで往復した後、下野と本村の腰を左右の手で押すようにして一緒に外へ連れ出していく
馬場「なに?今の」
荒巻「お巡りさん?」
松本「ええねんええねん、気にせんどってや」
★松本が手を振ってごまかし、みんなを見回す
松本「そしたら、最後の曲やけど、お約束のあの曲でええか?」
みんな「いいよ〜」
松本「ほな、田中姉妹でWセンターやってくれるか?」
美久「やるやる!」
伊桜莉「やらせてもらいます」
松本「よっしゃ。ほんなら、センターに立って待っときや」
★美久と伊桜莉が自分のスマホを取り出してセンターの位置に行く
松本「ほな行くで〜、これが最後の曲や!」
★なぜか吉本新喜劇のテーマ「Somebody Stole My Gal」(ホンワカパッパ〜、ってやつ)が流れる
吉本新喜劇のテーマ
全員「ちがーうっ!」
松本「え?お約束の曲言うたらコレやろ?」
市村「違う違うって」
美久「これじゃ歌えないだろっ!」
市村「最後の最後になにやってるのよっ」
松本「わかってるわかってるって。これもお約束や。今度こそちゃんと行くで〜。これがホンマに最後の曲や!」

M07 「明日があるさ」Re:Japan
Re Japan 明日があるさ 吉本

★1番が始まる直前で松本がサッとセンターをうばって立つ。後ろで美久と伊桜莉が驚いて顔を見合わせるが、すぐに首をすくめてあきらめる
★(スマホをマイクのように持ち歌詞を見ながら歌う)

1番:松本
2番:石橋、竹本   以下、順番に前へ出て来て松本の左右に並びながら歌う
3番:川平、後藤
4番:馬場、堺、今村
5番:荒巻、坂本、外園
6番:美久、伊桜莉
7番:下野
8番:本村
9番:市村  市村だけ松本の横に立つ   
10番:豊永、はな
11番:矢吹、秋吉、坂口、松岡
12番:全員

最後の並び 肩を組んで左右に揺れながら歌う
11、7、5、3、9、1、2、4、6、8、10

★曲終わりに本村が前に出る
本村「これで全部おしま〜い!」

★暗転。お好み焼き屋セット撤収

★アンコール口上、明転

MC  劇の感想など

EN ザ・ドリフターズ「いい湯だな(ビバノン・ロック)」の1番の歌詞に「ドリフのビバノン音頭」と「さよならするのはつらいけど」の歌詞を足して修正した替え歌(8時だよ全員集合のエンディングの雰囲気)
全員集合エンディング
ドリフエンディング

(後列)市村 松本 伊桜莉 美久 本村 下野 松岡 坂口 秋吉
(前列)石橋 竹本 堺 豊永 荒巻 坂本 外園 矢吹 はな 今村 馬場 川平 後藤 

★歌詞  (合いの手とセリフ:はな)

ババンバ バンバンバン(アビバビバビバ)
ババンバ バンバンバン(アビバノンノン)
ババンバ バンバンバン(アビバビバビバ)
ババンバ バンバンバン(ア〜ビバノンノン)

いい湯だな(アハハン) いい湯だな(アハハン)
湯気が天井から ポタリと背中に
つめてぇな(アハハン) つめてぇな(アハハン)
ここは百道(ももち)の ど真ん中の湯

ババンバ バンバンバン(アビバビバビバ)
ババンバ バンバンバン(アビバノンノン)
ババンバ バンバンバン(アビバビバビバ)
ババンバ バンバンバン(ア〜ビバノンノン)

笑ったね(アハハン) 歌ったね(アハハン)
あなたの笑顔が 目に浮かぶ
カワイイな(アハハン) ステキだな(アハハン)
みんなで楽しく 笑いましょ

ババンバ バンバンバン(アビバビバビバ)
ババンバ バンバンバン(アビバノンノン)
ババンバ バンバンバン(アビバビバビバ)
ババンバ バンバンバン(ア〜ビバノンノン)

笑ったね(アハハン) 歌ったね(アハハン) 
笑う門には 幸せが来る
いいもんだ(アハハン) いいもんだ(アハハン) 
みんなで楽しく 過ごしましょ

ババンバ バンバンバン(アビバビバビバ)
ババンバ バンバンバン(アビバノンノン)
ババンバ バンバンバン(アビバビバビバ)
ババンバ バンバンバン(ア〜ビバノンノン)

いいトコだ(アハハン) いいトコだ(アハハン) 
さよならするのは つらいけど
時間だよ(アハハン) 仕方がない(アハハン) 
また会う日まで ごきげんよう

ババンバ バンバンバン(宿題やったか?)
ババンバ バンバンバン(お風呂入れよ)
ババンバ バンバンバン(歯磨けよ)
ババンバ バンバンバン(また今度〜!)


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