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ちょっくらシルクロード横断してきます〜中東・アジア旅行記ep29〜

第四章 シリア パルミラ編
三十路センチメンタルジャーニー
ep29、砂漠のネオキャラバンルート 2006

 自分のホテルに帰るとオーナーがコーラン熱唱中だった。言うことやることはかなりテキトーだが、かなりのまじめなムスリムのようだ(見た目も、言うことももう一つのホテルのオーナーとは大違い、だが憎めない)。このホテルに泊まっているのは自分ひとり。

 二人でテキトーなゆるい話をしながら爆笑しているとまた一人、ゆるいオヤジが入ってきた。友達らしい。彼によるとこの後何かの放送をTVでするらしい。そのうち続々とこのケーブルTVがあるこのホテルにゆるい仲間が集まってきて気がつけば総勢6人。そして・・・・放送が始まった・・・・

 冒頭いきなり「アッラーアクバル」がメロディーと共に始まり、沢山のイスラム義勇兵たるムジャヒディーンが顔に布を巻き、AKアサルトライフを掲げ行進している映像が流れ始めた。そして映像は切り替わり、遠方からの望遠撮影に切り替わったと思ったらアメリカ軍の戦車や車、装甲車などが現れ次の瞬間から続々と木っ端微塵に吹き飛んでいった。

 そう、この放送は実際のイラクで行われている戦闘、ゲリラ戦をムジャヒディンが撮影したイラクにおけるアメリカ軍への攻撃映像集で、イスラーム義勇軍による衛生を使ったゲリラ放送だった。

 BGMはアッラーを讃え、ジハードを促す音楽に乗せたスピーチ。映像でアメリカ軍が爆発炎上するたびに、このホテルのラウンジにいた6名から喚起の声が上がる。さらに、連続する爆発音と映像とともにみんなのボルテージは上がっていき、映像とBGMにあわせ歌って踊りはじめた。しかもそこにいたオヤジの一人はテンションあがりっまくって口が滑ったのか、「明日から俺はイラク入りする」とか言い始めた。

 よくよく聞くとこの人はシリアから砂漠の国境を密入国しながらイラクまで世界中から参戦するムジャヒディーンを運ぶ、運び屋だそうだ。パルミラの街はシリア西部の砂漠に位置し、その砂漠にある国境を超えるとすぐにイラクとなる。

 後でわかった話だが、当時のアメリカ軍を悩ましていた世界中から対アメリカの為に集まるムジャヒディーンの一大密入国ルートがそこにはあった。おいおい現代のキャラバンかよとおもいつつ、明日は5人のムジャヒディーンをイランまで送るそうだ。そのうち2人はこうしたイスラームの考えにシンパシーを感じたオランダ人だという。

 うーん、このホテルもしかしたら、かなりチョイスをやらかしたかもと内心ハラハラしながらTV画面に次々と映し出されるディープ映像に釘ずけになっていった。

読んでくれた人へ
 今後、定期的にシルクロード横断日記や行きたいけど行けないという悶々とした気持ちで書いた、脳内妄想旅行の計画などをアップする予定です。お暇なときにでも、そちらも読んでやってください。ありがとうございました。スキをしてくれると僕のテンションが上がります。ファローしてくれたらうれション状態です。よろしくお願いします。人生の無駄遣い万歳^_^

HPやってます。いろいろな旅行関連記事を書いているのでよかったら寄ってみてください(^^)


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