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ちょっくらシルクロード横断してきます〜中東・アジア旅行記ep21〜

第三章 シリア・アレッポ〜ハマ
三十路センチメンタルジャーニー
ep21,闇チェンから分かる僕の癖 2006/11

 アレッポ石鹸のおかげで身も心も洗濯物もキレイサッパリした翌日、安息日を抜けたことで、街は再び活気を取り戻していた。ハマったファラフェルサンドを朝食にいただいた後、本日はバスのチケットを確認しにバスステーションに向かう。

 次なる目的地はハマ。水車で有名な街だ。また、中東を旅するバックパッカーの間でも有名なリヤドホテルという安宿がある。なんせとても安宿とは思えないような清潔感とホテルスタッフのいい感じの距離の取り具合と対応が評判のホテルということだった。ハマの街自体は水車を除いて特にこれと言ってという小さな街だが、小さな街の心地の良いホテルでのんびりしたいという願望に抗いきれず、一旦ハマを目指す。

 バスステーションで明日のハマ行きのチケットや時間を調べ、そのあと再びアレッポの街の散策に繰り出した。まずはアレッポの秋葉原と言われている電気街区へ。秋葉原と聞いて相当すごいのをイメージしていたが、当然そこには小さな電気店が20店舗ほど立ち並ぶ、極小秋葉原であった。ここでの目的はデジカメのSDカードを購入すること。当然日本で買ってくればよかったのだが、購入を忘れていたため、急遽現地調達という形になった。

 何店舗かお店を物色し、SDカードを提示してもらうのだが見慣れない中華ブランドばかりで、日本製のものを見せてもらうと、値段が結構する。とはいえ当時の中華製品は現在の中華ブランドのように信用がなく、買うのをためらった。まあ、急ぎではないのでいいかな〜という感じで、店舗を後にすると怪しげなオジサマが近寄ってきた。

 心のなかではなんかイベントキタ〜\(^o^)/というウキウキ感、つまり僕の癖でいっぱいであったが、当然みせる顔つきはでデューク東郷なみの冷静さを放つ。俺の背後にはいったらキルするぞというゴルゴ13の名シーンを模したオーラを放っていると、オジサマはそっと耳元でつぶやいた。それは闇チェンジのお誘いだった。

 闇チェンジとは、いうなれば非合法の両替で大概の場合は銀行などの公定レートよりも遥かにお得に両替出来るシステムだ。自国通貨が安定しない発展途上国では、ハイパーインフレ万歳のように、明日には紙くずになっているかもしれない信用ならない自国通貨よりも、国際的に信用のあるドルやユーロ、日本円を欲しがる人たちが多くいる。

 そのため、街なかでこうした闇チェン業者を見つければ、国が定めている公定レートよりも実際にはかなりお得に両替が出来る、非合法両替である。かつて旅行したエジプトでは、公定レートと闇レートで三倍の差があり、旅行者は誰も公定レートで両替をしないなんてこともあった。あっこれ犯罪です。
 
 ものは試しに、レートを聞いてみると、公定レートとの差額はUS1ドルにつき、たがが数円程度であった。ここで1000ドル交換とかであれば、大きな差がつくが、貧乏パッカーがする両替なんぞたががしれていたし、さらに言えばたった数円で犯罪者になるつもりはないので、丁寧にお断りをした。その後もしつこく両替商が食い下がるかと思ったが、なんともあっさりと引いていった。それが寂しくないと言ったら嘘になる。旅行を通してなんともけったいな癖が生まれたものである。

電気屋のお兄いさん

読んでくれた人へ
 今後、定期的にシルクロード横断日記や行きたいけど行けないという悶々とした気持ちで書いた、脳内妄想旅行の計画などをアップする予定です。お暇なときにでも、そちらも読んでやってください。ありがとうございました。スキをしてくれると僕のテンションが上がります。ファローしてくれたらうれション状態です。よろしくお願いします。人生の無駄遣い万歳^_^

HPやってます。いろいろな旅行関連記事を書いているのでよかったら寄ってみてください(^^)


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